[CSD]2011年11月27日号《ヘッドライン》

[CSD]2011年11月27日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎今こそクリスチャンの出番——クラッシュジャパン 心のケア・ボランティアを募集
★「日本は1つ」の危うさ——第23回信教の自由セミナー

 = 2 面 ニュース =
◎NPOグリーフケア・サポートセンター:悲しみとどう向き合うか——自死遺族を支え続けて10年
★復興支援で疲れた信徒ら励ましたい——日韓教会協力で「信仰回復聖会」仙台で開催

 = 3 面 教界ニュース =
★<竜馬をめぐる人々>[68]坂本直寛の章:27—— 記・守部喜雅
★<逝去>荒井恵理也氏(hi-b.a.代表スタッフ)、<逝去>花盛勲一氏(前イエスの友会会長)
★情報クリップ

 = 4・5 面 全面広告=
☆JTJ宣教神学校 2012年カリキュラム
公式Webサイト  http://www.jesustojapan.com/

 = 6 面 関西だより=
◎「子どもたちの救い」願って協力——キッズ・ファミリーフェスに大集合
★中学生もノリノリ 南大阪ゴスペルフェス——スタンリッギ選手も駆けつけて応援メッセージ
★宣教の使命新たに50周年——KBI記念式典・セミナー
★原子力の平和利用って?——関西セミナーハウスで

 = 7 面 伝道・牧会を考える=
★ケープタウン決意表明(8)——私たちが愛する主のために?
★解説:聖書を愛する生き方

 = 8 面 ひと・証し=
★今村泰典さん(リュート奏者)——「躓きを通して私は救いに導かれた」



◎今こそクリスチャンの出番−−クラッシュジャパン 心のケア・ボランティアを募集=1111270101

 東日本大震災から8か月が経った。被災地では震災直後からの瓦礫撤去や泥出しなどのボランティア活動が一段落し、被災者のほとんどは避難所から仮設住宅へと移った。同時にメディアでも震災のことが取り上げられなくなり、被災地で活動するボランティアは激減している。しかし、クリスチャンの緊急災害支援ネットワーク「クラッシュジャパン」(ジョナサン・ウィルソン代表)は、「今後は心のケアを中心とした活動が必要。今こそクリスチャンの出番だ」とし、継続的に現地ボランティアを募集している。【中田 朗】

 災害時において日本の教会に仕えたいという願いから始まったクラッシュジャパンは、世界中の支援者たちの力強いネットワークに支えられながら、被災地にある教会をベースに瓦礫撤去や泥だしのボランティア活動を行うと共に、これまで300トン以上の支援物資を配布してきた。また、活動開始当初は常勤スタッフさえいない少額資金の災害支援ミニストリーだったが、現在では有償常勤スタッフ60人、ボランティア動員数のべ千600人の一般社団法人だ。
 クラッシュジャパンでは、支援活動はすでに緊急支援期から復興期の新段階に移行したと認識し、緊急支援期に培った人とのつながり、活動基盤、パートナーシップに基づいて、10月から全活動に「心のケア」を盛り込んだプログラムを開始。仮設住宅を巡回してコーヒーサービスを行う「モバイルカフェ」や、新生宣教団制作の小冊子「マンガ・メサイア」、トラクトなどの配布、被災した子どもの回復のために開発されたトラウマ対策プログラム「オペレーション・セイフ」などを行っている。
 「東北地方はこれから雪に閉ざされ、人々も家に閉じこもるようになると、家族を亡くした悲しみやストレス、震災などで受けた傷などがじわじわと出てくる。一般では忘れられてきている被災者の心に寄り添え、心のケアができる日本人クリスチャンこそ、ボランティアとして今必要だ」と広報の栗原一芳さんは力を込める。また、この段階でこそ福音が幅広く分かち合われ、人々に届けられるとも言う。
     ◇
 11、12月の募集は、個人参加の場合?仙台ベース=毎週木曜日から。教会のイベントのお手伝いまたは清掃作業。?一関ベース=毎週水曜日から。気仙沼地区の仮設住宅を訪問して物資配布、集会所でのカフェお手伝い。?遠野ベース=毎週月曜日から。奉仕は釜石・大槌地区の各仮設住宅集落でのモバイルカフェ開催。?那須ベース=毎週水曜日から。仮設住宅訪問、モバイルカフェ開催、福島の子どもたちにペットボトル入り飲料水を届けるいのちの水プログラム。12月から福島の子どもの疎開プログラムの手伝い。
 チーム参加の場合、なるべく登録は4人以上、ボランティア活動は4日以上で。
 定休日は基本的に日、月曜日。初日は午後5時までに各ベースか指定の駅まで到着。初日はボランティア全員に被災者への心のケアのためのオリエンテーションを行う。帰りの日は各自調整。
 ボランティア申し込みは http://crashjapan.com/ から。問い合わせはTel.070・5567・5139、Email:screening@crashjapan.com

