[CSD]2007年2月18日《ヘッドライン》

[CSD]2007年2月18日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎「パワー・フォー・リビング」って?——「伝道の機会にして」と米財団が書籍を無料配布
★スリランカ北部で暴力行為が急増——ジャフナで治安部隊が牧師射殺

 = 2 面 ニュース=
★「卒業生の心知って」と本人再陳述——「ピースリボン」裁判結審
★東京の福音化のためビジョンを持って外へ——東京聖市化運動で金俊坤氏講演
★「パワー・フォー・リビング」を展開するアーサー・S・デモス財団——米富豪の遺産を基金に活動
★柳沢厚労相発言に抗議——NCC女性員会
★<教界ニュース>全国小牧者コンベンション
★<落ち穂>400人のとりなしの祈りリスト

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★伝道の一環で障害者グループホームを——片柳福音自由教会
★<私の子育て失敗談>どうしてお勉強するの? 記・斎藤 望

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★雪も心も溶かす仕事を——佐々木 秀一さん[上](佐々木電気工事[株]取締役会長)
★<ゴールデンルール>[10]黄金律と究極のエネルギー 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★ナショナリズム克服の神学を——韓国のアンダーウッド国際学術講座で提案
◎<オピニオン>「パワー・フォー・リビング」——正体隠した伝道CMの功と罪 記・根田 祥一

 = 6 面 関西だより=
★順風満帆の人生から一転——独立起業から御言葉に導かれ受洗
★地域密着型の小規模多機能ホーム「まなハウス」開設——クリスチャン夫婦の祈りと努力で実現
★いのちのすばらしさ再発見——3月に「いのちありがとうの会」連続セミナー
★「史上最強営業力」の秘密を公開——「営業のバイブル」講演会
★お得情報:中古ピアノを廉価で

 = 7 面 タラントねっと特集=
★教会の「ファイト一発!」に——タラントねっと1周年記念座談会

 = 8・9 面 開拓伝道特集=
★教会の存在を目的とした開拓伝道へ——自前の信徒像・牧師像・教会像を
★バプ連盟 開拓伝道支援新プログラム実施へ——地域の祈りから協働と教会協力
★教会を生み出す境界を開拓——ネットワークによる教会像殖 記・大橋秀夫
◎みことばを宣べ伝える開拓者たちを支えて半世紀——国内開拓伝道会の伝道者支援と交流

 = 10 面 情報=
★リポート:ジョイフルスキーツアー
★リポート:New Year フェスティバル
★<投稿>キャロリングで実感したこと

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『雪晴れ——佐々木秀一 心の宇宙』下田ひとみ著(幻冬舎ルネッサンス、1,200円税込)
★BOOK:『柳寛順 物語』柳大河著(新幹社、2,100円税込)
★CD:「君からの景色」原田博行 with SIESTA(いのちのことば社ライフ企画、2,625円税込)
★REVIEW:『教育を考えるあなたに』水口 洋著(いのちのことば社、1,470円税込)

