首相の靖国参拝に抗議:日本キリスト教協議会
内閣総理大臣 安倍晋三様
安倍首相の靖国神社参拝に反対し、今後の中止を要請します
安倍首相、これまであなたは靖国神社に真榊の奉納を繰り返すとともに、2013年12月26日の今日、靖国神社への参拝を行いました。
首相としての靖国神社への参拝に対しては、全国6裁判所において、小泉純一郎首相に対する違憲訴訟がおこされました。福岡地裁においては2004年4月7日、首相の参拝は「内閣総理大臣の職務の執行と認め得る」とし「憲法20条3項によって禁止されている宗教活動に当たる」との判断が示されました。
憲法擁護義務を負う首相は、靖国神社への参拝は違憲であるとの判決が出されたのですから、靖国神社への参拝は差し控えるのが当然だと考えます
あなたの靖国神社への真榊の奉納および参拝に対して、国内は勿論ですが、特に中国、韓国などのアジア諸国からの批判はやむことはありません。中国政府は首相の参拝に対して根本から反対しており、参拝が続く限り中国に対する外交にも支障を来たしています。あなたは戦没者への「敬意と誠を捧げる」ための参拝と述べています。しかし、かつての戦争によって数千万人の犠牲者を出しているアジア諸国から見るならば、自国を侵略した兵士やその戦争の責任者たちが、「英霊」、「祭神」として祀られている靖国神社に首相が参拝すること、過去の戦争の肯定に繋がると受け止められるのです。
私たちは、憲法の平和主義、非武装、非戦、信教の自由、国が宗教を利用して戦争を遂行することを阻止するための政教分離の原則を堅持する立場から、改めて首相の靖国神社への真榊の奉納、参拝に反対し、これ以上靖国神社への関与をくり返さないよう強く要請します。
2013年12月26日
日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会
委員長 坂内宗男