◎NPOグリーフケア・サポートセンター:悲しみとどう向き合うか−−自死遺族を支え続けて10年=111

 警察庁発表の自殺者数が13年連続で年間3万人を超す中、自死遺族支援のためのNPOグリーフケア・サポートプラザ(加藤勇三理事長)が創立から10年を迎えた。その記念講演会が11月5日、「悲嘆からの再生」を主題に東京・千代田区永田町の星陵会館ホールで開催された。「死者と生者のラストサパー0幼い日の母の自死を生きて」と題して宮城学院女子大学元学長で名誉教授の山形孝夫氏が講演。室内楽の演奏による「追悼の時」をはさみ、同会創立者のひとり平山正実氏(同NPO特別顧問、聖学院大学教授)が10年を振り返って報告した。
 山形氏は自身が8歳の時、自死という形で母親を亡くした経験から話し始めた。4番目の子を産んだあと体調が優れず、まだ幼い山形氏に「死にたい」と言う母親。このSOSに何もできなかった山形氏はまもなく?その時?が来たことを知る。授業中、教室に近づく足音。立ち話をしている担任との話の中に「山形…」という言葉が聞こえてきた。その時、恐れていたことが「起きた」と直感したという。気付いていたのに何もできなかったことが罪悪感となり、長い間その悲しみが心を占めて離れなかった。
 高校2年の時、聖書に出合い、旧約聖書の中に「悲しみの家は宴会の家にまさる」という言葉を見つけた。また、新約聖書の中の「悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるから」という言葉に出合った。そこからキリスト教に入り、宗教人類学を専攻することになった。
 「私たちの記憶の中で死者の言葉を聞くことが重要です。それがないと、どこまでも悲しみが罪悪感となって、らせん階段のようにグルグル回ってしまいます。その罪悪感のらせん階段から抜け出さなくてはいけない。いかに抜け出すか、それがグリーフケアの一番大きな目的ではないでしょうか」と結んだ。
 第2部「追悼の時」で演奏した仙台のアンサンブル・クレマチスのメンバー、バイオリン奏者の伊部祥子さんも親友を自死で亡くしたひとり。静かな演奏に、多くの参加者が涙をぬぐい、すすり泣く声も聞こえた。
 グリーフケア・サポートプラザは設立当初、身近な人の死および色々な困難に直面している人々とその家族の心のケアを行い、自立の支援をすることを目的に設立されたが、03年の理事会で活動目的を「自死遺族に対する悲嘆援助」に特化した。以後、電話相談、分かち合いの会、グリーフケアに対する情報提供、教育・研修事業、調査・研究事業などに着手してきた。
 平山氏によると、最近の動きとして、外に発信することに力を入れてきたという。自死遺族に対する社会の差別と偏見に対しての啓発活動もそのひとつ。また、自死遺族ケア団体の全国ネットワークを立ち上げ、国や政府、東京都などとの連携も深めてきた。
 一方で、「一人の人間がどういうふうに悲しみと向き合うか」という課題にも取り組んできた。未曾有の東日本大震災を受け、経済的不況下にある今年も、自殺者が3万人を超えるのではないかと言われている。
 「その背後に嘆き悲しんでいる人がどれだけいるのだろうか」と10年経っても試行錯誤は続く。今回の大震災では瞬時に2万人もの命が失われてしまった。人を助けようとして亡くなった人もいる。警察、消防、役場の人…職務に忠実だったために命を落とした人たちだ。
 最後に平山氏は、こう報告を終えた。「そういう死のあり様から我々は何を学ぶことができるか。ああいう生き方ができるかどうか、死者が我々に問うている。我々のなすべきことは何かと問い始めた時に、新しい出発が始まると思います」と。
【清水茂則】
 ▽認定NPO法人グリーフケア・サポートプラザ事務局=Tel.03・5775・3876、Fax.03・5775・3871(木・土10時~16時)、http://www12.ocn.ne.jp/~griefcsp/ Email:grief.care.sp@luck.ocn.ne.jp
〈自死遺族のための電話〉Tel.03・3796・5453(火・木・土10時~18時)

◎「子どもたちの救い」願って協力−−キッズ・ファミリーフェスに大集合=1111270601

 「広げよう明日への希望 つなげようイエスさまの愛」を合言葉にしたキッズ&ファミリーサポートミッション(KFSM)主催の第2回キッズ・ファミリーフェスティバルが、10月15日、大阪市中央区のエル・おおさかで開催された。KFSM委員会の丸本浩牧師(JEC・国分福音教会)のレポートで紹介する。
  ◆   ◆  
 このフェスティバルは昨年の関西フランクリン・グラハムフェスティバルから発足したキッズ&ファミリーサポートミッションにより計画されてきました。しかし発足当時、委員会に手持ち金は無く、ほぼゼロからのスタートでした。委員会はフェスティバルを盛り上げるため、キッズクワイヤーの募集、子ども向け伝道用テキスト「キッズフェイスブック」の作成、決起大会におけるカウンセラー養成など、草の根的な活動を行っていきました。
 大会当日は800ある席のほとんどが親子連れで埋められ、イエス様を信じるようにとの招きに応えた子どもたちでステージ上は埋め尽くされました。約70人のカウンセラーが対応しテキストを用いたフォローアップと祈りの時を持ちました。
 また、同委員会では、同日夕刻よりユースワーシップフェスティバル2011も開催し、Bless、ヤングカーク&Manamiなど、多彩なゲストにより会衆一同が主への賛美へと導かれたことも感謝でした。
 今回のフェスティバルを3つのレスで表現して見るならば、一つ目はネームレスです。著名なゲストやメッセンジャーを呼んでお任せする、というスタイルではなく、子どもたちによるクワイヤーやダンス、ミュージカル、また東北の被災地に送る「クリスマスギフトパック」の呼びかけなど参加型、手作りの集会を目指しました。
 二つ目はボーダーレスです。KFSMの委員会は福音派からペンテコステ派までの超教派の集まりです。教団・教派を超えた委員たちが、子どもたちの救いという一点で仲良く協力しています。もちろん参加した子どもたちには、教団・教派の壁などありません。同じ神様を信じる者として単純に参加しているのです。私たち大人が、教団・教派の壁を低くして協力するならば、次世代の子どもたちの時代にはその壁はもっと低くなっているでしょう。
 三つ目はエンドレスです。子どもたちの救いというテーマは、一度大会を開いたら終わりというものではありません。イエス様が来られる時までこの働きは終わりなく続くのです。従ってこれからも様々なニーズに合った方法で、子どもたちに福音を伝えなければなりません。(記=国分福音教会・丸本浩)