コロナ禍でも「なにゴス」高らかに 賛美の火は燃え続ける

関西をゴスペルで熱くする、恒例の「なにわゴスペルフェスティバル」(なにゴス)が8月7日、大阪市中央区のHouse of Gospelを会場に開催された。21回目となる今回のテーマは「心の癒しコンサート〜Jesus is the King」。配信の視聴者は、アーカイブの分も含めると千人を超えようとしている。

ゴスペルシンガーJAYE公山氏のプロデュースによって1999年から開催されてきた「なにゴス」も、昨年はコロナ禍で初めての中止に追い込まれた。秋に文化庁の支援を受けて小規模の代替コンサートが開催されたものの「今年は何としてでも『なにゴス』を」と、JAYE氏をはじめとする関係者の願いは強く、大人数が集まれない状況を想定して配信のための設備の整った会場も確保し、準備に奔走してきた。

しかし、直前になって大阪府に4度目の緊急事態宣言が発令。少人数の

観客を集めることも難しくなり、配信をメインにせざるをえなくなった。出演者も基本的にマスクを着用するなど、できるかぎりの感染防止対策もなされた。

出演はJAYE氏と関わりの深い教会クワイア、兄弟ユニットなど4組。それぞれがコロナ禍で活動を制約される中でも精いっぱいの活動を続けてきた様子が、その歌声からうかがい知れた。途中JAYE氏が語った「コロナ禍がいつまで続くかは神様にしかわかりません。たとえあと半年以上、コロナの影響が続くとしても、私たちが賛美を止めることは絶対にないし、その中でゴスペルの力が大きく解放されていく」との言葉は、出演者全員の思いでもあったろう。

観客も一体となって賛美のうねりを作り上げていくゴスペルの魅力は、配信だけで十分に発揮できるとは言い難い。大人数が集まって共に歌うことがはばかられる状況も、まだ続きそうだ。しかし、JAYE氏が言うように、どのような制約の中でも、賛美の火は燃え続けていくことだろう。いつもの「なにゴス」が、思い切り賛美を歌える日常が戻ってくる日が待ち遠しい。(山口暁生)