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作家・三浦綾子の代表作を映画化した「塩狩峠」(中村登監督作品、1973年、16ミリ、102分)が、東京のシネマヴェーラ渋谷の監督企画映画祭「甦る中村登」(8月16日―9月12日)にて、8月16日(土)と19日(火)の2日間に合計5回上映される。

16ミリ、35ミリフイルム作品を上映できる常設館、いわゆる’名画座’が少なくなっているが、ユーロスペースと同じ建物にあるシネマヴェーラ渋谷は、都内にある数少ない’名画座’。今回は16ミリフィルムでの上映だが、映画作品としての醍醐味が味わえる。
中村登監督(1913年8月4日―81年5月20日)は、文芸作品から社会派作品まで幅広いジャンルを端正かつ鮮やかな作風に仕上げることで知られ「映画の教科書」とも評されている。
監督生涯65作品のうち、今回の企画上映では「古都」(主演:岩下志麻、1963年)、「紀ノ川 花の巻・文緒の巻」(主演:岩下志麻、1966年)、「三婆」(主演:三益愛子、田中絹代、小暮美千代、1974年)など24作品が上映される。
映画「塩狩峠」は、劇団俳優座の協力を得て主演の中野誠也(永野信夫役)や佐藤オリエ(吉川ふじ子役)、岩崎加根子(永野菊役)ら同劇団の俳優が多数出演おり演技面からの評価も高い作品。今回の「甦る中村登」では初日上映作品に挙げられている。また、映画ランキング専門サイト「映画格付」では、中村監督作品のなかで総合7位(作品評価:S 4・18ポイント)を獲得している。http://cinema-rank.net/s-kantoku/122004

DVD「塩狩峠」(個人観賞用3,218円税込)は、いのちのことば社ライフクリエイションから発売されている。

シネマヴェーラ渋谷では、2本立て入れ替えなしで料金は1,400円。8月16日・19日の「塩狩峠」は、保全経済会事件をモデルにした社会派作品「いろはにほへと」(主演・佐田啓二、伊藤雄之助)との同時上映。なお、北条秀司の戯曲を映画化した「土砂降り」(主演:岡田茉莉子、佐田啓二、1957年)が8月16日・24日・30日各11時からの3回(1本立て入れ替え制、1,000円)のみ特別上映される。 【遠山清一】

【シネマヴェーラ渋谷】東京都渋谷区円山町1-5 キノハウス4F。Tel.03・3461・7703
「甦る中村登」(Nakamura Noboru Retrospective)8月16日(土)―9月12日(金) 24作品一挙上映
上映スケジュール:http://www.cinemavera.com/schedule.php?id=138#top
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