[CSD]2002年2月17日《ヘッドライン》

[CSD]2002年2月17日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎憎しみに過去から和解へ——歴史教育アジアネットワーク発足
★ホームレスに食事とトラクト——東京・池袋でCAJの生徒が配る
★サッカーW杯に向け祈り深める——ソウルで韓日宣教文化交流協議会
★WCC:気候変動の被害者との連帯 打ち出す
★<「信仰」という名の虐待>[5]聖書のみことばが虐待の道具に・・・ 記・パスカル・ズィヴィー
★<落穂抄>質の成長の秘訣

 = 2 面 =
★アメリカのホームスクール事情[下]情報交換して孤立させない 記・渡辺 聡(アキラ)
◎美濃ミッション事件が学習指導書に——学校を戦場とした信仰排撃運動から学ぶ
★戦後補償立法は包括的に——今村嗣夫弁護士 判決後の課題、思案を提示
★宣教師・牧師・信徒ら日本の精神変革めざす——研究会議「エリア会」発足
★<世界の出来事フラッシュ>スーダン、ドイツ
★<論説>生命科学・生殖医療——神への恐れをもって 記・津村 春英

 = 3 面 日本宣教地図=
★約半数の市町村は教会未設置——教会倍増は東高西低——東北地方も伸び見せる

 = 4 面 建築特集=
★福音にふさわしく——日基教団・玉野教会
★牧師 教会員と信頼強く——教会員への説明会重要
★ここに注目 会堂建築——細かい部分 意外に盲点
★光あふれるチャペル——多用途に活用可
★会堂建設のポイント

 = 5 面 =
★二期会50周年記念公演オペラ「フィガロの結婚」に主演する稲垣俊也さん
★アジアキリスト聖書学院:石狩に移転 新校舎建設へ
◎ゴール2002:W杯前に全国でキッズゲームセミナー開催
★<CDの時間>「DECLARTION」 スティーブン・カーティス・チャップマン(ライフミュージック、2200円)
★イースター直前 読者プレゼント——AVACO エッグアート

 = 6 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>「人間を漁る者」釣りの楽しさを知っていたから 記・森田 日出夫
★<真っ向勝負>質問:信じてないあの子、わかってないなぁ 回答者:平林 佐知子
★<今週の本棚>『魂をいやし、はぐくむ霊的風土』折田 恭彦著(いのちのことば社、1400円)
★<今週の本棚>『明日はどっちだ』金本 友孝著(フォレストブックス、1500円)
★<今週の本棚>『心に残るE話』上林 順一郎ほか著(日本基督教団出版局、1400円)
★<情報クリップ>催し情報ほか


憎しみに過去から和解へ−−歴史教育アジアネットワーク発足0202170101

昨年、検定に合格した「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」中学歴史教科書の歴史歪曲が問題になったが、そこで問われた過去の歴史認識をアジアの人々と共有し、共に新しい歴史をつくりだしていこうと「歴史教育アジアネットワークJAPAN」が発足した。2月2日、東京・代々木での発足集会に、日本と韓国のキリスト教および市民団体の関係者ら約280人が詰めかけた。  つくる会教科書に危機感を強めた「平和を実現するキリスト者ネット」(キリスト者平和ネット)や市民団体は、昨年6月東京で「歴史歪曲教科書を許さない!アジア連帯緊急会議」を開いた。同会議の宣言・行動計画で、アジアの未来を共につくる歴史教育を確立するために、アジア共通の歴史副読本づくりを目指すことなどを打ち出したのを受け、4団体が共同で歴史教育アジアネットを立ち上げた。すでに約200人が会員登録している。
 発足集会で日本キリスト教協議会(NCC)の大津健一総幹事は、日本の中学生が歴史への関心が低いとの調査結果に触れ、「歴史教育をどうするかは私たち日本に住む者お互いの責任」とあいさつ。韓国翰林大学日本学研究所長の池明観氏が「アジアの人々との歴史の共有を目指して」と題して記念講演した。
 池氏は、歴史の見方がコンバージョン(回心・転換)される必要がある、と提起。「(国籍へのとらわれから)一人のヒューマン(人間)への認識の転換が、真の歴史を共有する」と述べた。
 具体的な歴史記述について、「従軍慰安婦」問題を中心に「事実をそのまま記述することにより、歴史を悲しみや恨みという感情の領域にとどめるのでなく、嘆きに変容させなければならない」と提言。その時に初めて和解が成立し、新しいアジアの歴史を共有することができるという。韓国の歴史教科書に広島の原爆の記事がないことを指摘。「広島も東京大空襲もアフガン空爆も虐殺であり、南京も広島も嘆きの歴史。嘆きを共にすることが必要だ」と結論づけた。
 韓国から「日本教科書正す運動本部」の梁美康執行委員長が報告した。同本部は昨年3月、つくる会教科書の検定を機に発足し、84の市民・社会団体が参加。署名運動など抗議行動のほか、韓国の歴史教育も見直しているという。
 このほか、韓国、中国、日本の諸団体が取り組みを報告。インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)からもメッセージが寄せられた。
 歴史教育アジアネットJAPANでは、つくる会教科書の採択は少数にとどまったものの、他社の歴史教科書も全体に右傾化していること、採択・選定のシステムから現場の教師が排除された問題などを踏まえ、情報の分かち合い、調査・研究活動、共同行動などで広く連帯していく活動方針を確認した。
 閉会あいさつで共同代表の一人小河義伸氏(キリスト者平和ネット事務局代表)は、「憎しみや暴力の歴史を学ぶことから和解の歴史をつくれるという希望をもっていきたい」と呼びかけた。
 事務局は〒102-0072東京都千代田区飯田橋2ノ6ノ1、小宮山ビル201、子どもと教科書全国ネット21気付、TEL03・3265・7606、FAX03・3239・8590。

