【関西だより】最後の献金ハルモニに届け 関西クリスチャン戦責告白者会閉会

 「関西超教派クリスチャン戦争罪責告白者会」が2020年12月に25年間の働きを終えた。長年同会の代表を務めた故・小島十二氏(元日本イエス・キリスト教団芦屋川教会牧師)によって、太平洋戦争における日本人の罪の告白と謝罪を重ね、福音をもって和解と平和の実現を目指す同会が設立された。毎年平和祈念集会を開くとともに韓国を訪ねて「元従軍慰安婦」被害者(ハルモニ)への謝罪を続けた。18年の小島牧師の逝去後活動を停止していたが、最後の献金をハルモニに届けて25年の活動に幕を下ろした。小島牧師の家族から届いた最後の活動報告を紹介する。

 

阪神・淡路大震災の1995年「関西超教派クリスチャン戦争罪責告白者会」を立ち上げ、広く献金を募り民間の謝罪とキリストにある和解の福音を続けてきた。ほぼ毎年2月11日と8月15日に平和祈念の集会を、戦後60年の2005年8月15日には遺跡耳塚で平和祈念追悼礼拝を行い約50名が参加した。活動は上記含む計90回の集会と、概ね毎年韓国「元従軍慰安婦」被害者(ハルモニ)を訪ね、手をとって祈り謝罪、献金を手渡してきた。毎週水曜日に行われる日本大使館前での抗議集会にハルモニや協議会関係者と参加したこともあった。持病と高齢、末期がんの罹患(りかん)で4年空いたこともあったが計21回、うち1回は上道ホーリネス教会(当時・黄大植牧師)金原東長老の依頼で中国に残されたハルモニのもとにも訪れた。

小島十二牧師

8月15日を「あなたの神に会う備え」を確認し、愛と希望の日になると語った代表・小島十二は18年同日の終戦記念・平和を祈る会で生かされている喜びとともに「出会う人にキリストを伝えることが平和への確実な道」と語った。「ハルモニ最後の一人まで」と継続を貫いたが同年9月23日天へ帰った。その後も2か所から献金が届いた。今春最後の献金をハルモニへ届けるべく計画したがコロナ禍でかなわなかった。
昨今、挺身隊問題対策協議会(ユン・テイギョク共同代表)や社会福祉法人大韓佛教曹湊宗ナヌムの家の会計のずさんさが明るみになった。ハルモニへ手渡せない今、同じ志で現地で宣教を続けているソウル日本人教会吉田耕三牧師を通じて生存するハルモニへ届けていただき、これをもって会を閉じることにしたい。いずれコロナ禍収束後お一人でもハルモニにお会いできることを願いつつ。
最後の訪韓となった17年11月、長きにわたり私財を投じてハルモニの救出と生活を支えてきた金原東氏は「結局は福音がなければだめ」と語った。