[CSD]2007年6月10日《ヘッドライン》

[CSD]2007年6月10日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎賛美で日本にリバイバルを——ミクタムレコード&ミニストリーが30周年
★現役大学生に聞く若者伝道——JEA青年宣教セミナー

 = 2 面 ニュース=
◎青年の居場所は「人」——JEA・青少年宣教セミナー「若者の実像に迫る」がテーマ
★カトリック:「教会は変わらねばならない」——P・リカルド氏ラテンアメリカ・カリブ司教会議に呼応し講演
★スコットランド教会:160年間の自由教会との分裂を修復へ
★罪をあいまいにする体質——松岡氏自殺に見る罪の処理
★<教界ニュース>日本バプテスト同盟——国民投票法法案可決に反対声明
★<落ち穂>北朝鮮レポートに見る金日成

 = 3 面 =
★改定教育基本法めぐり「国家とキリスト教信仰の関係」——福音主義神学会西部部会研究会議 記・金森弘之
★故M・キング牧師の長女急逝——演劇・映画で平和訴える
★<オピニオン>日本人信徒に託された和解の務め 記・守部喜雅
★<あなたの一票を>[6]マイノリティーに目を向け 記・今村 るか(都議会選挙に立候補)

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★舞台、映画に「神の作品」を——齋藤 佳雄さん[上]([株]タイムズイン21代表取締役社長)
★<ゴールデンルール>[15]マーケティングの落とし穴 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『いつも満たされて』ローランド&ハイディー・ベーカー著(いける水の川、1,785円税込)
★BOOK:『干上がらない神の愛』日本ホーリネス教団教育局編(同教団、1,050円税込)
★BOOK:『新版 パウロ伝』ジェームズ・M・ストーカー著(いのちのことば社、1,365円税込)
★REVIEW:『啓示と三位一体 組織神学の根本問題』近藤勝彦著(教文館、5,775円税込)

 = 6・7 面 キリスト教主義学校特集 =
★「聖書によって自分を治めなさい」——女子学院
★創造主への畏敬の念を教える——大阪女子学院
★勉強、生活、祈り…すべてが学びの時——自由学園
★クリスチャン教師減少に危機感——キリスト教学校教育同盟が学生に呼びかけ

 = 8 面 全面広告 =
☆ラブ・ソナタ 7月24日(火)P.M.7:00 会場:さいたまスーパーアリーナ
リバイバルコンサート P.M.5:30から
問い合わせ先:ラブ・ソナタ東京本部 Tel.03-3205-3855

 = 9 面 全面広告 =
☆日本ホーリネス教団夏季聖会 7月16日(月)—18日(水)
主題「主のいつくしみに応えるホーリネス」 会場・箱根ホテル小桶園

 = 10 面 教会学校 =
★<いまどき子ども事情>神に応答する能力が奪われる——「ニューエイジ」の危険性 
★<CS分級アイデア>夏のキャンプをエンジョイしよう——みどり野教会・JFキッズ

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎パンとキリストの香りいっぱい——パン屋「ドリーム・フーズ」
★<私の子育て失敗談>[27]愛の人として育てる 記・斎藤 望

