「憲法のここがすごい!」点を語るアーメントーク

日本国憲法施行77年目の5月3日、「憲法改悪を許さない私たちの共同アクション」(以下・憲法アクション)担当者会主催による「憲法バースデーパーティー」が、「君たちはどう生きるか? 憲法と共に」をテーマに、東京・北区上十条のバプ連盟・東京北バプテスト教会の会場とオンライン併用で開かれた。憲法アクションが対面、オンライン併用で開かれるのは4年ぶり。

「ミルク世チュクラナウチスリティ」を皆で賛美

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最初に、同担当者会委員長の林健一氏(バプ連盟・大泉教会牧師)が挨拶。「憲法アクションは、2006年に始まって今年で18年目。日本国憲法には、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大原則があるが、その中でも平和主義が最も大事にされてきた。憲法9条の『戦争放棄』条項には、戦後日本が目指してきた平和国家建設への願いが込められている。だが、このままだと平和憲法はなくなり、戦争ができる国になってしまう。平和を作り出す為に何ができるか、共に祈り、話し合い、行動が起こされる。この集会がその始まりとなれたら幸いだ」と語った。

「戦争のつくりかた」の朗読

当日は、今の憲法について何も言わないとゴールド免許がもらえると風刺する漫才「憲法免許対策」の披露、今まで戦争をしてこなかった日本が戦争ができる恐ろしい国になっていく様子をつづった絵本「戦争のつくりかた」の朗読、憲法の「オタク」的な細かい知識を小出しして「憲法のここがすごい!」点を熱弁するアーメントークなど、スタッフが頭をひねって準備した出し物により憲法と平和について表現。特に「戦争のつくりかた」では、「この絵本の現時点での具体的なパロディであり、危機的状況が迫っている。このことは、沖縄のメディアでは確実に報道されている」と、作者の切羽詰まった危機感も伝えられた。
また、オンラインで沖縄とつなぎ、岡田有右氏(那覇新都心教会牧師)が「沖縄のいまをとおして」と題して現地報告。「沖縄には平和憲法が適用されておらず、生存権が保護されていない。日米地位協定があり、戦闘機や射撃による爆音があり、オスプレイが落ちてくる。有害物質PFAS(有機フッ素化合物)が米軍基地からしみ出し、農産物や飲み水を汚染している。沖縄の女性が元米軍兵士に殺害される事件も起きている」

沖縄の今について現地から聞いた

「今、沖縄の島々では台湾有事を口実に軍事要塞化が進んでいる。専守防衛から敵基地攻撃能力のある中長距離ミサイルが配備され、中国の主要都市を攻撃できる。それぞれの島では住民避難計画も立てられており、新しい戦争前夜の様相を呈している」と危機感を露わにし、「沖縄を戦場にさせないことは、日本を戦場にさせないこと。戦争に派遣される自衛隊員を守ることだ」と結んだ。
その他、「国は国に向かって剣を挙げず、もはや戦うことを学ばない」と書かれたイザヤ書2章4節の朗読、讃美歌21-371「このこどもたちが」や00年日本YMCA憲法研究会テーマソング「ミルク世チュクラナウチスリティ」(平良愛香作詞・作曲)などを賛美する時があり、「キリスト者にとって9条とは」をテーマに全体討議も行われた。最後に同担当理事の城倉啓氏(泉バプテスト教会牧師)が「9条はすべての武器を捨てるようにとの福音を発していると解釈している。その上で、国際連合憲章に9条を書き込ませたい」と夢を語り、祈った。