美濃ミッション事件が学習指導書に−−学校を戦場とした信仰排撃運動から学ぶ0202170202

「真の神を信じるクリスチャンは、他の神々を拝まない」との理由で、子どもが神社参拝を拒否したため社会問題となり弾圧された「美濃ミッション排撃事件」が、小学校教師のための学習指導書『わかってたのしい社会科6年の授業』(歴史教育者協議会編/大月書店発行)に掲載された。
 同事件は1929年、岐阜県大垣市内の小学校が神社参拝に出かけたときに、美濃ミッションの教会員の子女4人が早退を願い出たことがきっかけで始まる。やがて「神社参拝拒否は、国民思想を根底から覆す」として大垣市で問題となり、創設者の女性宣教師セデー・リー・ワイドナーの態度は反国家的だとして美濃ミッションを攻撃するビラが市内全域に配布され、美濃ミッション経営の幼稚園閉鎖運動に発展するなど、市民あげての排撃運動へと発展した。
 同事件は、第6章「戦争への道」の中の「学校も『戦場』だった」の項で、天皇を中心とした軍国主義教育が行われる中で起こった排撃事件として取り上げられている。
 「戦争への道」の稿を担当した岐阜市立本荘小学校教師・棚橋正明さんは「15年戦争中の学校教育を知る上で、『美濃ミッション排撃事件』は地元岐阜では格好の教材だと思った。内心の自由を奪ったのは権力だけではなく、市民、国民も加担していたという事実を通し、当時の学校教育の状況を子どもに判断してほしかった」と取り上げた動機を語る。
 歴史教育者協議会(石山久男事務局長)は、戦前の教育の反省から、設立以来一貫して日本国憲法の理念を踏まえ、事実を通して見る科学的な歴史教育・社会科教育の確立を目指す会で、地域の歴史の掘り起こしなどにも取り組む。本書もそうした視点から編集されており、日本のアジアへの侵略の歴史、従軍慰安婦問題なども扱っている。

ゴール2002:W杯前に全国でキッズゲームセミナー開催0202170503

サッカーW杯を控え、様々なスポーツ伝道の働きが各地で始まってきている。ゴール2002プログラム事務局は、スポーツをして楽しみながら子どもに伝道するプログラム「キッズゲーム」のセミナーを、神戸に引き続き1月19日、神奈川県横浜市の福音キリスト教会連合・本郷台キリスト教会で開いた。講師はゴール2002KidsGames担当の藤田桂子氏〔日本CEF(児童福音伝道協会)スタッフ〕だ。
 参加者は、今の日本の子どもたちの現状とこのキッズゲームがどのように効果的であるのかを学んだ後、体験学習ゲームを実際にした。日本の教会で用いやすいよう、1回で行うことができるよう作られたJ*Kids Games「ケビンとマーク」の実演にも参加した。
 世界的にスポーツ伝道が広げられていく際に、子どもはあまり注目されなかった。その反省から生まれたスポーツ伝道プログラムが、体験学習ゲームと聖書の教え、暗唱聖句が組み合わされた10回シリーズのキッズゲームだ。スポーツマンシップとロードシップ(主に忠実)を土台とし、子どもたちが救われ、主のしもべとして成長できるものであると藤田氏は語る。
 2000年のシドニーオリンピックの時には公に8か国で実施され、2002年W杯では80か国で行われる予定だという。
 J*KidsGames「ケビンとマーク」は、「たといサッカーが下手で仲間に入れてもらえなくても、神様はみんなのことを大切に思っている。サッカーチームに入るよりもイエス様チームに所属することが大切だ」というメッセージを、体験しながら受け取れるよう工夫されている。
 参加者からは「とても楽しく学ぶことができた。さっそく実践してみたい」「体を使ってみことばを伝えるすばらしいアイデアを教えてくださり、感謝」「頭ではなく、心から分かるとはどういうことか、ゲームを通して自然に学ぶことができた」などの声が寄せられた。
 藤田氏は「キッズゲームはW杯だけのものではなく、これがスタートです。教会の子どもスポーツ伝道が日本国中に広がり、多くの子どもが救われ成長することを願っています」と熱く語った。
★ 今後のキッズゲーム・セミナーの予定は▽3月2日(土)午後1時~。茨城県鹿島郡の同盟基督・波崎キリスト教会。TEL&FAX0479・46・3837(石原)▽23日(土)午後1時~。埼玉県さいたま市の浦和福音自由教会。TEL048・822・1478、FAX048・822・1493(森)▽24日(日)午後1時30分~。静岡県磐田市の同盟基督・磐田キリスト教会。TEL&FAX0538・32・8063(蓮井)▽4月13日(土)午後1時~。沖縄県那覇市の沖縄バプ連盟・那覇バプテスト教会。TEL098・832・3724、FAX098・854・5683(兼行)――以上参加費無料・会場献金あり。ゴール2002プログラム事務局主催▽3月9日(土)午後1時~。東京・お茶の水クリスチャンセンター。参加費千円。会場献金あり。ゴール2002プログラム事務局主催、レインボーミニストリーズ共催。TEL03・5464・3775、FAX03・5467・0259(曽我部)。