[CSD]2012年5月20日号《ヘッドライン》

[CSD]2012年5月20日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★「意見の違いは議論で克服を」——日本基督教団に免職処分受けた北村慈郎氏の地位回復を求める訴訟第1回口頭弁論始まる
◎「トーチベアラーズ山中湖」25周年機に——炎のバトンリレー 棚沢夫妻からフレンツ夫妻へ

 = 2 面 ニュース =
◎福音主義神学会が東日本大震災テーマに研究会——西部:ホーリスティック宣教を検証、東部:震災とキリスト者
★米国・ウェストミンスター日本人教会——待望の後継牧師に出身者の長井正人氏
★同盟基督:6月に熊本市で開拓開始——ブラジルに浜田献宣教師を派遣
★<落ち穂>東京歴史宣教ツアー

 = 3 面 教界ニュース =
★<いのちへのまなざし>[10]一生懸命に探してくださる神 記・柏木哲夫
◎Web版「牧会ジャーナル」刊行——本邦教界初の有料電子週刊誌 http:www.journal.pastors
★<オピニオン>「寄り添う」ことはできなくても 記・松田 牧人
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4・5 面 田内千鶴子生誕100周年に向けて=
★「世界孤児の日」制定に向けて——尹 基
★「夫が戻ってくるまで」と3千人もの孤児を育てる——尹 致浩と田内千鶴子
★記念大会に期待します——土肥隆一、中島秀一、峯野龍弘、池田 博、堀内 顕、泉田 昭、渡辺 信

 = 6 面 仕事と信仰=
★玄 君先(げん・くんそん)さん(弁護士法人港国際グループ代表弁護士)[下]——倒産もまたビジネスの一面
★<定年後の挑戦>[13]定年後の家族? 親子関係のバリアフリーとバンダリー 記・星野 隆三

 = 7 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>[10]JECA・めぐみの丘チャペル?——霊的モチベーションを高める
★ケープタウン決意表明(26)パート?解説——私たちが仕える世のために(10)

 = 8 面 =
★スティーブ・フレンツさん(トーチベアラーズ山中湖 新ディレクター)——キリスト証しする炎を山中湖で受け継ぐ





◎「トーチベアラーズ山中湖」25周年機に−−“炎”のバトンリレー 棚沢夫妻からフレンツ夫妻へ=120

 クリスチャンの交わりと訓練の場として山梨県山中湖畔に設立されたセンター「トーチベアラーズ山中湖」が25周年を迎え5月305日、記念感謝会を催した。4日には創立以来のディレクター棚沢英樹・幸子夫妻からスティーブ&ジェニファー・フレンツ夫妻にバトンを渡すディレクター退任式&就任式が行われ、同施設を利用し支援してきた教会関係者や、各国のトーチベアラーズ聖書学校卒業生、5月から発足した一般社団法人の理事ら約100人が集まった。
 「トーチベアラーズ」とは、キリストにある希望の光をともす灯火を担い運ぶ証し人の意。英国ランカスター市郊外の森と牧場に囲まれた古い館を拠点として1947年イアン・トーマス少佐によって始められたケイパーンレイホールが発端で、クリスチャンがキリストの救いを人々に伝える良き働き人となることを目的に、短期聖書学校など休暇を利用した伝道と訓練のプログラムを提供している。20か国に25のセンターがあり、日本はその15番目。感謝会では現国際総責任者クリス・トーマスさんが講演した。
 棚沢英樹さん(67)は、10代の頃に生き方を求めて世界を旅している時、ケイパーンレイホールでキリストを救い主と信じ洗礼を受けた。訓練を受けてスタッフとなり、帰国後は愛知県での牧会を経てトーチベアラーズ山中湖の設立に従事した。「キリスト教ではなくキリストのすばらしさを伝えることが25年間変わらない私の喜び」と証す。カナダ人のスティーブ・フレンツさん(31)と妻ジェニファーさんは10代のころ日本に滞在した経験があり、大工と航空会社教育係の職をなげうって新ディレクターの召命に応えた。

