[CSD]2005年11月27日号ヘッドライン

[CSD]2005年11月27日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★復活をマグダラのマリアの視点でミュージカル化——主演は日舞の家元・川口小枝さん

 = 2 面 ニュース=
★日本福音功労賞顕彰式——飯島 和氏、鈴木一郎氏、三浦光世氏ら受賞
◎靖国、歴史認識で意見交わす——日韓キリスト者議員連盟懇談会
★続々、名著復刊——いのちのことば社、来春にかけて59点を
★インドネシア:ポソでの女子高生襲撃——またもや2人が意識不明
★<落ち穂>事業と信仰の転機

 = 3 面 ニュース・ルポ=
◎日本初の牧師招聘状か——東京基督教大学が展示・講演会
★パキスタン地震:国内援助機関から現地へ邦人スタッフ派遣
★ルポ・クリスチャンブックストア物語[5]:大阪府堺市「ジョイフル」最終回
☆祈りのガイド:北海道

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★キリスト教主義の旗掲げて経営——遠藤 正一さん[下](日本ロングライフ[株]代表取締役社長)
★<善久の発想法>[7]青山通りはなぜ「青山」なのか 記・斎藤 善久

 = 5 面 牧会=
★<スピリチュアリティと心の援助>[3]「罪責感」への宗教的ケア——自分の人生の意味、目的を 講演・窪寺 俊之
★<オピニオン>教会が未信者の家族と向き合う時 記・神津 喜代子
★<恵みのどんでん返し>信仰の転機を経験して 記・荒川 雅夫

 = 6 面 世界=
★<宣教まっただ中>ルーマニア発[1]教会ではリバイバル進む 記・川井 勝太郎
★カッティング・エッジ・リポート[2]尊厳を備えた者として——キリストに似た対応すべき 記・中台 孝雄
☆祈りのガイド:宮城県・世界

 = 7 面 結婚特集=
★すがすがしい高齢結婚——自伝エッセイ『いかなる星の下に』
★クリスチャンのお見合い結婚 その心構え——お相手に信仰があってもなくても 記・田代ゆき生

 = 8 面 結婚特集=
★歴史的建物で挙式:F・ライト建築の真骨頂——西池袋・自由学園明日館
★歴史的建物で挙式:人を育てるヴォーリズ建築——西早稲田・スコットホール、ヴィラ・フェリーチェ

 = 9 面 教会学校=
★<「成長」攻略法>イエスの降誕に見る神の力 記・中台 孝雄
★<CS分級>みんなでふうせんバレーボール 記・石橋 えり子

 = 10 面 新地域特集:滋賀=
◎天下統一の発火点で宣教に燃える——超教派牧師会の和で教勢活性化

 = 11 面 新地域特集:滋賀=
★琵琶湖は日本のガリラヤ湖——滋賀から教会の一致を

 = 12 面 神学・社会=
★<講演>米国キリスト教原理主義に見る、日本の福音派の課題[8]聖書・創造・終末論で先鋭化 関野 祐二
★<書評>『キリスト教死生学論集』熊澤義宣著(教文館、2625円)評・関谷 直人

 = 13 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★EVENT:韓国語演劇「カウンターポイント 悲しみの盃」(11月30日—12月7日、三百人劇場)
★BOOK:『The Greatest Legacy 英語版・後世への最大遺物』内村鑑三著(柏艪舎、1890円)
★BOOK:『クリストファーの冒険 動物たちの天路歴程』アラン&リンダ・パリー作(いのちのことば社、1680円)

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>地域住民も参加「一房ぶどうの会展」——JECA・八王子キリスト福音教会
★<奉仕する恵み>時間は祈りつつ、つくり出すもの 高木 純一さん(ウェスレアン・淀橋教会教会学校教師)

 = 15 面 家庭・あかし=
★中越地震から1年:2年目の冬を迎えた小千谷で復興講演会——数千人の仮設住居者、あまりにも多い霊的・経済的課題 嶋木 律柄
★中越地震から1年:復旧作業進むが建築資材・業者足りない
★<お母さんのための絵本のたび>[11]自分を受け入れて生きる 記・澤谷 由美子

