[CSD]2008年11月16日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年11月16日号《ヘッドライン》 
= 1面 ニュース=
◎在日大韓基督教会が宣教100周年——日韓寮民族の和解の道具として
★タンバリンと踊りで主を賛美する祭典——セレブレイト・ジーザス2008(関連11面)
 = 2 面 ニュース =
★岡村又男氏、平山正実氏、H・スコーグランド氏らに日本福音功労賞
★WVJチャイルド・スポンサー募集キャンペーン——クリスマスまでに6千人目標に
★<教会の実情を知る:ルポ>[32]「あなたはサボっている」——教団、牧師の対応につまずき…
★<落ち穂>拉致被害の闇の中にも灯る祈りの火
 = 3 面 教界ニュース =
◎美濃ミッション創立90周年——愛国運動「こころの日」推進に警鐘
★「記念の年を証の年に」——首都圏キリスト教大会1年前大会開催
★<オピニオン>キリスト教文書は必要なのか 記・中野 晶正
 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「この子がいたから、できた」——榎本恵子さん[中](手作りパンの店「ノアノア」代表)
★<つながりのデザイン>[10]環境問題解決は「市民知」で 記・小川 巧記
 = 5 面 牧会/神学/社会=
★美濃ミッション事件と現代の危機[1]——「美濃ミッションの歴史検証」石黒次夫氏講演から
★<精神障害と教会>[39]回復(1)——見えない「不安」が回復阻む  記・向谷地 生良
 = 6・7 面 クリスマススペシャル= ☆応募するだけで…「クリスチャン新聞」「百万人の福音」読者32名様にプレゼントが当たる
 = 8 面 特集/クリスマス情報= ☆2008 クリスマス集会ガイド—近畿・中国・四国—
 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★EVENT:芝居「もがれた翼パート15 LINK~あなたが、立ち上がるまで~」東京弁護士会主催 11月29日(土、ギャラクシティ西新井文化ホール、入場無料)
★DVD:「十戒」(ライフ・エンターテイメント、7,980円税込)
★REVIEW:『憲法九条を沖縄・アジアから見つめる』思想・良心・信教の自由研究会 富坂キリスト教センター編(いのちのことば社、1,000円税込)
 = 10 面 関西だより =
★信徒すべてが伝道者となれ——崔世雄元老牧師、中国地区6教会で巡回セミナー
★飢餓のために日本人ができることは?——世界食料デー奈良大会でエチオピア現状報告 記・緒方賢一
★琵琶湖畔に賛美響く——天田繋氏故郷でチャリティ音楽会
★KBI・リバイバルミッションが11月27日に共同シンポジウム
 = 11 面 クリスチャンライフ =
★神様の愛、心込め身体で表現——エバーグリーン・クワイアーがミュージカル「GIFT」上演 ◎タンバリンダンスとアートで主を賛美——Celbrate JESUS 2008
★<僕の子育てライフスタイル>[10]罪の自覚 記・堀井洋二
 = 12 面 ひと=
★心病む人の代弁者として——平山正実さん(北千住旭クリニック院長、聖学院大学大学院教授)

◎在日大韓基督教会が宣教100周年−−日韓寮民族の和解の道具として=08011160101

 在日大韓基督教会(鄭 然元総会長)宣教100周年記念大会が、10月13日午後1時から大阪市中央区の大阪女学院・ヘールチャペルで開催された。日本全国から同教会に所属する1千人以上の教会員をはじめ、権 哲賢駐日韓国大使や韓国基督教長老会の徐載鎰総会長、日本基督教団の山北宣久議長、韓国基督教教会協議会の林明奎会長など、韓国やアメリカ、カナダなど外国からも多数の来賓が駆けつけた。