 = 12 面 教会=
★元ホームレス生活者ら皆で教会堂にリフォーム——グローリー・マラナタ・チャーチ


◎「パワー・フォー・リビング」って?−−「伝道の機会にして」と米財団が書籍を無料配布=0702180

 今年の1月6日から1月末までテレビ局3社をはじめ、大手新聞社5社、雑誌3社が一斉に広告宣伝を放映・掲載した「パワー・フォー・リビング」。クリスチャンや教会からも「あれは本当にキリスト教の団体なのか」という問い合わせが殺到。一部報道で「謎の財団」「キリスト教右派とのつながりが深い財団とされる」など様々な憶測や情報が飛び交う中、放映・掲載期間の終了した2月1日、日本での「パワー・フォー・リビング」の窓口となった尾山謙仁氏(ファミリーネットワーク)らによる記者会見が、キリスト教系新聞各社を対象に行われた。【関連記事2面、5面】  尾山氏は「放映・掲載は1月一杯で終了したが、本の配布はこれからも継続する。CMの中で『イエス・キリスト』と言ってはいけない、『神』ということばは1回しか使ってはならないなど(テレビ局側からの)多くの制限があった。『秘密結社か?』など、様々なうわさが飛び交ったが、ほとんどのメディアにおいて、原則として宗教の布教活動は禁止されている。クリスチャンの皆さんに事前に祈りの課題として提供したかったが、誤解されると契約やプロジェクトの業務に支障をきたす可能性があったため、情報をあらかじめシェアすることはまったく出来なかった」と事情を明かした。
 「パワー・フォー・リビング」とは、米国フロリダ州に本部を置く慈善団体「アーサーS.デモス財団」が配布しているキリスト教の無料配布書籍で、原書は、キリスト教プロテスタント南部バプテスト派の牧師が書いたもの。これまでの20年間、17か国で同様のキャンペーンを行ってきた。アジアではタイに次いで2か国目となる日本での今回のキャンペーンで、初版・第2版合わせて100万部あまりが発行された。
 尾山氏は「今回の大規模なキャンペーンは、『世界の人々がキリストによる救いを知るために』と、1人のクリスチャンの資産家が莫大な資財を投じたという、ただそれだけのこと。トータルに考えて、私たちにとって素晴らしいプレゼントであることは間違いない。これを伝道のチャンスとしてとらえてほしい」と語った。
 今後のフォローアップに関しては、「特定の教会・宣教団体とのタイアップなどについては難しいのが現状。財団からの積極的な働きかけは出来ない」と言う。「このような現状だからこそ、日本の各教会にご理解いただき、力をお借りして教会・教団単位でも用いてほしい」と語った。
 現在、教会単位での複数冊の注文も受け付けている。 「1月だけですでに約20万件の注文があった。教会からの本の注文はその倍に達した。対応に追われている」という。
 「パワー・フォー・リビング」に関する問い合わせ・申し込みは、
 ホームページ=http://www.powerforliving.jp/、
 フリーダイヤル0120・829・800、
 教会専用注文先=新生宣教団TEL:049・296・5019、
 Eメール= pfl@nlljapan.com

◎<オピニオン>「パワー・フォー・リビング」−−正体隠した伝道CMの功と罪 記・根田 祥一=0702

 年明けから約1か月、テレビCM、雑誌広告、新聞折り込み、電車や駅のポスターなどメディアを使った大規模キャンペーン「パワー・フォー・リビング」が、ようやく種明かしされた。CMが途中で打ち切られることを恐れ、キリスト教メディアにも広告掲出期間中は報道管制をしいた。
 日本のメディアは宗教の布教に対する規制が厳しいから、という理由は分からないでもない。しかしその間、正体を明かさないことによって、この財団がキリスト教伝道を目的としながら秘密主義のベールに包まれていることが疑問視され、キリスト教右派によるCMジャックとか、本の無料配布で個人情報を集めて何をするつもりか、とうがった見方をする記事まで雑誌に書かれてしまった。ネット上では憶測を交えてもっと辛らつな中傷も飛び交った。
 規制対策の報道管制など、現在の情報社会では無意味なのだ。むしろ、キャンペーンの目的や財団の信仰的立場などを隠すことで、クリスチャンの間にまで「怪しい団体では?」「カルトかもしれない」などと警戒を招いてしまった。
 CMの総費用も非公開だが、業界では10億円とも20億円とも見積もられる。財団にはキャンペーンで得た個人情報を使って寄付金集めをしたり、特定の組織への加入を勧誘したりする下心はないらしい。この財団に限らず、米国には巨額の財産をただ伝道や救済援助活動のために使うクリスチャンがいる。その動機は、企業買収や私欲の蓄財に明け暮れるわが国の大金持ちに比べたらよほど健全だ。日本の教会がこれほどの巨費を投じることは容易ではないから、本来は感謝すべきだろう。
 だがそれでも、自分たちの立場や正体を明かさないというのはいただけない。そうしたやり方はカルトの常套手段であり、社会に好感を与えるよりは警戒感を抱かせてしまう。CMに協力した著名人たちはいずれもまじめな信仰者であるだけに、今回のことで「怪しげな米国キリスト教右派の広告塔」とレッテルを張られれば、せっかくの信仰の証も色眼鏡で見られかねない。
 それだけではない。まだ数十万冊の在庫があるという「パワー・フォー・リビング」や関連の伝道文書を教会やクリスチャンが活用しようとする際に、すでに国民全体に植え付けられてしまった「怪しい」という先入観を払拭するのは並大抵のことではない。それらの伝道文書を使うには、怪しい内容ではない、といちいち説明を要する。
 問題の根本は、この財団が日本の教会やクリスチャンにきちんと自己開示し、連携をとるつもりが初めからないことだ。キャンペーンのやり方はマニュアル化され、世界中どこでも自分流を押し通す、旧タイプのアメリカの伝道センスなのだ。もう少し異文化への適応に感心をはらい、日本の教会の声に耳を貸して連携協力する謙虚さを持ち合わせていれば、これほどの巨大キャンペーンをもっと効果的に展開できたのでは、と惜しまれる。

