1月31日号紙面:【連載】私の3.11 10年目の証し②
私の3.11 10年目の証し② 周囲の状況を知り、避難した時を振り返る
【東日本大震災振り返りシート】
○地震発生時、どこにいて、何を思いましたか
○揺れが収まってから、まず何を思い、どのような行動をしましたか
▷教会の人々や周囲の状況、被害報道を知り、どのように思いましたか
▷どのように避難し、過ごしましたか
○どのように救援に導かれ、働きを続けましたか
○どのような祈りを思い出しますか
▷どのような聖書の言葉を思い出しますか
○どのように礼拝をしましたか
○震災について何を覚えておきたいですか
○これからの世代に伝えたいことは何ですか
§ §
「あなたは東日本大震災発生時、どこにいて、何を思いましたか…」。
東日本大震災10年を迎える2021年、震災の体験や記憶の継承をテーマに、3組4人にインタビューをした2回目。前回(1月3・10日合併号)は地震発生直後の様子を振り返ってもらった。今回は、周囲の状況を知り、避難した時を振り返る。 【高橋良知】
◇ ◆ ◇
宮城県気仙沼市の嶺岸浩さん(保守バプ・気仙沼第一聖書バプテスト教会牧師)は、津波警報を受け、妻、娘、猫一匹と車で高台に避難した。近隣の人々も高台に次々と移動していった。高台にあるスーパーの駐車場にたどりついたが、津波の水は高台の一部まで迫っていた。「当初教会の方々何人かは連絡がとれたが、しばらくして電話が通じなくなった」
夕方に教会の方に行こうとしたが、通行止め。その日の夜は車の中で休んだ。内湾が火事で一晩中燃える赤い炎や立ち上る煙を見た。翌日に教会付近に行ってみると、「教会堂も自宅も流されて形はなく瓦礫(がれき)の山でした」
「その時に私の心に聖書の言葉が与えられました 。『私は裸で母の胎から出て来た。また、裸で私はかしこに帰ろう。主は与え、主は取られる』(ヨブ1章21節、第三版以下同)『私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません』(Ⅰテモテ6章7節)。この状態の中で、主が私に語られた。アーメンでした。多くのものを失ったが私が立ち上がることができたのは、この御言葉にある。物は失ったが、生かされていることに感謝しました」
「当時63歳。年齢を重ねたからこそ、『そうだ、何一つこの世に持ってこなかったのだ』と受け止められたのではないかとも思う。30~40代だったら難しかったのでは」、、、、、2021年1月31日号掲載記事