発災1周年「2025能登地震メモリアル集会」開催
支援報告「愛は行動し、汗を流すこと」

1月1日の発災から1周年を迎えた能登半島。だが、まだまだ復興にはほど遠い状況だ。そんな中、能登ヘルプ(能登地震キリスト災害支援会)は1月5日、「2025能登地震メモリアル集会」を、石川県七尾市大和町の聖書教会連盟・七尾聖書教会とオンライン併用で開催。被災教会の牧師、キリスト教会支援団体のスタッフらの報告(オンラインからの報告含む)と共に、被災地の復興と被災者の心と生活が回復するよう、共に祈った。(4面に関連記事)【中田 朗】

最初に、能登ヘルプ代表の岡田仰氏(金沢独立キリスト教会牧師)が挨拶。「まさかこんなことが私の人生のなかで起こり、能登ヘルプの働きを始めることは予想していなかった。昨年末、ケーキをお届けしたある高齢者の方は、『あなたがたが足を運び続けてくれたおかげで、折れた心がもう一度立ち上がった』と言われた。愛は行動し、汗を流すこと。被災地を支援し続け、一人でもイエスの救いにあずかれるよう祈り続けたい」と語った。

荒川牧師の報告を聞く参加者

永井仁志氏(聖書教会連盟・羽咋聖書教会牧師)は、自宅が全半壊の一人の被災者が、ボランティア活動を通じて教会に来て、洗礼を受けたことを報告。「暗闇を経験したからボランティアに会え、光が差し込んだ。でも、多くの方々がまだ暗闇の中にいることを忘れないで」との言葉を紹介し、「神様、この地を顧みてください」と祈った。
被災教会からは、荒川康司氏(聖書教会連盟・輪島聖書教会牧師)と梶山献一氏(同・七尾聖書教会牧師)が報告。荒川氏は「輪島市内にある289か所の仮設住宅を一軒一軒回ってほしい。何とか孤独死を避けたい」と要請。「年末に輪島で千個のケーキを配ったが、『震災後初めて、家族全員で食べた。小2の息子の鼻に、生クリームが付いているのを見て、震災以来、初めてみんなで笑った』との報告を受け、感謝した」と語った。
梶山氏は、「発災以降、教会員3人が避難所で、3人が教会の2階で避難生活を送られた。本当に多くの支援物資が届けられ、家族や親族、近隣の方々に届けることができた。炊き出しチームが何度も来てくれた。涙あり、笑いあり、ストレスあり、失敗も成功もいっぱい経験した1年だった。今後の支援は暗中模索の状況だが、自分にできることをしていきたい」と話した。

岡本えり子、徳力清香両氏の フルートとピアノによる特別賛美

支援団体からは、中橋スティーブン(能登ヘルプ現場スタッフチーム副リーダー)、近藤高史(一般社団法人ハンガーゼロ総主事)、南条良樹と弓削恵則(国際NGОオペレーション・ブレッシング・ジャパン・スタッフ)、趙泳相(能登復興支援センター「陽だまり891」代表)、天野真信(NPО法人LOVE EAST執行役員)、NPО法人「いのちのパン」の食糧支援の働きをする漆崎英之(改革派・金沢教会牧師、能登ヘルプ世話人)、七尾市内に物資倉庫を見つけ契約した伊東健(NPО法人ホープ石川代表)の各氏が報告した。
中橋氏は「昨年の2月以降、毎日作業させていただいたが、行く先々で言葉にならない状況を見た。必要な人に必要な助けが届くよう祈ってほしい」、近藤氏は「日本の高齢化率は世界一。能登の災害支援を通し、高齢化をどう克服するかが神様から課せられた課題。地域教会、諸団体の皆様と一緒に協力する中で〝能登モデル〟になっていくのを期待している」と話した。
当日は、岡本えり子氏、徳力清香氏によるフルートとピアノの特別賛美があった。最後に近藤氏、酒井信也氏(聖書教会連盟・内灘聖書教会牧師)が「この危機を通し、能登の方々が主と出会い、救われるように」などと祈りを捧げた。
集会はURLyoutu.be/mNAVAff9vc0で視聴できる。

2025年01月19日号 01面掲載記事)