新型コロナ感染者は、アメリカの西海岸にも広がっている。米カリフォルニア州サンディエゴにあるサンディエゴ日系人教会牧師の大倉信氏は、「250~300人ほど感染者が出ており、町は日用品の買い物以外、外出禁止の中にある。小中学校は2週間ほど休みで、大学はオンライン授業になっている。私たちの教会も3月15日からオンラインのみの礼拝で、牧師がライブ配信で届けたメッセージを各家庭で見るという形を取っている。他の集会は中止している」と話す。
 メンバーは約90人だが、「高齢者でインターネットが使えない人も20人ほどおり、その方々にはメッセージの原稿を郵送している。ルールとして、人が集まる時は6フィート(約1・82メートル)離れ、11人以上の集まりは持たないということだったので、3月15日は賛美チームも入れて10人以下で行った。今は妻と子どもたちの家族のみで毎週、礼拝を配信している。教会のリーダーたちとは、4月12日から会堂で礼拝を再開したいと話しているが、今は現実的でない気がしてきている」。
 大倉氏は、「ピンチはチャンス。こういう状況だからこそ語るべきものがある。それを祈っていきたい」と話す。「全世界を飲み込んでしまうような危機を体験した人たちに向けて、どんなメッセージを送り続けられるか、教会は考えていかなければいけない。教会に限らず会社、教育関係者もチャレンジを受け、経済的なダメージも大きい。新型コロナが過ぎ去った後の教会運営も難しくなる可能性がある」
 「しかし、オンライン礼拝を取り入れたことで、光が見えることもある。日本に帰国した人たちはなかなか教会につながらない。でもネットがあれば、受洗した教会のメッセージを毎週聞くことができる。テクノロジーもまた宣教にとって大きな宝になると思う」と語った。

写真=3月29日のオンライン礼拝で語る大倉牧師(左)