ヘッドライン
2002年1月6日、13日号《ヘッドライン》
2002年1月6日、13日号《ヘッドライン》
= 1面 =
◎新年メッセージ:決勝点を目指して 記・姫井雅夫
★日本・コリア 交流史展示で市民交流の場——新宿に「高麗博物館」開館
★インドネシア・スラウェシ島:虐殺の脅威弱まる
★第20回 写真大賞 入選者・宮本正子さん
★<落穂抄>老伝道者からのクリスマスカード = 2・3 面 クリスチャンテクノロジー&サイエンス=
★手塚治虫が描いた世界は明るい未来ばかりではない 山守博昭牧師
★神様がいるからこそ地球がある、人間がいる G・R・カーカムさん ★今、原子力に迫る 鈴木直之さん
★エイズワクチン開発
★全米で話題の書『レフト・ビハインド』——新春いよいよ邦訳出版 = 4 面 =
★女性教職は聖書的か——福音主義神学会・東部部会が研究会
★がんと闘い、ウガンダ医療宣教続ける——自伝的記録を出版
◎福音派と聖霊派を結ぶ研究会で聖霊論を刷新——ワーダン・スピリットの会発足
★手軽に原語で聖書が読める——インターリニア ギリシャ語新約聖書
★女性国際戦犯法廷ハーグ判決も有罪
★<論説>困難な時代に——変えるべきもの、変えてはならないもの 記・中川健一 = 5 面 =
◎小泉首相靖国参拝違憲訴訟:全国5か所で1200人が原告に
★九州の聖書信仰大会——地元の教会協力で今も健在
★教会は戦争をどう考えているの?——アフガン難民救援バザーで疑問に応答
★北海道のリバイバルを考える——牧師有志らでパネル討論を企画
★韓日サッカーW杯の年に独立宣言の意義——ゆかりの地でフェスティバル
★インドネシア:「過激派の背後にアルカイダ」と政府高官が明言
★米国:宗教組織にもスパイ潜入捜査——テロ対策で司法長官が検討
★パプアニューギア聖書翻訳宣教15年を報告——ウイクリフ大鍔宣教師
★英国:18世紀以来の再一致へそろりと一歩踏み出す——国教会とメソジスト
★「障害児」普通学校入学基準緩和に疑義 = 6 面 全面広告=
☆こうすればよい建物が安く建ちます!——大光グループ = 7 面 キリスト教書店特集=
★埼玉:自宅をキリスト教書店「BOOKSオリーブ」に——飯能市のクリスチャン夫妻
★青森:教会で毎週末キリスト教書委託販売——将来は専門書店に
★大阪:先立つものはお金より信仰——ノア書房閉店後を引き継いだゴスペル・ライト・ストア
★北海道・茨城:キリスト教書店閉店の動きに地元の力で「書店始めたい」 = 8 面 PRのページ=
★ドキュメント:139日のいのち 小さないのちを守る会 = 9 面 新会堂建築シリーズ=
★センター機能を持つ教会——日本福音ルーテル大阪教会 http://www4.odn.ne.jp/~eaa81100/ = 10 面 関西だより=
★大阪クリスチャンセンター新会館建設へ具体化——50周年を期に将来構想
★VIP関西センター1月に誕生——関西の教界の拠点に
★肩肘張らないクラッシックコンサートを展開——ピアニスト・久下真理さん
★フェスティバル2001を振り返って・リバイバルの一歩 記・沼沢 栄子
★阪神クリスマスフェスティバル「人生の実力者は信仰者」
★<牧師室訪問>大阪一麦教会・原村ヒデ子牧師 = 11面 =
◎いわき市の4教会協力しe-street clubを発足——地方の若者伝道の新しい試み
★「いやされないことも恵み」に驚き——がんで召された能登一郎牧師の本『神様の絵の具』韓国で反響
★ゴスペルコンサートに1600人の学生が参加——ヨハン東京・早稲田キリスト教会
★ろう者と健常者の「異文化コミュニケーション」を学ぶ
★<召天>奥田 耕天氏(オルガニスト、青山学院大学名誉教授)11月30日
★<召天>石原 邦生氏(ペテロ石材社長)11月19日 = 12 面 =
★第20回 クリスチャン写真大賞 選考結果発表 = 13 面 第2部=
★宮古からの風——天照大神からキリストへ 宮古神社初代神主・砂川真長さんの回心
★馬小屋を改装した喫茶店「ぽぷり」——昔なつかしい生活がある
★悪法「人頭税」の歴史——史跡巡りで地域を学ぶ = 14 面 子育てパパ座談会=
★仕事で忙しい父親でも理想は家庭が優先宮武 智さん・堀井 卓さん・北 秀樹さん = 15 面 =
★「千と千尋の神隠し」大ヒットに危機意識——宮崎作品を容認しない態度必要 記・田村 昭二 = 16・17 面 神学校特集=
