[CSD]2007年12月2日号《ヘッドライン》

[CSD]2007年12月2日号《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎エホバの証人被害者集会——輸血問題で研究生放置
★バングラディシュのサイクロン被害に各団体が緊急支援
★フォトニュース:クリスマス 間近

 = 2 面 ニュース =
★「神の国の働き人」の交流の場——CPI開催、今後は各地でのセミナーに移行
★ラップでも神様を賛美——日韓青少年のためのワーシップ・フェスティバル2007
★11月20日から「指紋押捺制度」復活——外国人差別・偏見の助長を危惧
★アッセンブリー教団総会:ろう伝道師制度整備
★<落ち穂>ベルギーでは賛美歌の「荒城の月」

 = 3 面 教界ニュース =
★<戦争を知らないあなたへ>[14]みんなその晩に焼け死んだ——鈴木 伶子さん
★レポート:シンガポールでのウイロークリーク・リーダーズカンファレンス——来年は日本でも開催 記・小野寺 従道
★<オピニオン>めぐみさん拉致から30年、母の真意 記・根田 祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★マイナス要素も原動力に——菰渕 泰さん[下](大阪地方裁判所執行官)
★<更正の手がかり>[10]倒産と再生の分かれ道 記・梅津 善一(公認会計士)

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★信仰者の人間関係——コミュニケーション・ギャップが起きるとき[1]
★<精神障害と教会>[16]身体に語りかけ心を労わる 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 特集/韓国レポート=
◎広がる在韓邦人伝道の輪——ソウルハーベスト
★VIP関西がソウルで在韓邦人集会——VIPイルボンサラム創立
★もっと近くて親しい関係になりたい——在韓日本人伝道に取り組む 権宅明氏
★日韓の歴史現場を訪ねる研修プログラムを提供する吉田耕三宣教師

 = 8 面 全面広告=
☆開発途上国で働く海外駐在スタッフを応援してください——日本国際飢餓対策機構
ホームページ http://www.jifh.org/
 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『なぜ、他人のゴミを拾ってしまうのか?』丸屋真也著(リヨン社、1,365円税込)
★CD:「こころから」吉村美穂Withクリーバー(クローバー、2,100円税込)
★CD:「クリスマス・メディテーション」RBCミニストリーズ(Fax.0743-75-8299、600円送料別)
★REVIEW:『主の園は賛美に満ちて 筑波キングス・ガーデン創設物語』三谷六郎・恵子共著(いのちのことば社、1,365円税込) 評・池田勇人

 = 10 面 関西だより =
◎教会を引きこもりの人々の居場所に——青少年生活就労自立サポートセンター名古屋が呼びかけ
★奈良に「VIPクラブ学園前」誕生——テイクオフ記念コンサートに工藤篤子さん
★教会青少年宣教支援プログラムを推進——近放伝と韓国イエス・ビジョンが協力

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★家族関係「絆」が鍵——夫婦・親子の絆テーマに丸屋真也氏講演
★「キリストの香り」世界に——ユーオーディアの欧州・タイ音楽宣教ツアーを終えて 記・柳瀬 洋

 = 12 面 ひと=
★神様が造った自然を生かし作品作り——森 文香さん(染織家)

◎エホバの証人被害者集会−−現役「証人」体験語る=0712020101

 11月10日、東京・江東区の亀戸カメリアプラザで、「エホバの証人=ものみの塔第13回被害者全国集会」(エホバの証人被害者全国集会実行委員会主催)が開かれた。会場には元証人やその家族ら約90人が集まり、講演や体験談に聞き入った。

