[CSD]2005年10月02日号《ヘッドライン》

[CSD]2005年10月02日号《ヘッドライン》
 = 1面 =
★世界の貧困をなくそう——9月10日はホワイトバンドデー  = 2 面 ニュース=
◎教会数51増加で7961に——クリスチャン情報ブック2006年教会教勢調査
★キリスト教社会思想系譜から国家形成にも貢献を——土肥隆一氏「郵政選挙」を語る
★<落ち穂>福音によって自らの民族のアイデンティティーを回復  = 3 面 ニュース・ルポ=
★「チェーン式聖書」『聖書 注解・索引・チェーン式引照付』(いのちのことば社、7560円)新発売
★<連載ルポ>本郷台キリスト教会の給食ミニストリー[4]地域の人、素通りできない教会に
★CPIカンファレンス11月に開催——霊的刷新に重点置き
★<教界ニュース>日本友和会事務所が移転
★<教界ニュース>日基教団社会委員会:死刑執行に対し抗議声明を発表
★<召天>伊藤義清氏(日本基督教団隠退牧師・キリスト教ジャーナリスト会議世話人、72歳)  = 4 面 ビジネスパーソン=
★記者時代に生きた学園の実践的教育(中)——永田晨さん(株式会社日経BP特別参与、学校法人自由学園理事長)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[2]怒りの上手な対処法  = 5 面 牧会=
★<こころの対話>「児童虐待」について考える[最終回] 記・山中正雄
★<オピニオン>人を愛し、神と人のために働くこと 記・碓井真史
★<恵みのどんでん返し>言い値は半額だった 記・水村光義  = 6 面 関西だより=
◎阪神宣教祈祷会35周年——震災10年も振り返る
★アフリカ 水頭症の子どもに愛の手を
★優香さんの賛美にファン急増中  = 7 面 世界=
★<宣教まっただ中>台湾発[2]原住民と記された戸籍 記・丸山陽子
★ホワイトバンドの広がりから——伏線に「ジュビリー」  = 8 面 特集・アニバーサリー=
★未来への扉開く1世紀——大阪キリスト教学院創立100周年  = 9 面 企画特集=
★クリスチャン情報ブック2006宣教アンケート結果——一般的な人間関係に前向きな姿勢
★名画とギャラリーのある教会堂——みとキリスト教会聖句書道センター  = 10 面 全面広告=
☆第20回東京 聖化大会
 テーマ:ホーリネスに生きる喜び  = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『ちいろばのこころ 親から子 子から孫へ 手渡しの信仰』榎本保郎、榎本恵著(いのちのことば社 マナブックス、1260円)
★BOOK:『誘惑に負けないために』ジョシュア・ハリス著 原田治子訳(ホームスクーリング・ビジョン、1280円)
★BOOK:『誰も知らない男 なぜイエスは世界一有名になったか』ブルース・バートン著 小林保彦訳(日本経済新聞社、1470円)
★EVENT:「林美貞 イム・ミジョン GOSPEL CONCERT」  = 12 面 =
★<講演>米国キリスト教原理主義に見る、日本の福音派の課題[1] 関野 祐二
★米国:初の「同性愛者間結婚」法案を可決
★<書評>『宣教師が見た天皇制とキリスト教』ジョン・M・L・ヤング著(燦葉出版社、1575円)  = 13 面 教会学校=
★<教会学校教師のひろば>「神の家族」高齢者と一緒に礼拝——日本長老教会・山の上教会
★<先生集まれ>率先して子どもの手本に 記・可知 篤志
★<CS分級>「繰り返し」という伝え方 記・矢吹 博  = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>世界各国の留学生が共に集う場所——バプ宣教団・津豊ヶ丘キリスト教会
★<奉仕する恵み>バイブルクラスの奉仕で——八木橋 みどり(バプ教会連合・御園バプテスト教会員)  = 15 面 家庭・あかし=
★「もしかしたら父のことが…」——通訳仲間「カーディフ・ジョー」とよばれた男
◎子育ては「子どもが主役」——マザーズ・カウンセリング・センター講演会
★<お母さんのための絵本の旅>「にぐるまひいて」の世界 記・澤谷 由美子  = 16 面 ひと=
★吉田 博さん(財団法人早稲田奉仕園専務理事)——福音派とメインラインの橋渡しを