◎福音主義神学会が東日本大震災テーマに研究会−−西部:ホーリスティック宣教を検証、東部:震災とキリス

 日本福音主義神学会西部部会(津村春英理事長)の2012年春季研究会義が、4月16日に大阪キリスト教短期大学で開かれた。テーマは「神の国のホーリスティック宣教|東日本大震災をうけて|東日本大震災という現実の中で、教会がローザンヌ誓約などに表わされているホーリスティック宣教をどのように理解し、どのように取り組んできたかを検証し、その取り組みの背景にある神学的理念を浮かび上がらせ、今後の教会の取り組みに対する神学的示唆を与える」。講師は日本国際飢餓対策機構(JIFH)理事長の岩橋竜介氏、基督兄弟団ニューコミュニティ主任牧師の小平牧生氏、東京聖書学院教授の西岡義行氏。約80人の参加者があった。
 岩橋氏は「善隣共生|共同体のビジョンへの挑戦」と題して講演した。
 「東日本大震災の復興支援を考察していくとき、JIFHが被災地で見いだしたことは、まさに地域の教会がVision of community(VOC)を実践していたことだ。それまで週に1度礼拝のために開かれていた教会が、毎日地域の必要のためにコミュニティーに出て行って、人々の食べ物のことや衣服のこと、心のケアなど全人的、ホーリスティックに関わって行った。牧師はリーダーとなって自治会や行政と協力した。こうした教会の働きによって、地域の人々の肉体的必要、精神的必要、社会的必要、そして霊的必要が満たされていくようになった。教会はその街には欠かせない存在になっていったのだ。牧師も信徒も無我夢中で取り組んできた。今後VOCを達成していくためには、今回の取り組んできたことを整理して考え、理解し、これからどのようなステップを踏んでいくべきか、体系的に学び実践することにある。また、受ける恵みを知った東北諸教会が、これから与える幸いを見い出していくことが、今後の東北の教会の成長と宣教のカギであると考える」
 小平氏は1995年の阪神淡路大震災の被災教会の牧師として地域の復興支援に携わったこと、東日本大震災では所属教団の東北教区担当理事、同時に日本福音同盟理事・震災対策室として復興支援活動にあたっていることを前置きした。
 「教会が真に地域に対して貢献しようと願うなら、その規模や活動によって評価されようとするのではなく、主が教会に与えられた使命そのものを改めて確認する必要がある。それは霊的な面を含めた人間の総合的な回復のために、キリストの愛によるコミュニティを人々に提供することと、霊的・人格的に整えられた人を育てて社会に送り出すことである。人とコミュニティによって、福音のあかしと愛のわざは統合できると思う。それが一つになるとき、家庭や社会の再構築が可能になるのではないか」
 西岡氏は「被災現場から問われている包括的福音~非包括的認識への挑戦~」と題して講演した。
 「東日本大震災の被災現場に立つ中で、私たちは教会や宣教のあり方の根本のみならず、信仰そのものも問われている。ローザンヌ運動の提唱する包括的福音を掲げつつも、私たちの存在は本当に福音となっているのかが問われ続けている。問題は包括的働きができていないということだけではなく、包括的でない自らの働きで自己完結すると考えることではないか。一教会の働きや、一宣教団体の働きで、包括的に福音をもたらすことができると思い上がることなく、むしろ大きな神の宣教の一部を担っているに過ぎないとして、謙虚に人々と一つになり、働きを共にしていくことが求められているのではないか。そして大切なのは、それらの係わり合いを、組織レベルでも、伝道や宣教の理解においても、さらにアプローチにおいても、今までの還元的カテゴリー思考ではない思考モードで捉えなおそうと努力し続けることではないだろうか」
 (資料提供=津村春英理事長)

◎Web版「牧会ジャーナル」刊行−−本邦教界初の有料電子週刊誌=1205200302

 紙ベースからウェブ版への移行を準備していた「牧会ジャーナル」が、試行期間を経て4月23日から正式に発行を開始した。わが国のキリスト教界において、有料で発行する定期刊行物は初めて。これまで牧会者らの間で自助グループ的に同人誌のような役割を果たして評価されてきた読み物が、電子メディア上で国内のみならず世界のどこからでもアクセスできるようになった。
 ウェブ版は購読者が一方的に提供される記事を読むばかりでなく、執筆者と読者の相互方向のやりとりや読者同士のネットワークの広がりも可能なことから、将来的には牧会現場にとって、これまでにない機能で役立つツールとなる可能性を秘めていることでも注目される。
 これまで牧会ジャーナル編集委員会(坂野慧吉編集長)から委託を受けて紙版を発行してきたいのちのことば社から、発行元が牧会塾に移り、従来の編集委員に牧会塾を担う関係者も加わり執筆陣にも厚みを増した。「牧会学入門」「説教を考える」「神の民の再建を目指して」「心の生活習慣病」「牧師夫人の窓」「教会のためのコラージュ入門」「心の旅路を見つめて」「ナウエンに学ぶ」「地方からの便り」「牧師の背中」など霊性、説教、牧会、牧会心理など多彩な分野の連載記事が、毎週月曜日に2、3本ずつ更新される。購読料は2年間で3,000円。申し込みは、URL http://www.journal.pastors.jp/