 = 12 面 教会 =
★実を結ぶために「心の筋力トレーニング」——埼京キリスト教会埼京のぞみチャペル



◎賛美で日本にリバイバルを−−ミクタムレコード&ミニストリーが30周年=0706100101

 1978年の設立以来、日本のプレイズ&ワーシップをはじめとする賛美の数々をリードしてきた「ミクタム レコード&ミニストリー」が30周年を迎え、5月18日、東京・渋谷区の東京山手教会で記念集会「ワーシップセレブレーション His Grace」を開催した。また、ミクタムレコードからCDをリリースしている「ユーオーディア・アンサンブル」も結成20周年を迎え、メンバーは当日演奏を披露した。  ステージに立ったワーシップリーダーの小坂忠さん、「30年前の写真を見てみたんですが、あまり変わっていませんでした」と語り、会場の笑いを誘う。「ここまでの歩みは人間の力ではない。『私は奇蹟を信じる』これがミクタム30年の信仰です」と話し、同名のワーシップ曲で集会の幕が開いた。
 集会前の会見で、ミクタムレコード代表取締役の高叡華さんは、「みなさんのお祈りのおかげで30年。計画を立てていくということではなく、やっていく中で『あっ、こういうことだったのか』と思わされています」と30年を振り返った。小坂さんは「10周年のときに、ジェリコ・ジャパン(野外賛美集会)を開催。今回のセレブレーションをもって、また神様が何かを起こしてくださるのではないかという期待がある。日本のリバイバルの道備えをするという気持ちでここまで来た。『リバイバルを見たい』それがここまで変わらないものだ」と語った。
 ミクタムでは、「プレイズ&ワーシップを若い人のものだけにしたくはない。教会の礼拝こそ世代を超えてできる大切なこと」という思いから、賛美と礼拝を体験的に学ぶ「ワーシップセミナー」を各地で開催してきた。当日の会場はそれを表すかのように、下は0歳の赤ちゃんから上は80代のお年寄りまで、老若男女の姿が見られた。
 一方、ユーオーディア代表の柳瀬洋さんは、「(クラシックという点で)音楽のジャンルは違うが、賛美という意味では同じ。結成メンバー6人は今も変わらず、さらに演奏家、聖歌隊など現在は300人も仲間が与えられている。ユーオーディアはミクタムの実ではないでしょうか」と振り返った。
 今回、プレイズ&ワーシップ「ヒズ グレイス」、「ユーオーディア ベストセレクション」を記念アルバムとしてそれぞれリリースした。
 集会では、単立・大和カルバリーチャペルの大川従道牧師が登壇し、「ミクタムの賛美によって励まされてきた。教会側を代表して心から感謝します」と謝意を述べた。
 当日、ソングアシストとしてステージに立ったJEC・堺福音教会東京チャペルの北秀樹牧師は、「ミクタムのみなさんは私に賛美を教えてくれた人たち。若いときはあこがれでした。今もあこがれですね」と語った。
 セレブレーションは、全国各地で開催予定。6月10日(日)愛媛/松山福音センター、11日(月)大阪/大阪クリスチャンセンター、26日(火)愛知/名古屋神召キリスト教会、29日(金)宮城/仙台青葉荘教会、7月8日(日)沖縄/コザバプテスト教会。詳細はTel:03・3358・0891、ホームページ=http://www.michtam.com/まで。
〈ミクタム30年のあゆみ〉1978年、ミクタムレコード設立、「出会いのコンサート」開始(~93)。80年、聖書のことばに曲をつけた「いのちのパン」シリーズリリース(~84)。ミュージックセミナー開始(~01)。87年、ジェリコ・ジャパン開催(~95)。88年、プレイズ&ワーシップシリーズ第1弾「アイワーシップユー」リリース(~現在)。93年、マーチ・フォー・ジーザス開催(~00)。07年、ミクタム30周年ワーシップキット発売。

◎青年の居場所は「人」−−JEA・青少年宣教セミナー「若者の実像に迫る」がテーマ=070610020

 第3回青年宣教セミナー(JEA青年委員会主催)には、2日間で牧師や現役の学生ら48人が集まった。講師は岩井基雄氏(清瀬福音自由教会牧師、玉川聖学院中等部聖書科非常勤講師)と高木実氏(KGK関西地区主事)。テーマは「若者の実像に迫る~伝わる言葉を持つために」。
 初日のセッション1で「青少年の実情について」をテーマに発題した岩井氏は、朝日新聞の記事を引用して、時代によって変わってきた若者の特徴を「独身貴族(80年代)、贅沢な若者たち、不安定な若者たち(90年代前半)、パラサイト・シングル、社会的引きこもり、フリーター(90年代後半)、荒れる成人式、ケイタイもった猿、ニート、派遣、ワーキングプアなど(00年時代)、ロスト・ジェネレーション(現在)に分類されている」と紹介した。
 「『ロストジェネレーション』ということばは、ネガティブな視点に陥りやすい傾向から生まれる、現代の若者の姿を表している。この世代は失われた世代であると同時に、何かを失っている。トータルな視点から彼らを判断する必要がある」と言う岩井氏は、青年たちの「一番気になる問題点」として「青年たちの意欲の低下」をあげた。「青少年自身の意欲に、将来に備えるよりも現在の生活を楽しみたいという傾向や負担感、不安感、自信のなさから、大人になりたくないなどの傾向が見られることを示す調査結果もある」と語った。
 「経済的に栄えた時代の中にあった世代の大人たちが『昔はよかった』と昔を懐古し、『それに比べてお前たちは何だ』と言われ続けている青年たちの現状。30、40代の人たちが一生懸命奉仕をするが、10代の人たちは遊びに行ってしまうという教会が多いのでは。そこには、教会はもう自分たちのものではないという無気力さがある。個人化が進み、自分のこととして考えない。青年たちの居場所は『人』。青年たちは本当に渇いている」
 また、岩井氏は昨年9月15日に立教大学で行われた「若者の人間力を高めるための国民会議」シンポジウムで発表された「若者の人間力を高めるための国民宣言」に言及し、「宣言を読んで、本当に青年たちは意欲をもつようになるだろうか。心に届くのだろうか。結局、お仕着せになってしまうのではないか。私たちは教会でもこのようにしてしまうことがある。どのようなことばが青年たちに届くのか。青年たちに必要なのはモデル。彼らは懸命にモデルをさがしている。彼らが私たちを通して主を見上げるということは、私たちが立派になるということではない。私たちはどのようなモデルを提供しているだろうか」とチャレンジした。
 「主の教会だからこそできること」として「教会は人生の答えをもち、歩むべき道の指針がある。世界とつながっていく視点をもっている。スケールの大きな神の価値観を伝えていきたい。私たちが『寄り添う者』となり、コーチング、カウンセリングの視点から青年たちのメンターとなり、質問力を身につけていくことが求められている。教え諭すというよりは、青年たちの現実の問題をチャンスとしてとらえ、青年たちと『共に歩く者』となりたいと願う」と結んだ。