★献身の招き——地方の神学校の視点から 北海道聖書学院長・小林基人
★「神の国」運動を理念に超教派で35年——日本福音学校
★開拓伝道のシンクタンク——拡大宣教学院
★様々な問題意識分かち合う——関東で神学生交流会開催
★卒業生コース好評・新校舎建設計画も着々と——リバイバル聖書神学校 = 18 面 PRのページ=
★カルト研究リハビリ・センター完成 http://gospeljapan.com/helpcuit = 19~23 面 =
★2002年 新年の抱負 連絡協力機関・聖書事業
★2002年 新年の抱負 教団・教派
★2002年 新年の抱負 教団・教派
★2002年 新年の抱負 各種宣教機関・伝道団体
★2002年 新年の抱負 各種伝道団体 = 24 面 =
★イスラムと私たちの責任——平和の使者の務めを 記・石川 秀和
★第24回 あかし文学賞公募(2002年2月15日締め切り)
新年メッセージ:決勝点を目指して 記・姫井雅夫0201060101
主の年、2002年を迎えました。晴れやかに迎えた人もそうでない人もおられることでしょう。でも月並みですが、「おめでとうございます」。迎えた年をどのように送ったら良いでしょうか。どのように送りたいと願っておられますか。20世紀は戦争と革命の世紀だったと、どなたかが述べておられます。確かに多くの戦争があり、革命で世界中が動かされました。そして共産主義は崩壊し、21 世紀を迎えるというシナリオのように思えました。ところが平和を願った21世紀の最初の年にテロで世界が震撼させられるとは、誰も想像しなかったのではないかと思います。長引く不況に追い討ちを掛けるように、この出来事が起こりました。そして世界の経済は急速に下降線をたどり、大きな企業も次々と倒産していきました。21世紀に大きな夢と希望を託したいと誰しも願っているのではないかと思います。
その暗い空気を吹き飛ばせるかなと期待するのですが、今年はサッカーのW杯が韓国と日本を会場に開催されます。第17回目のW杯になります。やっとアジアで開催される運びとなりました。ゴールを目指し、決勝点を目指して、32か国の選手たちが競技を行います。韓国・日本をはじめ、世界中がこのW杯で沸き立つのではないかと思います。
そこで「決勝点を目指して」と題して聖書のことばから新しい年の決勝点を、ゴールを思いめぐらし、神様からのチャレンジと恵みをいただきたいと思います。
第1コリント9章24節から27節を読んでみましょう。ここにスポーツ競技に関連して、人生のあり方が説明されています。
熱心に
「賞を受けられるように走りなさい」(24節)。中途半端な走り方では賞を得ることは困難です。やはり熱心に、一生懸命走るべきでしょう。ピリピ3章14節には「一心に」ということばが出てきます。何をやっても中途半端。これではゴールを決めることは出来ません。クリスチャン生活を中途半端に送っていることはないでしょうか。聖書を読むことも、祈ることも、礼拝に出席することも、奉仕することも、何もかも中途半端。熱心さに欠けていることはないでしょうか。
自制して
ウエイトコントロールに苦労している選手は多いです。生活のあらゆる面に自制して、ベストコンディションで試合に臨むように努力しています。27節には「自分のからだを打ちたたいて従わせます」と書かれています。ヘブル書12章1節には「いっさいの重荷とまつわりつく罪とを捨てて…忍耐をもって走り続ける」ことが書かれています。競技には規定があります。それに従う必要があります(第2テモテ2章5節)。
私たちのクリスチャン生活はいかがでしょか。十字架による救いを確信し、その恵みの中に生き、常に霊性が主の祝福の中にあるようにしておく必要があります。
決勝点を目指して
サッカーの選手はみんなでゴールを目指します。パウロは「何とかして幾人かでも救うため」(22節)と述べています。ここにゴール、決勝点があります。自分も天国に行けるように(27節)、そして一人でも多くの人々を救いにお導きできるように。
「ひとりがひとりを」というのは古いことばですが、でも新しいゴールにしてみてはいかがでしょうか。クリスチャンの数は53万4千947人と発表されています。今年中に60万人にできないでしょうか。教会の数は7千814と言われていますが、これを8千に。礼拝出席者数は26万9千345人とのことですが、30万人に。400人の宣教師が日本から派遣されていますが、500人に。