 = 16 面 ひと=
★齋藤 佳雄さん([株]タイムズイン21代表取締役)——「イエスの復活」ミュージカル化を実現

靖国、歴史認識で意見交わす−−日韓キリスト者議員連盟懇談会=0511270202

 国交正常化40年の節目の年でありながら、小泉首相の靖国参拝などで関係悪化が叫ばれる日韓関係。「日韓及び日本とアジアの交流、連帯がますます必要」だと、日韓キリスト者議員連盟、韓国キリスト教教会協議会(KNCC)、日本キリスト教協議会(NCCJ)、在日大韓基督教会(KCCJ)が共催で、「日韓キリスト者議員連盟との懇談会」を11月17日、東京・新宿区のアバコブライダルホールで開催した。テーマは「日本の軍事化とアジアの平和」。韓国から前・農林部長官の金泳鎮氏、日本から土肥隆一民主党衆議院議員、藤田幸久民主党国際局副局長ら、関係者約30人が集まった。  「小泉政権は開き直っている。日韓、日中関係がどうなっても、我が道を行っている。私は憂うつな中で国会活動をしている」と土肥氏。先の衆院選での自民党圧勝を受け、「数の違いがいかに悲さんなものか。圧倒的多数で憲法改正も想定される。今、国会の7割が戦後生まれだ。私は『私が死ぬまで憲法改正は許さない』と言っているが、戦争を知らない人がほとんどで、憲法論議に分け入り、勢いが止められない」と訴えた。そして「いよいよ追いつめられてもなお抵抗する、問題提起する中で、韓国のキリスト教界とどう関係を結ぶか。キーワードは『和解』。和解の福音は、日韓で深められなければならない」と述べた。
 金氏は、「国交正常化40年は意義深いが、私の心はお祝いできない複雑な思いだ。日韓の歴史問題がなかなか進まない。靖国参拝は日本帝国主義の復活と見ている。キリスト者として参拝を見るとき、それは神に対する傲慢であり、許されない。私たちは良心に従い、『否は否』と言うべきだ。日韓の高い壁をどう越え、深い溝をどう埋めていくかが問題だ」と投げかけた。また日本の「韓流」ブームをとらえ、「韓流のような交流を国レベルで広げていくべき」と語った。
 NCCJの鈴木伶子議長は、「日本の国会は、国民の気持ちを正確には理解していない。日韓関係を悪くしてまでも、首相が靖国に参拝に行くことには半数以上の人が反対だし、憲法9条の改正には60%以上が反対だ」とし、全国で自主的な取り組みとしての「9条の会」が増えていることを紹介した。「私たちは、かつて神様を裏切り、神社参拝をした。それを悔い改めたが、今のような社会をつくってきたことには責任を感じる」と述べた。
 在日大韓基督教会川崎教会の李仁夏牧師は、「今年は、日韓にとって3つの節目の年。1つは日本軍が大韓帝国に駐留し、保護国とした第二次日韓協約締結から100年。2つ目は戦後、そして光復節から60年。3つ目は国交回復から40年。そのような中、日韓関係に影を落とし始めたきっかけは、歴史教科書問題だ。日韓、日朝、日中の問題は基本的には歴史認識の問題だ」と述べた。李牧師は日朝関係にも触れ、2002年の日朝首脳会談で出された「日朝平壌宣言」を引き、「宣言はその通りに則せば非常に優れたものだ。日韓のキリスト者が、日朝平壌宣言を実現できる方向に進めていってほしい。そのために和解が大切。和解の働きが我々キリスト者に委ねられた責任だ」と語った。
 藤田氏は、民主党が政権をとった際、「首相は靖国参拝には行かない。アジア重視の政策は変わらない」との党是を紹介。またスマトラ沖地震やパキスタン北部地震の、特に政治や宗教的に困難な課題を抱える被災地を訪れた体験から、「災害の復興を通して、地域の和平が進みつつある」と語り、「災いを福と転じていく働きを進め、キリスト者としてがんばっていきたい」と話した。
 懇談会の最後に、小泉首相にあてた「靖国神社参拝への抗議と日本の軍事化を憂慮する共同声明」を、日韓キリスト者議員連盟、KNCC、NCCJ、KCCJと懇談会参加者一同の名で採択した。
 会の終了後、金氏はじめ参加者の一部は、会場と同じ建物内にある「慰安婦」問題の資料などを展示する「女たちの戦争と平和資料館」を訪れ、展示物の説明に熱心に耳を傾けていた。