◎みことばを宣べ伝える開拓者たちを支えて半世紀−−国内開拓伝道会の伝道者支援と交流=07021809

 開拓伝道者にはパイオニア特有の使命とプレッシャーがある。独立伝道者の開拓、団体派遣の開拓伝道など立場は違っても、教会を建て上げる目的をもって開拓伝道に召されている伝道者を支援する超教派団体の国内開拓伝道会(KDK、泉田昭会長)。およそ半世紀に及ぶその支援活動とともに開拓伝道セミナーなどでの交流についても声を聞いた。  近年は、開拓伝道する地域のリサーチや教会協力などの宣教プログラムは、教団や団体の研究と実績から体制が整いつつある。KDKは「伝道プログラムにではなく、教会を建て上げる開拓伝道者を支援している」と委員の嵐時雄氏は言う。実際的には4年間の経済的支援が送られる。1958年に創立されてからアメリカのサポート団体ホワイト・フィールズ(ステファン・ロネッティー代表)とともに200人以上の伝道者たちを支援してきた。03年に支援が終了した安井光氏(ホーリネス・大網キリスト教会牧師)は、「開拓当初の4年間の経済的支援は、とても大きかったと実感している。開拓当初の3~5年は伝道と教会の基礎作りの時期として大切と思う」と言う。
 現在、KDKの支援を受けている大橋富男氏(保守バプ・大田原キリスト教会牧師)は、KDKの活動をとおして経済的な支援にとどまらず「何といっても、祈りの大きさです」と言う。「この開拓伝道が、私個人の働きではなく、背後に日本全体、世界につながる祈りがあって、私は神様に遣わされていることを強く感じさせられている。23年前の開拓伝道のときは、すべて独立伝道だった。今度の開拓伝道は背後の祈りが大きく、まったく違う。日本の福音化のため、教会が多く生み出されていくことが大切と、KDKを支えておられる先生方が、ご自分の教会のことだけにとらわれていないで、開拓伝道者を支えようとされているところにキリストの心をもっておられるのではと思う」。また、パット夫人を宣教師として派遣した教会を、大橋夫妻が20年ぶりに訪ねた時に「ボロボロになった祈りのカードを見せてくださって、『毎日祈っている、新しい祈りのカードを書いてほしい』と言ってくださった。KDKを支えておられるアメリカの方々も、同じようにKDKが支援している伝道者の先生方のために祈ってくださっている姿が目に浮かびます」と言う。 本音の証を分かち合う伝道セミナー
 KDKでは、開拓伝道者同志が共通の話題を話し合えるようにと隔年で「開拓伝道セミナー」を開催している。「このセミナーで知り合いになり、家族同士の交わりが長年続いている牧師伝道者もおられる」と嵐氏。
 安井氏はこれまでセミナーに参加して「独立で開拓伝道しておられる先生方の証や労苦をお聞きし、自分も頑張らなければと思わされた。開拓伝道者同志が、本音で分かち合えるのが、とても大きな励ましとなった」と言う。4月に開かれる開拓伝道セミナーが初参加になる大橋氏も「同じように国内で開拓伝道している先生方との交わりをとおして、伝道の様子がよく分かるのではないか」と期待している。
 若い世代の伝道者が起こされる期待とともに、高齢者牧師の開拓伝道への志願も増加しているという。変わらない救霊へのスピリットと新しい時代の影響。みことばを宣べ伝える使命はいまも生き続ける。
 
 〈国内開拓伝道会事務局〉〒352-0002新座市東3ノ12ノ4ノ101 新座志木バプテスト教会内 TEL:&FAX048・476・2600