「おじいちゃんおばあちゃんと、もっと仲良くなれた」 シャローム新施設オープン
介護施設「晴れる家大仙公園」
看護師常駐 医療とリハビリに特化した安心の住まい
家族との絆深める 晴れる家ライフ
やすらぎの介護シャローム(シャローム株式会社=大阪府堺市)に、6施設目となる住宅型有料老人ホーム「晴れる家 大仙公園」が、9月にオープンする。世界遺産「大仙古墳」(仁徳天皇陵)を擁する緑豊かな大仙公園と桜並木のすぐそばという抜群の環境。屋上のカフェテラスやガーデンテラスでは、公園を眺めながら家族とのひと時を楽しめる。看護師が24時間常駐、医療とリハビリに特化した、安心と楽しみのあふれる住まいの誕生だ。
「キリストの精神と聖書の言葉を基本とするサービス」を掲げて22年。時代は変わり、介護環境は変わっても、シャロームスピリットは揺るがない。
2年前に創業者である俣木泰三現会長からバトンを渡された俣木泰和社長にとって、創業地での「晴れる家」建設は念願だった。本社は創業当時の一戸建て住宅のまま。ここで始めたデイサービスが、シャロームの原点だ。
6号館はこれまでの「晴れる家」の中では2番目の規模になる5階建て70床。建物を彩るシンボルカラーの紫は、現副会長で母の聖子さんが好きな色だという。ロビーを彩るステンドグラスは、聖書のユリの花がモチーフ。ユリの香りが漂うような館内で、笑顔あふれる日々を過ごしてほしいと願いを込めた。
最先端IT設備と心癒やす介護融合
1階はショートステイとデイサービス。2階は24時間看護が必要な、医療依存度の高い人のためのフロアだ。3、4階は理学療法士による機能訓練や運動プログラムなど、充実したリハビリで入居者の健康を支える。フロアごとに各階の入居者の状態に合わせた介護用入浴機を3台設置しているのも特徴。寝たままでも、座ったままでもお風呂を楽しめる。
さらに今回初めて、寝ているだけで入居者の状態を把握できる最新式のベッドセンサーシステムを取り入れて、夜間事故や急変にすぐに対応できるようにした。これからの高齢者のニーズを見据えて、全館フリーWi―Fiを完備して、映画を見たり、コロナ禍に遠方でも家族とオンラインでつながることができるようにもなっている。IT環境を整えることで、利用者とスタッフの利便性や効率が上がり、何より危険を回避することができるのは大きなメリットだ。
食事は業者から徹底した衛生管理の下で作られたものを提供する。入居者一人一人に合わせた病人食も充実している。たとえ病気をもっていても、おいしく楽しく食事できるよう、きめ細かく対応していく。
最先端最先端システムでハード面の充実を図ると同時に、シャロームが大切にしたいのは、人との触れ合いを大切にした心豊かな日常だ。「晴れる家大仙公園」のキーワードは「家族」。ここで暮らすことが、家族と離れるのではなく、かえって家族との絆(きずな)を深めるようでありたいと、シャロームはそのためのサポートに力を入れている。
四季折々の大仙公園を眺められるカフェテラスとガーデンテラスのある屋上は、入居者の憩いの場であり、家族とのふれあいの場だ。「純喫茶ゆとり」と名付けたカフェの内装は歌声喫茶のイメージ。シャロームの利用者の家族イベントに貸し出すこともできる。そこに提供したいのが食事処「親孝行」という飲食サービス。元プロの料理人だったスタッフが腕をふるう。
喜び、安らぎ、希望分かち合えるホームに
チャプレンは礼拝、聖書の学びを行うほか、入居者や家族の声に耳を傾け、さらにホスピスケアの重要な担い手でもある。必要な時は葬儀も行う。同時にスタッフのメンタルケアにも大きな役割を担っている。シャロームでは現在640人のスタッフが働いている。疲弊しやすい介護現場で、スタッフのメンタルケアは欠かせない。チャプレンと精神対話士、キャリアコンサルタントの3者でスタッフを支えている。
土山堅司施設長は「晴れる家のブランドは、医療やリハビリを提供するナーシングリハビリ、終末期に対応するホスピスケア、介護保険外の心の充実をケアするジョイフルライフです。これらを駆使して、介護や医療の必要な方、障害のある方と、そのご家族のお役に立てる施設でありたい。ここを、シャロームのミッションである、出会うすべての方々と共に、喜び、やすらぎ、希望を分かち合える幸福な社会をかなえる場所にしたいと願っています」と、意欲を語る。
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晴れる家大仙公園の入居資格は要介護1以上。料金は、初期事務手数料10万円、一人部屋(13㎡)月額23万8千900円、夫婦部屋(20㎡)月額30万1千円。詳しくは℡0120・998・414(午前9時〜午後5時半)。
家族を結ぶシャロームの介護
シャロームがこれまで多くの入居者や家族と接してきた中で聞こえてくるのは「老人ホームに入ってからの方が、おじいちゃんおばあちゃんと仲良くなれた」という声だ。家族だけで担う介護は、身内だからこそ軋轢(あつれき)を生むことも多い。中には悲惨な事件にまで発展することもある。
2025年には団塊の世代が75歳を超え、人口の3人に1人が65歳以上になる。誰もが、するにせよ、されるにせよ、介護の当事者になる時代が目前に迫っている。俣木社長は「今は社会が変わり、介護観も変わりました。子どもが親の介護を全うすることが困難な時代になっています」と、今後ますます施設の需要が増え、役割への期待も増していくと切実に感じている。
「施設にゆだねてくれた方が、家族がうまくいく。シャロームは入居者と家族の橋渡し役でありたいのです」
誰もが最期まで幸せに生きるための手助けをしたい。そのためにこれからのシャロームの構想には、経済的に苦しい人でも入れる施設を作りたいという願いがある。お金があってもなくても、利用する人もその家族もスタッフも、シャロームにいれば笑顔があふれる、そんな場所でありたいと願っている。
(クリスチャン新聞web版掲載記事)