 最近の動向について草刈定雄宣教師(単立・西舞子バプテスト教会)は、終末の時を特定するものみの塔の教えについて、「1966年の段階で『1935年に天への召しは終わった』としていたが、今年5月1日発行の『ものみの塔』誌には『天への希望を抱くクリスチャン14万4千人を召す終わりの明確な時は述べられない』と教理に大幅な変更があった」ことを指摘。「この変更に矛盾や疑問をもち、信徒が離脱する機会となるよう期待する」と述べた。 続いて、『エホバの証人の悲劇』(わらび書房)の著者、林俊宏氏は出版から10年を振り返り、「自身もエホバの証人の家族を抱える苦しみ、痛みがあり、その立場で描いた真実の思いに人々が共感し心を打った」と分析。さらに「核心が見えにくいこの問題に、教会が関心をもって取り組み、セーフティネットの構築を」と、キリスト教会の協力を呼びかけた。
 輸血拒否死亡者追悼式が行われ、現役「証人」夫妻が体験を語った。「熱心に信仰活動をしていた3年前、夫は伝道者で私は進歩的な研究生でした。妊娠をし、胎児に異常があることがわかり、治療法として速やかな輸血が勧められました」。ものみの塔では、「血を摂ることは聖書に反する」として「輸血を拒否すべし」と教えている。そのために、医療連絡委員会という、無輸血治療・手術の誓約など、法的面からエホバの証人を補完する組織がある。
 「すぐに長老に相談して医療連絡委員の助けを求めましたが、『研究生(注)だから』との理由で断られました。伝道者の夫の子どもでもあるとの再三の訴えにも、一度は『協力する』と言ったのに、『やはりできない』と突き放されました」。結局、無輸血手術対応の病院を探している間に時間が過ぎ、胎児は亡くなった。この件を通し、「神慮によらず、人間のやり方で簡単に左右される組織が、真の神の組織か」と夫妻は疑問をもち、さらに、「この一件を日本支部に訴えると長老からは『僭越な行為、サタン的な分裂精神の背教者』との烙印を押された」という。それ以来、活動をしていない。「かすかな慰めは組織の間違いに気づいたこと。悲惨な状況から一人でも多く救われるために私たちの経験がきっかけになれば」と語った。この事件をとおし会衆内から離脱者が現れ、組織の矛盾、欺瞞も明らかになりつつある。
 また、昨年まで研究生だった佐藤邦夫さんの体験談では、「仏教でも直らない自分の弱さに、『エホバなら変われるのでは』と急速にのめり込んでいった」。妻みち代さんは「夫がエホバに奪われた悔しさ、変わりように、なす術がなく泣き暮らす日々だった」と悲痛な気持ちを語った。離脱のきっかけは、夫婦で受けた中澤啓介牧師(バプ教会連合・大野キリスト教会)のカウンセリング。「絶対にエホバの信仰は揺るがないと思っていたが、中澤先生によってふさがっていたものがとれた」と邦夫さん。今は夫婦で教会に通っている。みち代さんは「自分の愛情がサタンだと言われた傷は深い。家族のケアの場を」と訴えた。
 注=「研究生」は洗礼前の立場。一般の教会の求道者に相当するが、研究が進むと熱心に伝道に励む。洗礼を受け「伝道者」になる。

◎広がる在韓邦人伝道の輪−−ソウルハーベスト=0712020601

 ソウルハーベストは、ソマン教会やサラン教会、オンヌリ教会、純福音教会など、計23の教会の長老や執事が中心となって昨年11月に結成された。在韓外国人宣教の呼びかけが高まるなか、最も身近な隣国である在韓日本人宣教のチャレンジに応えて立ち上がった信徒による超教派宣教団体だ。結成後1年間は定期的な祈祷会を積み重ね、具体的な活動の方向性を祈り求めてきた。
 10月22日の「第1回宣教日本ビジョンナイト」は、日本宣教の働きをすすめる各団体や、日本語礼拝部を有する教会などとの交流と対外的影響力の拡大を目的として、ソウルハーベストとソマン教会成人教育部との共催で開催された。
 ソウルハーベスト会長でソマン教会責任長老の張直鉉氏は、「グローバル化の波を受け、韓国に居住する外国人は増えています。彼らに福音を伝えることが、私たちのできる足元の世界宣教。今回の集会を通して、韓国に住む日本人への伝道という責任を一人ひとりが担えたら」とあいさつ。
 集会には特別講師として日本からMKグループ副会長で近畿信用組合理事長の青木秀雄(韓国名・兪台植)氏が招かれ、「成功神話」というタイトルで講演した。
 青木氏は、「韓国で育った幼いころ、教会に通うのが大好きだった。家族の反対や、その後のさまざまな迫害にあいながらも、神様を愛する心は今まで一度も揺らぐことがなかった。神はそんな私を祝福で満たしてくださった。来日し、兄弟でMKタクシーを起こし、弱く貧しい人々の立場に立ち、反対や偏見にも屈せず、隣人を愛する信念で一貫して来ることができたのは、信仰と祈りなくしては考えられない。私のような小さき者が、韓国に対する日本人の意識を変化させることに寄与できたとすれば、その栄光は神にお返しすべきもの。私は信仰者であり、また愛国者です。韓国と日本のクリスチャンがほんとうに愛し合い、キリストにあって真の兄弟として仲良く生きられるように、私たちが命がけで献身して、新しい時代を開いていきましょう」と訴えた。ウィットに富み、笑いあり、涙ありの証に、聴衆は感動の拍手を惜しまなかった。
 講演に先立ち、今回アウトリーチで訪韓中の関西聖書学院の大田祐作学院長のあいさつと同神学生6人による賛美、また群馬県伊勢崎市にあるニューワインスキンキリスト教会の青年部4人によるワーシップダンスも披露された。
 講演終了後、日本からの参加者全員が壇上に招かれ、歓迎の拍手が送られた。日本からの参加者を代表してVIP関西の持田明広会長が「今回、韓国の方々の日本人への熱い背後の祈りというものを知ることができて、ほんとうに感動しています。日本は遠く神様から離れています。日本にも、韓国のようなリバイバルが与えられるように期待します」とあいさつ。
 今回の集会に参加したダニエル朴宣教師を支える会事務局長の横田健治氏は、「韓国から日本に新しい波が押し寄せることを予感します。日本の民を愛して、大勢の韓国の兄弟姉妹がこの重荷を担っていてくださることに感謝の思いでいっぱいです」と集会に参加しての感想を話していた。
 韓国で新たに始まりつつある日本人伝道の波…。過去の悲しい歴史を乗りこえ、日本の福音宣教のために新しいページが開かれることの期待が高まる。これからの具体的な働きのために、知恵と祈りが求められる。今後の在韓日本人伝道の働きに注目していきたい。

