内閣総理大臣・自由民主党総裁 安倍晋三様
公明党代表 山口那津男様

集団的自衛権行使容認の閣議決定への抗議

                日本基督教団奥羽教区総会議長 邑原宗男

 安倍内閣は、総理官邸前や全国各地での「集団的自衛権行使容認反対」の声、多くの地方議会、各メディアの懸念の声に対して、「批判を恐れず」と強行に「集団的自衛権行使容認」の閣議決定を行ったことに断固抗議します。
 又、「平和の党」を自認うる公明党も、「歯止め」となるどころか、憲法9条をないがしろにした「解釈改憲」への道を開いた責任は重大と言えます。
 安倍首相は、「閣議決定により戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく。再び戦争をする国になることはあり得ない」としていますが、一方では、「他国への攻撃で、日本国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合の武力行使は憲法上許容される。」と海外での自衛隊の武力行使を容認していることと大きく矛盾していると言わざるを得ません。
 日本国憲法第9条は、あのアジアの国々に対して仕掛けた侵略戦争により、多大な尊い命が失われた教訓から生み出されました。そしてこの憲法9条により、日本は世界の国々に対して戦争の放棄を宣言し、68年の間平和国家として歩んできあした。自民党政権の歴代総理大臣たちは「集団的自衛権は憲法上認められない」としてきたのに、安倍総理は何故それを転換させようとするのでしょうか。
 私達キリスト者は、聖書から生き方や価値観を導かれています。「彼らは剣を打ち直して鋤とし槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げずもはや戦うことを学ばない。」(旧約聖書イザヤ書2章4節)この聖書の言葉は、日本国憲法前文や戦争放棄を謳った9条に繋がる平和への理念であると言えます。私達は、「集団的自衛権の行使」により、自衛隊員や若者が戦闘行動に向かわせられることに危機感を覚えます。
 今回の閣議決定に抗議すると共に、日本が戦争や紛争に対して武力を用いるのではなく、平和的外交努力による可決の道を歩むことを強く求めるものであります。