『氷点』『塩狩峠』『銃口』などキリスト教信仰を描いた小説、エッセイを描いた三浦綾子(1922縲・999)さんの全単独著作(約80作を予定)が今秋より、電子書籍として順次配信される。

 綾子さんは今年生誕90周年を迎え、同じく今年創業90周年を迎える株式会社小学館(東京都千代田区、相賀昌宏代表取締役社長)が三浦綾子記念文学館(北海道旭川市、三浦光世館長)と共同で電子全集を企画した。

 10月12日の『氷点』『銃口』を皮切りに、毎月2回約5冊ずつ配信し、来年6月には全80作品の刊行を終える。1点525円税込。電子書籍専用端末、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、携帯電話などで読める。また特典として秘蔵写真、夫・光世さんによる創作秘話が加わる。

 9月11日、北海道旭川市で開かれた出版発表会で小学館取締役副社長の白井勝也さんは、小学館と綾子さんとの密接な関わりを語り、「3・11以降の今こそ、祈り、いのち、愛、原罪を描いた三浦作品が新しい角度から読まれ、作品が生き返ると確信します」と述べた。
 光世さんは「絶版になった38作品も電子書籍で再び読まれる。天国の綾子も喜んでいると思います」と喜びを伝えた。

 各作品初出の出版社が異なる作者の全集が新たに電子書籍として出版される例はめずらしく、注目を集めそうだ。
【詳しくは紙面で】

小学館ebooksホームページ内に「三浦綾子 電子全集」のページが開設されている。
http://ebook.shogakukan.co.jp/miura-ayako/