首相の靖国参拝に抗議:日本長老教会
安倍晋三首相が12月26日、東京・九段の靖国神社を参拝したことに対し、キリスト教会からも抗議の声が上がっている。日本長老教会社会委員会(星出卓也委員長)は同日、安倍首相に対し次のように抗議した。
首相の靖国神社参拝に抗議します
内閣総理大臣
安倍晋三殿
あなたは内閣総理大臣という立場にありながら、2014年12月26日午前に靖国神社を参拝しました。菅義偉内閣官房長官は記者会見で「信教の自由の問題であり、政府が立ち入るべきではない」というお決まりの答弁を繰り返しましたが、公用車で靖国神社に出かけ、「内閣総理大臣 安倍晋三」と記した花を供え、マスコミの前で宣伝するかの如くに参拝を行い、参拝後の報道各社へのインタビューにおいて「日本のために尊い命を犠牲にされたご英霊に対し、尊崇の念を表し、そして御霊安らかなれと、手を合わせて参りました。」と述べたことは、明らかな内閣総理大臣という公的な身分での参拝であり、日本国憲法20条3項の政教分離原則に違反する行為です。石破茂自民党幹事長が党本部で記者団に対して「政権発足1年の節目に平和を願い、み霊に哀悼の意を表する思いで参拝を決意された」と発言したことも、この参拝が政権の代表者としての参拝であることを明らかにしているものです。
今年の8月15日や春季・秋季例大祭での靖国神社への真榊の奉納に留まらず、今回の参拝は本殿に上がる正式な形式に則った参拝であり、政教分離原則違反が日を追うごとに深刻になり、しかも堂々と確信をもって憲法違反行為を常態化させていることは、日本国憲法99条において憲法尊重擁護義務が課せられている役職にあるまじき行動です。
靖国神社は先のアジア太平洋戦争にて侵略戦争遂行の精神的支柱となった神社です。侵略戦争という犯罪的行為でありながらも国策のために戦死した人々を無条件に「お国のために尊い命を捧げた英霊」と祭り上げ、侵略行為を美化する役割を担った存在です。それにも関わらず安倍首相が「英霊に対して・・・二度と戦争の惨禍の中で人々が苦しむことのない時代をつくっていくという決意を伝えるために参拝を致しました」と語ったことは、この負の歴史の反省を全く顧みない発言です。安倍首相が、本当に「二度と戦争の惨禍の中で人々が苦しむことのない時代をつくっていく」という決意を持たれるのであれば、負の歴史の反省に立って定められた日本国憲法20条3項の政教分離原則を厳格に守るべきです。
国家安全保障会議(日本版NSC)の設置、特定秘密保護法成立、韓国軍への銃弾の無償譲渡と、安部政権が精力的に戦争の準備を行っていることを深く憂います。そして今回の靖国神社参拝と、戦争で死んだ人々を「英霊」と祭ったこと、それ自体が、戦死者を出すための準備であることを思います。まさにこれらは、かつての戦争の惨禍を再び繰り返そうとしている行動です。日本が二度と侵略行為を行う国となることのないように、国家神道に繋がる道を永遠に封印して、政教分離原則