「キリストの愛 我に迫れり」(新聖歌227番)など数々の名曲賛美を生み出した作曲家の天田繋氏(てんだ・つなぐ=東京基督教大学名誉教授)が11月17日、千葉県の自宅で死去、74歳だった。葬儀は近親者のみで行った。
 1937年滋賀県生まれ。東京藝術大学作曲家卒、国立音楽大学大学院修士課程修了。66年から日本基督神学校(東京基督神学校の旧名)で、72年からは東京キリスト教短期大学(東京基督教大学前身校)で教鞭をとる。2010年度に東京基督教大学(TCU)を退任(東京基督神学校では11年度まで出講)。東京基督教短期大学音楽科主任、東京基督神学校音楽科主任を歴任。担当科目はクワイア、礼拝学など。44年の長きにわたり教会音楽を教え、学生クワイアの指導を行い、温かく気さくな人柄と教会音楽に対するひたむきな姿勢は、学生に多大な影響を与えた。その教会音楽教育はTCU教会音楽専攻科に引き継がれている。
 作曲家としての代表曲は「キリストの愛、我に迫れり」(山口昇作詞)、「クリスマスカンタータ」(佐藤一枝作詞)などのほか、地元千葉県の英和高校校歌、出身地滋賀県の小中学校の校歌など多数作曲。その功績が認められて11年、大津市市政功労賞を受賞。
 各地に招かれて多くのメサイヤコンサートを指揮。毎年クリスマス時期にTCUチャペルで行われた日本語メサイヤコンサートは、近隣住民に長く親しまれてきた。