日本初の牧師招聘状か−−東京基督教大学が展示・講演会=0511270301

 東京基督教大学(千葉県印西市)では、10月27日から11月3日まで同大学図書館で、企画展「印西の歴史と文化をたずねて」と題して明治期のキリスト教の史料展示と講演会を開催した。この企画展は図書館が準備をしてきたもので、地域との協力、地域貢献を目標とした初めての展示会。多くの市民が来場し、印西市にあった明治期のキリスト教についてしばし思いをはせた。
 展示会では、印西市の教育委員会に寄託された鈴木家基督教文書と大学近隣の旧家に保存されていたイコン、船橋西図書館所蔵の『利根川図誌』と、明治16年蒸気汽船いろは丸案内図、日本聖書協会所蔵の聖書成立と聖書和訳の歴史パネルなどを一般公開した。
 鈴木家文書は1996年に鈴木家の蔵調査の際に発見された史料群で、うち大森基督教会文書(170点)が全体の半分以上を占める。大森基督教会とは1877年(明治10)、現・印西市大森に創立され、日本基督一致教会に属し、明治初期の基督教を知る上で非常に貴重な史料群である。教会で長らく書記をしていた鈴木家に保存されていた。今回公開されたのはそのうちの23点で、まとまって公開されたのは初めてのことである。大森基督教会の小会、大会議事録、牧師頼状、小川義綏、タムソン、山本秀煌、田村直臣など著名なキリスト者からの書簡などがつづられた教会来信書類綴込、婚儀祝詞、日曜学校規則、印鑑など多彩である。特に戸田忠厚を牧師として招聘するための「牧師頼状」の日付1877年10月9日は、日本基督一致教会設立から6日後で、日本最初の牧師招聘状である可能性が高い。
 3日には東京基督神学校の山口陽一校長が「印西のキリスト教」と題して一般市民に講演をした。明治期の印西地域の正教会と大森基督教会について、史料と地域の郷土研究家の先行研究を基に解説した。1880年(明治13)戸田牧師が宮島長老に辞任を申し出る。これまで牧師を支えてきた同長老は、「コレヲ聞テ一時手ノ物ヲトラレシ如ク思ヒテ如何ニ答フベキヤヲ知ラズ暫ク黙然タリ」と自らの落胆を教会日記に記している。長老は信徒の大半が信仰を失うかもしれないと案じつつ、「自分と妻子は信仰を失うことなかるべしと覚悟してこれを受けとめた」との解説では聞く者の内に当時の信徒の顔や祈りが浮かぶ講演で、百数年前の記録、キリスト教の歴史、失われた風景を思い起こすだけにとどまらず、これらのアーカイブを公共の文化記憶として共有し、地域への新たな視点を考える良き機会となった。 
 (記・阿部伊作=同大学図書館司書、歴史資料課員)

天下統一の発火点で宣教に燃える−−超教派牧師会の和で教勢活性化=0511271001

 1980年10月10日から大阪の日生球場で「ビリー・グラハム国際大会」が開かれた。これに関係して、滋賀地区信徒大会が何回か各地でもたれた。この後、この協力でできた関係を継続しようと、滋賀超教派牧師会が行われるようになった。
 何回か会を重ねるうちに、牧師会はイベントや特別集会セミナー等を開催する実行委員会ではなく、牧師の祈りと交わり、研修の場とし、特別な集会や働きをするときは、それを志す人々がそのための委員会を作り、牧師会への呼びかけはするが、参加は自由とすることになった。基本的にはこのことが牧師会の継続に寄与し、今日まで続いてきた恵みとなったようにも思う。研修の意味では、牧師会としてセミナーを持ったことも何回かあった。3か月に1回の牧師会は今も続き、滋賀にある約60の教会の中で、25を超える様々な教派教団教会の牧師が15人前後はいつも集まっている。世話人の司会で、証し、説教、発題、情報交換が行われる。
 牧師会で呼びかけられ、実行されてきた活動は、まずびわ湖放送のテレビ放映がある。近畿福音放送伝道協力会からの呼びかけで始まり、アニメを放映した。その後、太平洋放送協会のライフライン、ハーベストタイムの放映協力が続いた。ライフライン、ハーベストタイムは今も続く。各地区でのライフライン・ラレーやハーベスト・ラレーはそれぞれ隔年に行われている。八幡、守山、八日市にある教会は毎年協力してびわ湖クリスマスを開催し、牧師会に関係する教会に呼びかけ、今年は15回を迎える。2000年にはプレヤーサミットが開かれ、今年は6回目が行われた。
 2000年には「Jes us 2000 in Shiga」のもと、 1、2月に祈り会、4月に高島郡での共同のトラクト配布、7月20日に米原文化産業交流会館での合同礼拝に始まるフェスティバル。9月は彦根で証し大会、10月は水口で映画会、12月には大津のびわ湖ホールでレーナ・マリア・コンサート、続いて安土でびわ湖クリスマスが行われた。
 その後、びわ湖ネックレス伝道とも呼ばれた、びわ湖を取り囲む各地で、それも今まで伝道されていなかった所での伝道集会、トラクト配布が行われた。びわ湖1周電車で巡る祈りの集会やマーチ・フォー・ジーザスもあった。
 教派を越えた教会協力の中でこれらのことが行われていることは、大きな恵みであり、聖霊の御働きの現れであると、感謝に堪えない。