教会数51増加で7961に−−クリスチャン情報ブック2006年教会教勢調査0510020201

 本紙が発行する年刊『クリスチャン情報ブック』2006年版が、9月30日に発売される。毎年約8千教会を対象に実施している「教会教勢アンケート」の結果、全国のプロテスタント教会・伝道所は、7千961教会、1教会あたりの平均教会員数は、64・3人、平均礼拝者数は41・1人という全体像が描かれた。また、同時に実施している「宣教アンケート」は、「今日の日本社会と福音宣教|人々とのかかわりとNPO活動への関心」をテーマに取り上げ、一般的な人間関係について「難しくなってきた」と感じている層は、一般社会の意識よりもクリスチャンのほうが少なく、クリスチャンの方が前向きに受け止めている姿が浮かび上がってきた。     (関連記事9面)
 
 今回の教会教勢調査からは、全国の推定信徒数は51万2千211人で、全国の総人口のおよそ0・4%がプロテスタントのクリスチャンであるという結果も出た。
 教会全体の増減では、18都道府県で教会が増加している(前回は31都道府県)。今回の特徴として、大都市圏では前回同様に増加がみられるものの、大都市圏から離れた地域では教会の増加があまりみられなくなった。(表1参照)
 1教会あたりの人口比は、全国平均1万5千931人と、前回より平均85人も減少している。この数値だけをみると、教会数が増加し、宣教は進んでいるかのように思われるが、全国の教会員数および礼拝者数は横ばい状態であり、実際には教会堂のみ増加しクリスチャン人口はほとんど変わらない状態であることも推測できる。また、平均礼拝者数が最も多い地域は関東(52人)で、最も少ない地域は東北(28人)であった。多い地域と少ない地域では、20人以上の差がある。
 03年から05年にかけて、市町村合併による自治体再編成が各地で急速に実施された。それに伴い、自治体総数が04年4月末では3千100(695市、1千872町、533村)であったが、05年4月末現在では、2千393(739市、1千316町、338村)にまで減少している(東京23区を除く)。教会未設置市町村数も「平成の大合併」といわれる自治体合併によって大きく減少しているが、1教会当たりの人口数は基本的には増加傾向にあり、これからの宣教課題として重要な要素といえる。
 「信者1人あたりの未信者数」(人口から推定教会員数を割って算出した数)をみると、大都市圏はこの数が少ない傾向がみられる。東京都を例にあげると、信者1人に対して未信者109人という状況で、突出して未信者の割合が少なく日本一信者の比率が高い。それとは逆に、富山県・岩手県・佐賀県は、信者1人に対して700人以上の未信者がいる。しかし、年々過疎化とともに大都市圏に集中して教会が増加しており、比較的大都市から離れた地域では教会が減少している傾向がここ数年みられる。
 未信者が1人でも存在するかぎり、そこには宣教する必要性が十分あるが、できるだけ宣教の進んでいない地域への働きかけが重要であると思われる。今後の宣教は、未信者の比率の高い大都市から離れた地域への重要性を見失わず、新たな宣教方策の構築がどのようになされていくかが大きな課題といえる。
【本紙情報企画課】

