中央聖書神学校 校長 三宅規之

三宅氏

 

日本宣教には多くの課題があるが、希望がある。そして、その希望を次世代に託していくことには大きな価値がある。これからの日本宣教のために神学校として何ができるか、当校がもがきながらも取り組んでいる一端を紹介することで、読者の皆さまに参考としていただけるなら幸いである。

 

1.あらゆる人を宣教に

日本宣教の突破口の一つは「伝道は牧師、伝道師だけがするもの」というマインドを打ち壊し、「全ての信徒が宣教に召されている」という原則を教会内に浸透させ、具体的な後押しをすることだと思う。

中央聖書神学校では「ペンテコステ運動は全員参加の草の根運動」をモットーに、どんな人でも主のために働きたいと願う人を、宣教の働きに参加できるように整えたいと願っている。

①証しができるようになりたい、②小グループを導けるようになりたい、③御言葉を分かちあえるようになりたい、④個人伝道ができるようになりたい、⑤ペンテコステ信仰を継承できるようになりたい、という五つの「なりたい」を掲げ、広く信徒奉仕者を目指す人にも門戸を開いている。

具体的には2021年より基礎課程と専門課程を設置し、入学者すべてが、まず信徒奉仕者をめざす基礎課程(32単位)で学び、基礎課程のみで修了することも可能とする。一方、牧師、伝道者をめざす者は専門課程に進級することとした。日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団では2024年より信徒が伝道牧会に携わる「準教師制度」が始まり、基礎課程修了者の働く場も整えられている。

中央聖書神学校のキャンパスの様子

2.あらゆるツールで学びを支援する

神学校への入学者が減少しているが「主のために働きたい」という人がいなくなったわけではない。日本経済の長期にわたる低迷、少子高齢化と人口減少の波が教会にも及び、家庭、仕事、経済、教会などの事情で、「仕事を辞めて寮生活をしながら学ぶことのできる独身者」が少なくなっているに過ぎない。

家庭を持ちながら、仕事をしながら、あるいは子育てをしながらでも学べる環境を提供し、宣教に召されているあらゆる人に教育を施したい。中央聖書神学校は08年に通信科を開設し、全国どこからでも学ぶことができる環境造りをしている。

開設当初は教室の授業の録画を視聴するのみであったが、コロナ禍を機にオンライン化がすすみ、リアルタイムで授業やチャペルに参加できる態勢も整えている。今では教室内の学生とオンライン上の学生が違和感なく共に受講し、ディスカッションなどもできている。

またデジタル世代における宣教を見据え、例えばミニストリーのクラスで「証し動画を自撮りして提出する」などの課題を課したり、学生たちが自主的に伝道動画の制作をしたりしている。

 

3.あらゆる方法で学ぶ者を励ます

聖霊に満たされることなしに、働き人を宣教の現場に送りだすことはできない、、、、、

2025年01月05・12日号 07面掲載記事)