◎教会を引きこもりの人々の居場所に−−青少年生活就労自立サポートセンター名古屋が呼びかけ=07120

 ひきこもりや不登校、発達障害やニート、家庭内暴力などで苦しんでいる当事者や家族のための支援団体「NPO法人青少年生活就労自立サポートセンター名古屋」主催の特別講演会「ひきこもりからの回復をめざして~支援現場からの具体的な提案、私たちができること」が、11月10日、大阪クリスチャンセンター・OCCホールで開かれた。講師は同センター代表の青木美久さん(名古屋一麦教会員)。
 支援団体の多くが統一したプログラムで支援を行っている中で、同センターは「一人ひとりに信頼できる第三者となり、寄り添い続けることを大切にしてサポートする」個別支援を行って成果を上げている。
 講演では具体的な事例から回復への道筋を丁寧に説明し、どんなに長期間ひきこもっている人でも、よき理解者、コーチを得て「自分のために生きることから他者のために生きる価値観の転換」を図れば、どのような状態からでも幸せになれる希望があると結んだ。
 現在ひきこもりは100万人といわれているが、それは保健所や児童相談所への相談件数から調査した数字で、実質は130万人くらいいるのではと青木さんは言う。同センターは教会からのボランティアも活動しているが、手いっぱいの状況だ。青木さんは、不登校や不登校傾向の子どもをひきこもらせる前に、教会が彼らを受け入れてほしいと訴えた。
 「教会に今すぐできることがあります。それは、教会が彼らの居場所として門戸を開いてくださること。ひきこもりの人たちは同世代とのコミュニケーションが一番苦手。優しい女性や高齢者が彼らの良き話相手として最適なのです。教会の高齢化が問題になっていますが、彼らにとってはそういう静かな穏やかな教会の方がむしろ安らげる。異年齢で多様な背景の人が集まっていて、その中で毎週希望が語られるのは、日本では教会しかない。彼らは何のために生きているのか、その答えを切実に求めています。家から出ることすらできずに、福音放送を心のよりどころとしている人も多い。どうか、キリスト教会が協力して、彼らに手を差しのべてください」
 「組織づくりは後でいい、まず始めることが大切」と青木さん。教会が居場所提供を知らせる方法は、スーパーの掲示板などでもいい。保健所など公的相談機関は、そういう場所の提供を待っているほどだという。補助金を出す自治体もある。
 今回の参加者の多くが、問題を抱えて切羽詰まった状況にある人たち。アンケート用紙には、今すぐ助けを求める声が多数あった。
 青少年生活就労自立サポートセンター名古屋 〒485-0012愛知県小牧市新田642ノ1、Tel0568・75・4732、Fax0568・75・4731、Tel090・7308・8145(青木)、ホ ームページhttp://www.youthsupport.jp