◎パンとキリストの香りいっぱい−−パン屋「ドリーム・フーズ」=0706101101

 やわらかな太陽の光が降り注ぐランチタイム。親子連れが訪れ、店の前に設置されたデッキで幼子たちが焼きたてのパンをほおばる。千葉県船橋市にあるパン屋「ドリーム・フーズ(株)」は、焼きたてのパンの香りとスタッフの笑顔があふれる店として、地域の人々に愛されている。  創業は1980年。東京・江東区で、パンを他社から仕入れ、商店のあまりない地域で移動販売を始めた。コンビニエンスストアもほとんどない時代、決まった時間に決まった音楽をかけながら巡回。団地や会社などでは待っていましたといわんばかりに30人から40人が集まってきた。
 創業者の岡田学さんは大学卒業後、大阪にある建築関係の会社のIT部門に勤務した。自分の信念をかたくもち、曲がったことが大嫌いだった学さんは上司とぶつかることもしばしば。2年後に東京の同系の会社に転職した。
 パン販売業にかかわるきっかけは、親戚が営んでいた会社に、コンピューター導入のためかかわったことがはじまり。その会社はパン屋を営もうとしている人のために研修・店舗確保などを行っていた。その会社に転職し、経営が傾きかけたあるパン屋再建のために尽力した。その時目をつけたのが、その頃出始めていた車での移動販売だった。このアイデアが功を奏し、店の立て直しに成功した。
 もともと独立心が強く、「人の先頭に立ってぐいぐいひっぱるようなタイプだった」学さんは、やがて起業を決意。はじめは仕入れたパンを販売していたが、「パンの大きさが均一でない。お客様に出すものは自分が納得したものを」と、起業から2年で製造にも着手、製造と販売を行う株式会社となった。82年に船橋市馬込沢に初めの店舗を構え、99年に現在の船橋市二子町に引っ越した。
 妻の宜子さん(JBBF・東京聖書バプテスト教会員)は専業主婦として、そんな夫に従ってきた。東京に引っ越した頃2人の子どもが与えられ、砂場で遊ばせていた。しかし、宜子さんの心にあったのは育児への不安。自分の子どもにどう接すればいいのか分からなかった。「絶対的な基準がなく、毎日が不安だった」。そんな時に歌声が聴こえてきた。マンションの一室で開かれていた家庭集会での賛美だった。不安な心をいやすような歌声。やがて同じマンションに住む知り合いに誘われ、その家庭集会を訪れた。初めて行ったキリスト教の集会にもかかわらず、宜子さんはすぐに「今までの人生の悩みの解答はここにあったと確信した」。幼い頃から感じていた偽善的な自分の姿、ぬぐえない罪意識。自分で消せない罪がイエス・キリストの十字架によってあがなわれることを素直に信じることができた。聖書という絶対的な基準を手に入れ、心から不安や恐れが消えていった。
 会社から帰ってきた夫にすぐ「喜びのニュース」を伝えたが、今までの人生すべてを自分の力で切り開いてきたと信じる夫の心にはなかなか響かなかった。しかし宜子さんは教会に通いはじめ、夫の反対にもかかわらずバプテスマを受けた。初めて夫に従わなかった。「しかし、絶対神様が守ってくださる。夫婦の絆もこんなことでは切れはしない」という確信があった。3人目に生まれた明子さんも教会へ導かれ、バプテスマを受けた。
 学さんが信仰をもつのはそれから何年もの時がたち、余命を宣告されるまでにガンが進行してから。宜子さんが信仰をもち、教会に通うようになってから学さんは「心から笑えないようになった」と話していたという。宜子さんは当時の夫を思い出しながら「夫は自分の罪と向き合うことを恐れていたのかもしれません」と語る。しかし、自らの肉体的な弱さと向き合う日々の中で、自分を縛るのではなく解放するイエス・キリストの十字架のあがないを信じるようになっていったという。病床で妻に「天国での再会」を約束し、天へと旅立つ最期の日、03年3月31日、かけつけた牧師に信仰告白をした。
 明子さんはこの姿を「理想の夫婦の姿だ」と思った。一番大事なものを分かち合った両親の姿。平安な顔で逝った父。父親を亡くした悲しみは消えないが、天国での再会の喜びの方が大きいという。
 宜子さんは子育ても一段落した83年頃から、子どもたちは学さんの発病を期に店にかかわることに。学さんが亡くなってから社長兼店長だった宜子さんが、今年5月に子どもたちに役割を譲り、現在、長男・敦さんは製造担当、次男・聡さんは経営・事務・移動販売担当、長女・明子さんが移動販売も含む販売担当として父の立てあげた店を守り続けている。
 店にはみことば入りの写真たてなどがさり気なく飾られている。宜子さんと明子さんは「イエス様の救いの喜びを、お客様やスタッフに少しでも伝えられたら」と願いながら、毎日笑顔で店に立っている。 【ドリーム・フーズ】
船橋市二子町600ノ3(JR下総中山駅徒歩10分)。TEL:047・336・1205