「人々に感動を与えること、これが私の仕事です」。そう語るのは、コロラトゥーラ・ソプラノ歌手であり、世界を代表するバンドゥーラ(ウクライナ民族楽器)奏者の一人でもあるオクサーナ・ステパニュックさんだ。その心に染み入るような透き通った声と卓越した表現力、幅広いレパートリーは、聴く人々を魅了せずにいられない。東日本大震災後は毎年、宮城県仙台市や福島県相馬市などで、特に父親、母親を亡くした子どもたちのためにチャリティーコンサートを開いている。(中田 朗)

【経歴】
1992 年ウクライナのキエフ若い才能コンクール優勝。1996年、国立ウクライナ・チャイコフスキー音楽院の声楽科及び楽器科を首席で卒業。1999 年ウクライナの新しい名前コンクー ル優勝、ロシア・プスコフ音楽コンクール優勝。2002 年国立ウクライナ・チャイコフスキー音楽 院声楽科、及び楽器科を首席にて卒業。イタリア・世界音楽コンクール優勝。2009 年第6回ブル クハルト国際音楽コンクール最高位。2010 年第 12 回万里の長城杯国際音楽コンクール優勝。2011 年第5回横浜国際音楽コンクール優勝、芸術分野におけるウクライナ功労賞 ‘Honored Artist of Ukraine award’を授与される。2013 年 11 月第 11 回チェコ音楽コンクール優勝。2000 年よりロシア、フランス、イタリア、チェコ、イラン等ヨーロッパ各地でソロリサ イタルを行っている。2000 年リムスキー・コルサコフ「クルザールの結婚」マルファ役にてデビュー。 2002 年前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世に招かれ御前演奏。2003 年に初来日して以来、北海道、大阪、鎌倉、静岡、京都、名古屋、九州等 500 回以 上のソロリサイタルを行う。2012 年松本での日本フィル、小林研一郎指揮、ベートーヴェン「交 響曲第九」にてソリストとして出演。2013年、野田佳彦元首相に招かれ歌曲披露。藤原歌劇団公演ヴェルディ「仮面舞踏会」のオスカル役で出演。CD「愛をつむいで オクサーナ・ ステパニュック、日本のしらべを唄う」・「アヴェマリア」をリリース。松本での日本フィル、ヘンデル「メサイヤ」にてソリストとして出演。 現在、藤原歌劇団正団員。ミロシニチェンコ・イエヴゲニア、マルゲリータ・グリエルミに師事 東日本大震災後、スリランカ・カンボジア・フィリピン・ウクライナなどで多数のチャリティコンサートを開催している。