破れある世界で 研究者の使命再確認 2020年志学会リトリートから①

クリスチャンの若手研究者の励ましと交流を目的とする志学会は、今年は夏のリトリートをオンラインで8月21、22日に実施した。化学、経済学、物理学、歴史学、言語学、工学、生物学、宗教学、神学、教育学、文学、法律学、数学、哲学、薬学、情報科学、心理学、美学…などを専門とする国内外在住の研究者ら50人近くが集った。メッセージや講演、分科会とグループディスカッションのほか、自由な語らいの時間も随時設けられた。【高橋良知】
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準備委員長の石原謙治さん(国際基督教大学)は、コロナ禍で大学でもオンライン化が進む現状を話し、詩篇42篇1~5篇を引用して「コロナ禍による自粛期間で、多くの方は人との交流を切に求めたと思います。しかし、同じように神様との交流をどれだけ慕い求めているでしょうか」と問いかけた。「神様はコロナ禍に関係なく、いつも同じように祈りを聞いてくださる。リトリートでの講演、分科会も、単なる交流や勉強会ではなく、神様に心の音のチューニングする時間にしたい」と励ました。
志学会はキリスト者研究者のネットワーク形成、リトリート、講演会、研究助成金などの働きを進める。ホームページ(Shttp://shigakukai.org/)では「キリスト者による研究の営み」として、「学問的成果」(学術的な真理追究の尊重、神の創造と保持との関連など)、「研究者の責任」(研究への従事と、研究の応用における人間性や環境への責任など)、「研究者の使命」(研究と信仰の対話など)、「励まし合いの必要」を勧めている。
今回のリトリートでは、2020年度研究助成金受給者の研究内容の発表があった。
受給者の一人、渡辺有美さん(東京藝術大学、神奈川大学、東京大学非常勤講師)の専門は初期イタリア・ルネサンス美術。絵画の描かれ方や機能を歴史資料ととともに、、、、、

2020年9月27日号掲載記事