CD「27」Four Leaf Sound ――閉塞状況に射す一条の光
1曲目、アナログレコードのスクラッチノイズとともに、ジャジーなコードを刻むピアノ、それがループしだすとラップと来そうなものだが、少し違う。ポエトリーソウルと言うのだそうだ。ラップのように詰め込むのではなくて、必要な言葉を必要なだけサウンドにするというコンセプト。
エグゼクティブプロデューサー&アーティストのTomoko Murabayashiは、公式サイトのバイオグラフィによると、米バークリー音楽院在学中に「the United Methodist Churchのクワイヤーで歌う中、キリストに出会い、2002年、ボストン日本語教会にて洗礼を受ける」。「現在ジョージア州立大学(ジャズスタディーズ)にて修士課程取得中」。「ウエストミンスター日本語教会でピアノ奏楽、Atlanta Japanese FellowshipでWorship Lead の奉仕をする中、ペガサスセンターにて、ゴスペルを指導している。」
このアルバムのクオリティは学歴を裏切らない。Jazz、R&B、レゲエ、Hip Hop、いろいろな要素が交じり合っておしゃれなサウンドを生み出している。ゆっくりと浸っていたいやさしいサウンドだ。
神さまが前面に出るゴスペルではない。アルバムタイトル「27」は27歳のことで、27歳のTomokoを表現している。生きていれば、疲れたり行き詰まったりする。このアルバムは、そこに寄り添うようにして、一条の希望の光を見せてくれるようだ。
現在「29」を製作中との事で、大いに期待したい。【生】