いつまでも元気でいるための「晴れる家4号館」オープン
やすらぎの介護シャローム 住むと健康になるリハビリホーム
大阪府堺市の「やすらぎの介護シャローム」(シャローム株式会社=俣木泰三代表取締役)が、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士)、看護師のいる住宅型有料老人ホーム「晴れる家4号館」をオープンした。ここはリハビリが主体の「住むと健康になるリハビリホーム」。4階建ての建物の1階に自主選択型リハビリデイサービス「晴れる家リハ・タウン」を開設して、デイサービス利用者及び入居者のリハビリを行う。運動機能改善のための充実した設備や機能訓練指導員らスタッフによる心の込もったシャロームならではの介護を駆使して、体も心も魂も、いつまでも元気でいられる「健康寿命の増進」をめざす。
運動やカルチャーで
心身リハビリ
晴れる家4号館は、南海高野線浅香山駅から徒歩5分という交通至便の場所にある。正面玄関の上方に十字架を掲げた、クリーム色と茶色を配した優しい雰囲気のマンション型の建物だ。玄関で出迎えてくれるのはロボット職員のPepper。今は挨拶くらいしかできないが、そのうち活躍してくれるかもと、スタッフ。
4号館を利用できるのは「歩行練習をしたい」「自宅復帰を目指している」「リハビリを継続して行いたい」「療法士のいる施設を探している」「在宅医療が必要」等の、要介護1以上の人。リハビリホームだからこそ実現できる3つのプランを提供している。
病院や老人保健施設から直接自宅に帰るには体力面や状態に不安があるという人も、3か月程度の入居期間に、安心して自宅復帰できるように支援する「自宅復帰プラン」。自宅やデイサービスでリハビリ中の人が、3か月程度の入居期間に目標を立ててリハビリを行う「短期リハビリプラン」。永住していつまでも健康に過ごしてもらうための「施設で健康プラン」もある。これは入居期間中3か月毎の計画見直しを行い、健康増進を図る。
こうしたプランに対応してリハビリを行うのが、1階の自主選択型リハビリデイサービス「晴れる家リハ・タウン」だ。入居の人も通所の人も、専門の機能訓練指導員の指導の下で各種リハビリ機器や運動による機能訓練ができる他、手芸や音楽などを楽しむカルチャープログラムも提供する。
「リハ・タウン」の特徴は利用者の自主性・自立性を尊重するリハビリデイサービスという点。歩行訓練やマシントレーニングなどの身体機能プログラム、音楽療法や集団体操などの参加型プログラム、囲碁や園芸などの余暇プログラムなど、季節に合ったレクレーションなど様々なプログラムを提供することができる。専門スタッフが身体面・認知面の評価を定期的に行い、共にプログラムを作成するのだ。
デイサービスの運動系プログラムは次の通り。
「基礎運動=要介護1、2は歩行・階段、要介護3、4は立ち座り、要介護4、5は起き上がり・座位」「歩行練習」「平行棒体操」「太極拳」「マシントレーニング」「ストレッチ」「フラダンス」。
カルチャープログラムは次の通り。
「手芸」「朗読」「書道」「パソコン/写真」「音楽アクティビティ」「囲碁・将棋・マージャン」。
4号館には全国で3台しかないという「アシストウォーカー」がある。兪ボラ施設長は「東京、埼玉、そしてシャロームにしかないマシンです」と、胸を張る。これは免荷付きトレッドミルという歩行訓練の機器だ。車椅子の人や、立つことが不安定な人でも安心して訓練できるもので、普段車椅子の人はこの機械で立つ練習から始めて、徐々に歩く感覚を取り戻せるように導く。海外ではパーキンソン病の人にも効果があったという報告がある。
理学療法士の片岡勇樹副施設長は「一度立つ感覚を思い出せると、他のことに対しても意欲的になれます。ささいなことに思えるようなことでも、それがきっかけになれば、いろんなことに活動的になれるんです」と、立って歩くということの重要さに触れた。
さらに「マルチパラレルバー」という、免荷装置付き平行棒も設置している。車椅子の人や、膝が痛くて長期間歩けない人が負担なく歩ける機器だ。スロープの角度が調整できるため、坂道歩行の訓練もできる。利用者のレベルに合わせて、様々な障害物を設置して乗り越える訓練も可能で、効果の高いリハビリが期待できる。