日本中の教会とクリスチャンが心を合わせ、分裂しないで、分派を作らないで、一心にゴールを目指すことが出来たら幸いです。パウロは「私は勇敢に戦い、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました」(第2テモテ4章7節)と告白しています。そして義の栄冠を受けるのだと勝利の宣言をしています。この栄冠は「主の現われを慕っている者には、だれにでも授けてくださるのです」(8節)。主の十字架の恵みは人々の救いのための唯一の道です。聖霊の力は求める者に注がれます。恵みと力をいただいて「よいあかしびと」になりましょう。
福音派と聖霊派を結ぶ研究会で聖霊論を刷新−−ワーダン・スピリットの会発足0201060403
福音派と聖霊派との間にある課題や問題を聖書的、神学的に取り扱うことで、相互の交流をはかるとともに、聖書的神学的側面から聖霊論に関する情報、学びを提供しようと、教職者と信徒を対象にした研究会「ワーダン・スピリットの会」(以下W&Sの会)が発足。このほど訳書『使徒の働き解釈学』が出版された。この会は、愛知県岩倉市の同盟福音キリスト教会・岩倉キリスト教会の渡辺睦夫牧師が主宰し、アメリカ・カリスマ派の教会ブレイン・クリスチャン・フェローシップの竹田亮一牧師の協力によって始まった。
渡辺氏は、岐阜県で牧会伝道中、ペンテコステ・カリスマ運動の影響を受け、当時の教会出席者の約三分の一が教会を離れるという「苦い」経験を持つ。その出来事を契機として聖霊論に関心を持ち様々な学びをした。1988年、カナダのリージェント・カレッジに留学の道が開かれ、義兄の大川従道氏の紹介で竹田氏と出会う。そこでの竹田氏や教会員、リージェント・カレッジの教師などペンテコステ・カリスマ派の人たちとの交流で「多くの良いもの」を経験した。この2つの相反する経験をした渡辺氏が、「どちらの経験も、主からのものとして受け止め、この恵みを日本の同労者や兄姉にお分かちしたい」と知人に相談、会の準備を進めてきた。
9月に会報の創刊と、ウォルター・ライフェルト(トリニティ神学校特別名誉教授)著『使徒の解釈学』を翻訳出版したことを契機に会を正式に発足、み言葉と聖霊(Word&Spirit)を大切にするという意味で「ワーダン・スピリットの会」と名付けた。
『使徒の解釈学』は、ライフェルト氏が健全な解釈学的観点から、「使徒の働きの読み方」を注意深く取り扱ったもので、学究的にバランスが取れ、本格的な入門書ともなっている。
W&Sの会の強調点として?健全な釈義や解釈を目指し、日本における聖霊論の刷新を求めていく?体験に基づくだけの聖霊理解を補正しながら、これまでの聖霊論では取り扱われてこなかった分野にも目を向ける?会の学びの枠組みとして、聖書の健全な理解と聖霊の自由な働きは分離できないことと健全な三位一体的理解を求めつつ聖霊(論)の学びを進めていくことを強調する。
活動内容は▽年3、4回の会報の送付(eメールなども活用)▽将来的にはホームページ作成、互いの交流をはかる▽会の目的にふさわしい良書の紹介・出版・翻訳▽特別研修会の開催、などを計画している。
会報は、聖霊(論)に関わる小論文、聖霊に関する証し、会員内の意見、質問、良書の紹介、書評、感想などを掲載する。 連絡先=愛知県岩倉市東町東市場屋敷252、岩倉キリスト教会TEL&FAX0587・66・0392。wordansp@nifty.com
小泉首相靖国参拝違憲訴訟:全国5か所で1200人が原告に0201060501
2001年8月13日、総理大臣である小泉純一郎氏が靖国神社を参拝したことは「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と定めた憲法20条3項の政教分離規定に違反するなどとして、小泉首相らを相手取って、違憲の確認、参拝の差し止めなどを求める訴訟が、12月までに全国5か所で出そろった。11月、12月中に提訴があったのは九州・山口、四国、大阪、東京、千葉の各地。12月12日までに確認された段階でキリスト者、仏教者、市民を含む千196人が原告となっている。
このうち、原告数が639人と最も多い大阪の「小泉靖国参拝違憲アジア訴訟団」には、在韓の日本軍人軍属遺族ら119人と、ほかの外国人も含まれている。大阪、四国では靖国神社も被告として訴えている。12月12日に千葉地裁に提訴した原告40人のうち、29人はキリスト者だ。
