CD「So Brand New」Samuelle
各地でライブを行いファンを増やしてきたサムエル。前2作が6曲入りのミニアルバムだったので、フルアルバムとしては、本作が待望のファーストアルバムとなる。
R&B、ラップ、ロックなどの要素を取り入れ、どの曲も秀逸なアレンジで、質の高い現代的なPopsとなっている。日本語のほか、英語、韓国語で歌っている曲や、I.AryとYoung Kirk が加わったボーナストラックも収録するなど、フルアルバムならではの豊富な内容となっている。
アルバムタイトル「So Brand New」は、「古いものは過ぎ去ってすべてが新しくなった」との聖書の言葉を想起させる。この言葉は、クリスチャンが体験談によく用いる言葉だが、クリスチャンになれば、瞬時に善人になるということではない。聖書で「救われた罪人」とあるように、その人自身は変わらない。けれども、神様の「正しさを着せられる」「愛で覆われる」と表現されている。それが、内面にも外面にも大きな変化として感じられることがあるのだろう。
この「So Brand New」は、何が新しくなったか。全編JAZZになったとかクラッシックになったとかいうことではない。サムエルはサムエルのまま、音楽も変わりないのだが、個人的には、これまで全体に感じられた寂寥感がなくなっているように思う。それが「すべてが」というように一新した印象を与えてくれていて、「So Brand New」というタイトルにふさわしい、さわやかさを感じさせるものになっている。 【柳 聖生】