動画「【新キャラ登場】あの有名ゲストを招いての売れ筋書籍紹介だぜえ」(2月1日)から

教会、団体、教団教派でYouTubeチャンネルの開設が相次ぎ、クリスチャン・ユーチューバーとも言える個人も活躍している。文書伝道団体いのちのことば社も昨年から「ぶんでんチャンネル」を開設した。

 

諸教会を訪問して実施していた「文書伝道デー」(ぶんでん)を補い、書籍紹介、職員の証しが配信されている。

と思いきや、昨年末から「山登り」「クイズ珍回答」「クリスチャンあるある」「トイレットペーパープレゼント」…など、独特の切り口の企画が繰り広げられている。一体どういうことか。「中の人」(担当者)に聞いてみた。【高橋良知】

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「私たちの働きの目的は全国津々浦々に福音を届けるために、文書やグッズを用いてもらうこと。文書伝道デーは書籍、グッズの販売とともに、私たちの働きの存在意義を伝える場所だった。

 

しかし2020年以降、コロナ禍でリアルの文書伝道デーがあまりできず、クリスマス時期の9~12月の売り上げが落ちていた。『このままどうなるのか』という危機感から、昨年夏から『ぶんでんチャンネル』を始めた」といのちのことば社広報課の加藤隆哉さんは言う。

当初はコロナ禍用聖餐セット『バイブル・ナビ』など書籍、商品紹介が主。いのちのことば社70周年を迎えていたが、記念会などを開けなかったため、記念ムービーを配信した。「動画ならば、物理的な限界をこえて、実際に行くことができないところにも届けることができます」

動画制作は職員が一から学んだほか、映像制作ができる業者にも発注した。そのプロセスで出会いがあった。「もともと、クリスチャンではないが、教会とつながりがある業者だった。教会訪問など同行するうちに、クリスチャンの人柄に興味をもって教会に通うようになった方もいます」

しかし、「商品紹介だけでは見てもらいにくいということに気づきました」。職員の証し、インタビュー、賛美歌演奏など、内容に広がりが出始めた。

クリスチャンならではの視点を盛り込むために、社内で独自に制作する動画も増やした。「プロ仕様のカメラを使っても使いこなせなかったり、音声がうまく取れなかったり試行錯誤の連続だった」と振り返る。

オリジナルを含む賛美歌の動画は数万回再生も達成した。「いのちのことば社ということで、安心してシェアしてもらっているようです」

 

クリスチャンアーティスト紹介の動画もある。男性賛美グループ「おっさんび」の動画の反響を受けて、改めて「【感動回】【おっさんび】おっさんびがおっさんを救った件。」(22年1月3日=写真①=)という動画が作られたこともあった。

 


ぶんでんチャンネルのチャンネル登録でオリジナルトイレットペーパー=写真②=をプレゼントするキャンペーンをしている。また教会で実施できる「オンライン文書伝道デー」の取り組みも進めている。礼拝後などにぶんでんチャンネルの動画を上映し、注文書で書籍・グッズを注文できる。

企画進行の転換点になったのは、山登りを挙行した動画「【必見回】自社製品のマグカップを山頂で飲み比べてみた!?」(21年12月10日=写真③=)だ。

道中の一コマ一コマにテロップが入って軽快に展開する。この回が反響を呼び、バラエティー路線も広がるようになった。クリスチャンでなかったが、この動画を見てマグカップを購入し、「教会にも行ってみたい」と応答した人がいた。クリスマスにはその人と教会へ訪問する動画も制作された。

こういったバラエティーでMCを務めるのは、「わんさん」と「おかむー」。

「わんさん」は音楽活動の経験が賛美動画に生かされ、バラエティー動画でも、ユーモアあふれる発言や表情で楽しませる。

「はじめは編集担当だと思っていたが、いつのまにかたくさん出るようになってしまって…」。

大まかな構成を決めて、その中で自由に動いていると言う。「おかむー」は「サポートの立場でかかわっているが、訪問など行く先々で出会う証しに恵まれる」と語った。

加藤さんは「キリスト教界でも様々な動画配信がされているが、あまりこのようなバラエティーはなかった。ふざけ過ぎず、真面目過ぎず、絶妙なバランスを試行錯誤している。引き続き、書籍・商品紹介、バラエティー、賛美、証し、聖書メッセージなどトータルに定期的に提供できれば」と言う。

様々な職員なども登場してきている。

「社内の様々な部署の垣根も超えていければ。さらに、一つの団体でできることは限られる。様々な団体とも宣教協力できればと思います」

クリスチャン新聞web版掲載記事)