太平洋戦争開戦日に合わせて12月7日(開戦日は8日だが土曜日で裁判所が休みだったため)に提訴した東京では、支援者、弁護団が原告らを支える「訴訟団」の形で戦っていく。支援者の1人西川重則さん(靖国神社国営化反対福音主義キリスト者のつどい代表)は「アジアを視野に入れながら東京中心ではなく、それぞれの訴訟団とのつながりを大切にして、クリスチャンとしての賜物を生かし支援していく。靖国問題は私たち一人ひとりにかかわる不可避の問題だ。国民の一人として、クリスチャンとして祈りに覚えてほしい」と語った。東京の原告団長、弓削達さん(元フェリス女学院大学長、日本基督教団駒沢教会員)は、「(提訴は)とうの昔にしなければならなかったこと。クリスチャンでない人々ががんばっているのを見て立ち上がった」と語った。
東京では現在原告が244人だが、まだ増えており、2次提訴する予定。東京の訴訟団は、同じく参拝した東京都知事である石原慎太郎氏も被告にしている。
このような全国の動きに対し、福田康夫官房長官は12月13日の記者会見で小泉氏の靖国神社参拝を「私的なものだ」と述べ、今後の議論に大きな影響を与えそうだ。
いわき市の4教会協力しe-street clubを発足−−地方の若者伝道の新しい試み02010611
若者をいかに教会に結びつけるか。若者の少ない地方教会の共通の課題だ。そのような中で福島県いわき市では、ノルウェーの宣教団体が中心となって若者伝道の新しい試みが始まっている。市内の4教会の協力で、「e—street club」(=esc)というコーヒーハウス&英会話クラスを開設、その中で様々なイベントを企画、若者を伝道している。この働きは、2000年11月から始まった。8年前に来日したエヴァンジェリカル・オリエント・ミッションのスウェン・ルドビクセン宣教師が、教会に若者がいない状況に「もっと自由な雰囲気で若者伝道できないか」と発案した。
現在、同盟基督・いわきキリスト教会、保守バプ・いわき希望教会、東洋福音宣教会内郷キリスト福音教会、同・平キリスト福音教会の4教会が、この働きに参加している。
市内の中心部に少し外れた一角に部屋を借り、インテリアはほとんどをノルウェーから輸入した。「スカンジナビアの若いカップルのリビングとダイニング」の雰囲気を醸し出しす。
活動は、ノルウェーの手作りクッキーを出すクリスチャンコーヒーハウス、英会話、ノルウェー料理のベイキングクラスなどがあり、「クリスチャンが運営するいい空間だ」と多くのノンクリスチャンが口コミで集まってくる。開設から1年間で約500人が訪れた。暴走族の青年たちも、雰囲気に誘われて遊びに来る。
また金曜日7時から特別にe-fridayとして、ポテトパーティ、メキシカンパーティ、映画上映会などが企画され、ノンクリスチャンが気軽に聖書や教会文化に触れることができる。毎週約30人が集い、その中でノンクリスチャンが約半数を占める。協力教会の牧師が持ち回りで聖書からのショートメッセージを語る。出来るだけくつろいだ雰囲気を保ち続けるように、自分の証しを交えてイエス・キリストを説いていく。集まる人も、「クリスチャンも普通の人間なんだ」と感じ、段々と壁が崩れていくという。ここから教会に足を運ぶ若者が起こされつつある。
そのほかにも、いわき市の国際交流協会に場所を提供、市の国際交流の場となり多くの外国人が出入りする。あくまでも、escの働きは、地域教会に仕え、伝道を助けることにある。
?小さな教会が多い中で、各教会のクリスチャン青年が励まし、交わり合う場 ?聖書の学びや弟子訓練を行うクリスチャン青年の伝道の実践・体験の場?ノンクリスチャンが気軽に通える環境を作り、ノンクリスチャンの若者と教会との架け橋の場を目指す。
森章さん(平キリスト福音牧師)は「保守的な土地柄なので簡単に人は集まらない。しかし人間は苦しみの中で生きているので心を打ち明ける出会いを求めている。escはその出会いのきっかけを作る。また超教派の働きで牧師たちが打ち溶け、信頼関係が生まれている。クリスチャンの一致した祈りは神様が答えてくれる。『いわき』はこれから変わります」と力強く語った。
11月26日に開かれた1周年イベントでは幅広い年齢層から90人が集まった。 http://www.e-street club.com