リハビリには、ただ機能を回復させるだけではなく、「できる」ようになることで自信を回復し、生きる意欲を取り戻す大きな意義がある。さらに、「リハ・タウン」では地域と連携することで社会交流の場を提供し、利用者と地域の人々とが交友関係を作り、共に地域の活性を担っていきたいという願いがある。高齢者が病気や障害によって孤独感や疎外感を持つことなく、良い人間関係の中で明るく生きてほしいと願って、外に大きく門を開いたリハビリデイサービを提供して行く。
施設と在宅の
支援して行きたい
2階から上は居室になる。各22室(各階1室夫婦部屋)で、4階はリハビリを目的にした人、3階は認知症の人、2階は医療依存度の高い人を受け入れる。各室窓を大きく取って明るく、車椅子が回転できる広やかなスペースを確保している。クローゼットやトイレも完備。2階の居室のみトイレを設置していないが、これには訳がある。
シャロームはこれまで3つの住宅型有料老人ホームを提供してきた。そこで培った経験を生かし、スタッフの声を反映して設計されたのが4号館。2階の居室にトイレを設置しなかったのは、トイレを必要としない重度の方を受け入れるためだ。ただ、2階にはシャローム自慢の、ここだけにしかない給排水設備がある。
スタッフが“加藤栓”と呼ぶ、職員の加藤徹さんが考案した、室内で移動式バスの給排水ができるという設備だ。洗面台下に取り付けたこの栓があれば、長いホースで歩く人の邪魔をしないですむという、現場を知る人たちだからこその名案だ。
認知症の人のための3階フロアでは、心身のリハビリに力を入れる。脳トレーニングや音楽療法や作業療法の他、チャプレンによる霊的ケアも行う。
「自宅復帰プラン」で入居期間を終えて自宅に戻ってからも、シャロームのサービスは終わらない。自宅復帰に必要な「医食住」のサービスを利用することができる。それは「お弁当の宅配」「福祉用具の提供・住宅改修」「見守りサービス(3Dセンサーを使用してネット上で安否確認)」「生活サポート(介護保険で対応できないエアコンの掃除等々)」「病院送迎サービス」「訪問看護」「訪問リハビリ」「訪問介護」の8つのサービスだ。
これからますます在宅介護が増加する中で、シャロームだからこそできるケアに力を入れていきたいと願っている。
俣木社長は「シャロームはこれから施設と在宅を支援したい」と、語る。そのための「晴れる家ガーデン構想」は、施設を拠点に周囲1キロ圏内をカバーする、地域ケアシステムの構築だ。来年4月から国は要支援1、2の人を介護給付からはずして、地域主体の支援を推進する総合事業を開始する。これから施設は地域の自治会などと連携して、保険対象外の高齢者や経済的困難な高齢者のために、地域の人を巻き込んだケアを進めていく必要があると、俣木社長は考えている。
教会を高齢者の
集う場に提案
そうした働きに教会が手を上げてほしいと、以前から発信しているのが教会と協働の介護事業の提案だ。教会を、健康であるがゆえに行き場のない高齢者のために、週2回でも集える場に開放できないだろうかと訴えてきた。教会への働きかけを重ねる内に、賛同者も増えてきている。
俣木聖子副社長は「これは困っている人に手を差し伸べる働きです。これまでのように“待ち”の教会ではなく、人を招き入れる教会になれる。伝道のきっかけにもなります」。
俣木社長は「ノウハウはシャロームが提供します。これは小さな教会でもできる働き。信徒が10人でもできます。まさにみことばの実践です」。
国の財源が乏しくなると、弱いところに響く。これからますます介護難民が増えるのではと、俣木夫妻は危惧している。
「貧しい人が切り捨てられないように、シャロームは懸命に基礎固めをしています。貧しい人に手を差し伸べるには、会社がきっちりしていなければならない。困っている人、どこにも行けない人はシャロームがあると言える事業ができればと願っています」
晴れる家4号館
〒590-0018 大阪府堺市堺区今池町2丁6-22
Tel:0120―998―414