 同教会では1958年の宣教50周年以来、10年ごとに宣教大会を開催して宣教方針や事業計画を打ち出してきたが、今大会の主題テーマは、・テサロニケ5・18から「感謝の100年、希望の100年」。副題として、創世記45・5から「遣わされたこの地で宣教に参与する教会」をかかげた。
 在日大韓基督教会の発端は、韓国が日本の植民地となる直前の1908年、平壌から来日した鄭益魯長老と東京朝鮮YMCAの金貞植総務を中心に、当時の在日留学生などが参加して教会設立を決定したのが始まり。今日では、日本全国96か所の教会・伝道所、約100人の教職者と7千人の信徒を有する教団にまで発展した。
 第1部の記念礼拝では、鄭総会長(大阪教会牧師)が、創世記45・5と・テサロニケ5・18の御言葉からメッセージ。「旧約時代、エジプトに売られたヨセフのように、また、バビロン捕囚のイスラエル民族のように、私たちがこの日本に住むようになったことには、全能なる神の御心と摂理があった」としながら、「国を奪われて日本に渡ってきた私たちの先祖のために、主がこの地に教会を建ててくださり、慰めと希望を与えてくださったことを感謝する。私たちは今後、日本の地において宣教を進めることによって、全能の神と人、両民族間の和解の道具となり、希望を伝える存在とならなければならない」と訴えた。
 2部の記念式典の初めに、今大会のために制作されたDVD「在日大韓基督教会宣教100周年略史(1908から2008)」が上映され、草創期から今日に至る歴史を、貴重な写真や解説などによって振り返った。
 次に、今回新たに宣教協約を締結することになった米国長老教会との締結式が開かれた後、大会宣言の朗読と「宣教100周年宣教理念」が採択された。
 宣教理念としては、「マイノリティーの側に立って宣教する教会」、「多様性を与えられた恵みとして享受する教会」、「エキュメニカル性をもった教会」の3つの柱を確認。また、今後10年間の事業計画として・宣教100周年会館の建築、・総会神学校の充実、・韓国における「在日センター」の設立を打ち出した。
 3部の祝賀会では、教会学校や青年会、女性会などによる合唱や文化発表、宣教100周年連合聖歌隊による合唱などを楽しんだ後、民族統一を願う歌「ウリエ・ソウォン」を参加者全員で合唱して閉会した。
 会場では、冊子「写真で見る宣教100年の歩み—祈りと共に」も参加者全員に配布された。DVD「宣教100周年略史」(約30分)は、1部千円で購入できる。問い合せ先は在日大韓基督教会事務局まで(Tel.03・3202・5391、E-mail: kccj@kb3.so-net.ne.jp )

◎美濃ミッション創立90周年−−愛国運動「こころの日」推進に警鐘=08011160301

 日中戦争に突入する1930年代に日曜学校生徒が神社参拝を拒否したことから地域ぐるみの激しい排撃を受けた美濃ミッションが、創立90周年を迎えた。迫害の地岐阜県大垣市にある同ミッション大垣聖書教会で11月1~3日にあった記念特別集会では、『あの戦争のなかにぼくもいた』(国土社)、『変わっていくこの国で 戦争期を生きたキリスト者たち』(日本キリスト教団出版局)などの著書がある作家の石浜みかる氏が「過去から学ぶ時代悪化の予兆」、根田祥一百万人の福音編集長が「危機は今も学校から─美濃ミッション事件に学ぶ『私たちの課題』」、同ミッション前代表の石黒次夫氏(富田浜聖書教会牧師)が「美濃ミッションの歴史検証」について講演した(講演要旨5面)。 
 記念礼拝の中で同ミッション代表の石黒イサク氏(大垣聖書教会牧師)は、岐阜県や同県教育委員会、県内各市町村や市長会、市教委、PTA連合会などが後援して「国を愛する心を育てよう」などの目標を掲げる「こころの日」運動が推進されていることを挙げ、「天皇制・愛国心の強要が教育界から始まり、社会全体に浸透しようとしている。また岐阜県から始まっている」と警鐘を鳴らした。各講演でも過去と現在起きていることの検証から、30年代とも共通する時代悪化の予兆が浮き彫りとなった。
 美濃ミッションは1918年、宮城女学校校長だった米国人セデー・リー・ワイドナー宣教師が「教育で人を救うのは限界がある。伝道しよう」と校長職をなげうって岐阜県大垣市で伝道を開始したのが始まり。「神社参拝拒否」問題が起きた戦前のワイドナー代表時代をイサク氏は、「学校・教育界で起こった出来事をきっかけにした天皇制との戦い」と位置づけ、戦後2代目主管者エリザベス・A・フィウェル代表時代には、紡績工場に勤めていた信者の女子工員が礼拝出席のため休日変更を願い出て解雇された「日曜礼拝遵守」問題をめぐる信仰の戦いがあったことを紹介した。
 また戦後ミッションを再開したころ、かつて美濃ミッション排撃の指導者だった元大垣市立中小学校長の大野富之助氏が岐阜県教育長に立候補したことに対して、当時のフィウェル代表が「あなたのしたことは赦すが、教育者としてはふさわしくない」と立候補に反対。当選にも抗議し大野氏は辞任に追い込まれたが、その大野氏が「私も実はクリスチャン」と漏らしたというエピソードを紹介し、「悪魔は信者と名乗る人も用いて信仰者を排撃しようとする」と、信仰の姿勢をただした。「(教会は戦前)お国のためにと礼拝で宮城遥拝をし、君が代斉唱をしたが、迫害逃れは一時しのぎ。それで宣教が拡大したわけではない。宣教師は国外追放され牧師は逮捕投獄された。これが悪魔の仕打ちです」
 「こころの日」推進運動について、イサク氏は「この運動は(国旗・国歌法が制定された99年に)日の丸・君が代を尊敬しない人は日本国籍を返上してほしいと発言した梶原拓元岐阜県知事から始まっている。天皇制・悪魔・偶像崇拝の恐ろしさがここにある。神様が受けるべき尊敬・崇拝を横取りし、息子娘を出せと要求する」と警戒感を露わにし、「かつてと同じような時代の流れを感じるが敵は今までと同じ手は使わない。昨日の勝利功績が明日の保障にはならない。未知の世界に踏み出すには信仰がいる。(迫害と戦った)過去の栄光におぼれることなく、将来の不安に押し流されることなく、主に信頼して次の一歩を進もう」と勧めた。

