昨年2月、ニュージーランド・クライストチャーチで大地震を体験した渋沢憲一さん(クライストチャーチJCF牧師)。だが一番のショックは、東日本大震災のニュースを知ったことだった。渋沢さんを講師に招いての「ニュージーランド宣教の集い」(ホーリー・スピリット・ミッション、東京JCF主催)が1月7日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開かれた。

 地震発生直後から渋沢さんは、市内の公立病院で、負傷した日本人の通訳やカウンセリングのボランティアをしてきた。その奉仕が一段落した直後に耳にしたのが東日本大震災のニュースだった。「テレビをつけて最初に目にしたのが、津波が建物を次々とのみ込んでいく映像だった。言葉が出なかった。心の骨が折れたというか、そのままバタッと行きそうな感じだった」
 「故郷は遠きにありて思うもの、と言うが、国外にいるほうが日本のことを思う。日本で何か起こったと聞くと、日本にいた時以上に痛みを感じる」と渋沢さんは語った。(中田 朗)