CD「月の雫」――光のほうへ誘(いざな)う祈り
ゴスペルフォークシンガー神山みさが、音楽活動15年にしてメジャーデビューを果たした記念のフルアルバム。全12曲の編曲&プロデュサーに中山美穂「ただ泣きたくなるの」の作曲・編曲や高橋真梨子の楽曲アレンジを手掛ける岩本正樹を迎えた「月の雫」。これまでのサウンドとは異なる趣きで、神山みさの作詞作曲とパワフルな歌唱はさやかな光のほうへ誘う祈りを詩(うた)う。
東日本大震災以後、被災地や仮設住宅などを精力的に訪問し、各地で歌ってきた「光」がオープニング曲。この曲に込められた’君はひとりじゃない’というメッセージは、このアルバムが組まれて行くきっかけにもなった。この’君はひとりじゃない’のメッセージに、’いつまでも わたしの側で歌って’とうたうアンサーソング的な「Stay with me」は、2013年に始めて作られた曲。
インディーズ系レーベルからスタートした神山みさの音楽活動。そのきっかけになったモスバーガーX’mas Songコンテストのグランプリ曲「クリスマスソング」が、同キャンペーン以来初めてのCD収録。高校卒業後に組んだユニット当時の恋への憧れが初々しさを大切にアレンジされていてほのぼのしい。もうひとつの’クリスマス’を歌った「戦場のクリスマス」は、平和な都会的な’クリスマス’の風景から『世界でたったひとつの贈りもの』というクリスマス休戦を描いた絵本の読み聞かせのためのテーマ曲として作られた。戦火の光が止み、ローソクのひとつの明かりとしばしの安らぎ。
そうした現実を照らす明かりだけではない。イスラエル大使館が公募した’ゆるキャラ’たちが出演して星を旅するキャラクター絵本「ゆるいプラネット」のテーマ曲「Loose Planet」というファンタジックで楽しい楽曲は親子でゆったりとハミングしたくなる楽曲。
星、太陽、月…神山みさの詩には、空のさまざまな光と心に射し込む光の輝きと温もりが、親しみやすい言葉とその奥に在る大きさと不思議な神秘さの力を感じさせてくれる。寂寥感を含んだ歌声に詩(うた)の言葉の輝きと温もりをみごとに引き出したアレンジ。タイトル曲「月の雫」には、月の光につつまれる神秘的な力のさやかさ、創造的な愛の大きさがあふれ出るような確かさで表現されていて心に残る。 【遠山清一】
収録曲:1.「光」、2.「You are special」、3.「戦場のクリスマス」、4.「あなたは生きて」、5.「Nukumori」、6.「悲しみのスクリーン」、7.「クリスマスソング」、8.「Loose Planet」、9.「Stay with me」、10.「ふるさとのうた」、11.「月の雫」、12.「Sleep in heavenly peace」。[*M2 作詞:神山みさ・松原 智、M5 作曲:Na Yeong Hwan、M8 作詞作曲:神山みさ・北野雄一] (2,500円、ユニバーサルミュージック販売、ウェブクウ発売=品番WKCL-3055=、いのちのことば社ライフ・クリエイション取扱い、10月16日発売)
公式サイト:http://kamiyamamisa.com
Facebook:https://www.facebook.com/MisaKamiyama.jp?fref=ts
10月19日(土)午後7時より東京・新橋BLUEMOODにてメジャーデビュー記念コンサート開催。
出演は、神山みさ。サポートミュージシャンは(Ds)宮崎まさひろ、(B)富倉安生、(Pf)岩本正樹、(Gt)松宮幹彦、(Gt)角 悠介、(vl)中川貴美子、(Cho)山口佑貴子。
料金は、当日4,500円(ドリンク、フード別)。