阪神宣教祈祷会35周年−−震災10年も振り返る0510020601

 阪神宣教祈祷会では、今年阪神宣教祈祷会35周年と阪神クリスマスフェスティバル30周年および阪神・淡路大震災10周年を迎えたことを記念して、記念誌『主にある者の幸せ』を発刊した。9月12日には単立一麦教会の群活けるキリスト一麦西宮教会(下條未紀子牧師)で記念感謝礼拝と記念誌出版感謝会を開催し、35年の歴史と思い出を共有する人々が集い、感謝をささげると共に、阪神宣教祈祷会のさらなる飛躍を祈った。   記念感謝礼拝は秦賢司牧師(JECA・夙川聖書教会)の司会で、約30人のゆかりの人々が出席して行われた(写真)。
 証しに立った下條未紀子牧師は「楽しくてたまらなかった」と、同祈祷会に参加した当時を懐かしんだ。「開拓間もないころ、超教派で宣教と阪神間の救霊のために祈っていこうという熱い思いのみがありました。行けば必ず大きな恵みをいただきました。阪神宣教祈祷会により大きな励ましをいただいたことを感謝しています」と、思い出は尽きない様子。35年前の創立時と変わらず祝福が続いていることを主に感謝していると結んだ。
 同祈祷会創立の呼びかけ人の1人だった中島秀一牧師(日本イエス・キリスト教団荻窪栄光教会)も、東京から駆け付けて祝辞を述べた。「阪神宣教祈祷会は誰がボスでもなく主が中心であり、縛りのない自由な集まり。それが35年も沈滞することなく続いてきた要因だと思う。それに、先生方一人ひとり、思いやりがある。これも継続の大きな要因」と、牧師間のまとまりの良さにも触れた。最近韓国を訪れたという中島牧師は、韓国が今、日本宣教に燃えていることを報告。「その情熱を受けとめ、日本の教会はひとつとなって、韓国の人たちとタイアップして日本にリバイバルを起こしていきましょう」と、奨励した。
 近畿福音放送伝道協力会の鈴木義明牧師(京都福音自由教会)は祝辞の中で「阪神宣教祈祷会は教会協力のモデル」と、たたえた。「教会が共に協力することで、個々の教会が成長するというよき例を阪神間に見る。震災という苦難も必ずしもマイナスだけではなく、血の涙を流しても神を信ずるという霊的な原則を見させられたように思う」と、震災時に教会が一致して救済と復興に働く姿は大きな証しともなったと、振り返った。
 記念誌を読んで感動して駆けつけたというTPKF・神戸フィラデルフィア教会の大嶋常治牧師は「阪神宣教祈祷会はますます祝福されていくと確信している。阪神宣教祈祷会が祝されることは日本の教勢に寄与すること著しい」と、祝した。使徒9章31節のみことばを掲げて「必ずこの地にリバイバルが起こる」と、力強く宣言。会衆席から拍手が起こった。
 説教に立った小平照夫牧師(基督兄弟団・ニュー・コミュニティー西宮染殿チャペル)は、40年前の安保闘争にキリスト教界も巻き込まれ、混乱に陥っていたときに本田弘慈牧師から励まされて阪神宣教祈祷会が立ち上がったという経緯を述べ、そこに神からゆだねられた使命が今に続いていると語った。「すべての人のために十字架に架かられた主イエスをすべての人に伝えることが教会の使命。すべての人に伝えるためには、教会が孤立していては、地域全体をカバーすることは難しい。協力伝道は時間、労力など犠牲が多いが、私たちは福音をゆだねられた主の同労者。神の委託に忠実でありたいと真実思うなら、心をひとつにし、志をひとつにした奉仕が絶対に必要です」と、阪神宣教祈祷会の働きがこれからの宣教にますます意義深いものになることを示唆した。

子育ては「子どもが主役」−−マザーズ・カウンセリング・センター講演会0510021502

 聖書信仰を基盤に、子育てに悩む母親たちの相談などを行ってきた「マザーズ・カウンセリング・センター」(MCC=山中正雄運営委員長)が9月19日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で「新生マザーズの特別講演会『見えますか、子どもの心』」を開いた。講師はクリスチャンで児童精神科医の田中哲氏。
 田中氏は、ここ数年、様々な形で子どもの心に関する問題が注目を集めているが、大人や社会が変わったことにより、子どもたちが大事な何かを失わざるを得ない状況にあると指摘。具体的な子どもへの働きかけが必要であると強調した。
 「子育ての上で大事なことは、子どもが主役であること。つまり、私たちが子どもに光を当てる、常に子どもを気にかけ、温かな眼差しを注ぐこと。自分を気にかけてくれる人が常にそばにいるということが、子どもの心の成長には何よりも大事」。その上で、「必然的に子どもの心には光の届かない影の部分が出てくるが、さらにその影の部分に『闇』が巣食ってしまうことがある。その闇が時として心の問題として現れ、周囲の大人を愕然とさせる」と語った。
 「この闇の部分にどのように光を当てるか」ということが最も大事なこと。それによって「存在理由」という根を生やした子どもたちの心が、続けて成長していくための条件として「子どもが、自分のありのままが受け入れられていると感じ、自分自身を受け入れられるようになること」とした。また、子どもの心に開いた闇の部分に向き合うために、大人が子どもたちにできることとしては、?生きているありのままの姿を子どもに見せ続けること?子どもとともに育ちつつ子どもを支え続けていくこと。何より大事なこととして何があっても自分を見捨てない親がいてくれるという認識を子どもがもてるかどうか、を挙げた。「大人のそうした姿勢が子どもに届くことが、一番安心を与え、子育ての上で、子どもたちを本当の意味で主役にすることができるのでは」と田中氏。
 講演会後、昼食を交えた質疑応答の時間には多くの参加者が残った。「精神的な病を持つ子どもに、どのように接していいかわからない」などの悲痛な思いを十数人の親たちが訴え、田中氏にアドバイスを求めた。
【藤野多恵】