◎タンバリンダンスとアートで主を賛美−−Celbrate JESUS 2008=0801116110

[img align=right]http://jpnews.org/pc/uploads/img4917889b18dd6.jpg[/img]  1人の男性がホールの中央に進み出て角笛を鳴らすと、30人ほどの出演者らが一斉に登場。「魂歌——すべての悲しみ」にあわせてタンバリンと踊りで主を賛美する祭典は開幕した。

 埼玉県川口市の市民ホール・フレンディアで11月1日に開催された「セレブレイト・ジーザス2008」(同実行委員会主催)は、今年で4回目。このイベント企画に携わってきた青山ユリカさん(日本福音教団聖徒教会副牧師)は、「もともとは、女預言者ミリヤムがタンバリンを手にとって踊った出エジプト15章や、詩篇150・4など聖書に書かれている主のみこころに聴き従おうというもの」。80年代半ばにバレエの教師だったマーガレット・ヤップ女史が、米国の神学校に留学しているときに主の御声を聴き、タンバリンや旗を使って踊り神を賛美するダンスを生み出したことから、世界中に広がりつつある。
 「今回は日本舞踊やチマチョゴリ、チャイナドレスを着て踊るチームもあります。世俗的な踊りというイメージが強い日舞なども、創造主である神にお返しして本来の姿に取り戻す働きでもある」という青山さん。そのスピリットはさまざまなアートの分野にも展開されつつあり、会場となったエントランスには書や絵画、写真、手芸、オリジナル賛美などの作品を展示していた。
[img align=left]http://jpnews.org/pc/uploads/img491788abf0a78.jpg[/img] 今回のプログラムのもう一つの柱は、アジアをはじめ欧米の国々に対する日本の民族的な悔い改めと謝罪、そして和解へのとりなし。この祭典に参加したチームの有志たちが、今年8月に中国へ謝罪と和解へのツアーを行い、その報告がなされた。また、元戦争捕虜たちを中心に日英およびアジアの人たちとの和解を進める「アガペ」を主宰するホームズ・恵子さんも参加し民族的な罪の認識をもって謝罪し悔い改めることの必要を証した。

 小中学生からミドル世代まで12チーム30人以上の人たちが、出演したセレブレイト・ジーザス。「ちょっとミドルエイジに入った」という一人の女性は、「タンバリンは霊的な打ち破りがもたらされる神様の楽器なので、失敗しようと、下手であろうと本当に楽しいです」と、ほかのチームの人たちといっしょに踊り、全身で主を賛美し合えた喜びを語っていた。
 【URL】http://gtgjh.web.fc2.com
(写真上:フィナーレは参加者全員で「As David Did」を踊り主を賛美した。写真下:「さくら」の歌詞を新たに作り日本舞踊でも主を賛美。写真提供:横永剛志氏)