死をタブー視せず学び合う「死生学」を日本に広めたアルフォンス・デーケン宣教師は、少年時代ナチス下のドイツで死と隣り合わせの日々を過ごしていた。妹は4歳でなくなり、友人家族は空襲で死亡。自身も機銃掃射から辛くも逃れた経験がある。そのような中でも、精神病者や障害者がナチスによって「安楽死」させられた問題に抗議したフォン・ガーレン司教など少数の抵抗者がいたことも伝える。デーケン氏自身も、「肉体の死にもまさる葛藤」からナチスのエリート訓練校入学を断った。さらに日本のキリシタンの歴史を読み、日本への宣教師を志す。本書ではこれらを猫の視点から描く。
『人生の選択 デーケン少年のナチへの抵抗』
池田宗弘画、堀妙子文 藤原書店、1,944円税込、A4変

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