[CSD]2013年1月6/13日号《ヘッドライン》

[CSD]2013年1月6/13日号《ヘッドライン》

<クリスマス特別号>
 = 1面 ニュース=
◎新年メッセージ:心を整え、身を慎み 記・朝岡 勝
★慰め、癒し、恵みの御手を被災地に——南三陸町で祈りの行進「追悼記念会」

 = 2 面 ニュース=
★改憲への動き 危機訴える——投票前日にアピール「総選挙にキリスト者の責任を」
★有志呼び掛け緊急祈祷会——震災を悪用 平和憲法骨抜きに
★JEA信教の自由セミナー:「天皇元首化」を警戒——現実は皇室伝統と体系併存
◎JECA北関東:「原子力発電に関する見解」公表——世界管理への命令違反を悔い改め
★<落ち穂>テレビ番組が届ける福音

 = 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[40]死ぬこと、死なれること 記・柏木哲夫
★CBMC東京 活動再開——クリスマス会に70人余
★<オピニオン>「民意」に堕するを自戒し 動かぬ規範示せ 記・根田祥一
★<逝去>ポール・ブローマン氏(日本名:岩佐勝、聖書配布協力会創立者、84歳)
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか

 = 4 面 全面広告=
☆教団教派・福祉施設・アーティスト・団体企業の名刺広告

 = 5 面 ニュース=
◎日本ペンテコステ・ネットワーク発足——教会一致へ 日本の聖霊派の窓口に
★フィリピン:大型台風上陸で540万人が被災

 = 6 面 全面広告 =
☆EMPOWERED21 全日本大会——日本は変わる!
 2013年10月11日(金)~14日(月・祝) 会場:国立京都国際会館
☆第18回阪神大震災メモリアル集会
 2013年1月13日(日)午後2時~午後4時 会場:神戸キリスト栄光教会

 = 7 面 インサイド・ニュース =
★連動して地域宣教——金沢こころクリニック、金沢こころチャペル、Cafe cocoro

 = 8 面 神学/社会 =
★同情する苦しみ、また不正義との対決としての十字架?——東日本大震災 国際神学シンポジウムより
★「教会と国家」の視点で現代を考える——橋下・日本維新の会の教育介入に警戒

 = 9 面 仕事と信仰スペシャル=
★「やりがい」「感動」が働く集団に——12年連続お客様満足度No.1 ネッツトヨタ南国
★複雑な時代生き抜く効果的なリーダーシップ——「サーバント・リーダーシップ実践講座」

 = 10 面 全面広告=
☆教会の名刺広告など
☆MEBICセミナー 2013年各地のセミナー http://www.mebig.com/seminar.html
☆CGNTV http://japan.cgntv.net/

 = 11 面 伝道・牧会を考える=
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>[36]単立ペンテコステ・ブンキョーゴスペルセンター?——自殺願う人に永遠の命の約束を
★<神の宣教>神のことばを神の世界へ[13]—— クリストファー・ライト講演抄録

 = 12 面 レビュー=
◎東日本大震災・原発事故から明日を見つめて——3・11以後描く映画のあの日・いま・未来
★MOVIE:「おだやかな日常」——放射能汚染に焦慮する深層描く(2012年12月22日よりユーロスペースほか全国順次公開) 公式サイト:http://www.odayakafilm.com/
★BOOK:『風に吹かれて 会津伝道ものがたり』高橋 力著(日本キリスト教団出版局、2,050円税込)
★BOOK:『キリガイ ICU高校生の「キリスト教概論名(迷)言集」』有馬平吉編著(新教出版社、1,470円税込)

<新年特別号 第2部>
 = 13—14 面 特集/会津と新島八重=
★日本の礎となった会津出身者たち——NHK大河ドラマ「八重の桜」 新島八重の足跡を訪ねて
★戦火を生き延び聖書と出会う——新島八重、山川捨松、若松賎子…
★新島八重関連の新刊・DVD続々発売

 = 15 面 特集/会津 昔と今=
★仮設住宅の中高生に学習支援——恵泉キリスト教会会津チャペル楢葉HOPE塾
★野口英世の受洗教会が青春通りのシンボルに——日基教団・若松栄町教会

 = 16・17 面 新春対談=
★石山伊佐夫さん(タカボシグループ創業者)vs.聞き手:中野雄一郎
創業者も会社も 元気で50年——祈りは目的達成の最高の切り札

 = 18・19 面 特集/小さないのちを守る会=
★舞台劇『ママ、ボクを殺さないで』——実話に基づく脚本を映画に
★座談会:『小さな鼓動のメッセージ』映画化へ
★複雑な問題 リアルに描く 記・村上宣道

 = 20 面 全面広告=
☆アーティスト・団体企業など

 = 21—23 面 神学校特集=
★自分は遣わす者か遣わされるものか 記・八尋 勝(北海道聖書学院院長)
★簡単に折れないタフさを「霊性」の学びで 記・関野祐二(聖契神学校校長)
★超教派の交わりの中で学生らの「献身」育てる 記・山口陽一(東京基督教大学 大学院神学研究科委員長)
★みんなが開拓精神を持つことが大切 記・河野勇一(東海聖書神学塾塾長)
★若者を伝道し弟子にして教会を若く 記・マイケル・オー(キリスト聖書神学校校長)

★次の時代を信じ大胆に託す信仰スタンス大切に 記・河村従彦(インマヌエル聖書神学院院長)
★すべての世代ですべての世代に福音を伝える 記・永井信義(拡大宣教学院院長)
★聖霊の熱き働きと共に私たちの努力用いる神 記・近藤勝彦(東京神学大学学長)
★教団教職の世代交代を視野に神学教育を継続 記・北野耕一(中央聖書神学校校長)

 = 24 面 全面広告=
星野富弘 花の詩画展 in お茶の水
後期特別企画「あなたに逢ってから」
 2013年1月4日(金)~3月2日(土)午前11時(日曜のみ12時)~午後5時
 *後期の終了時間が午後5時までに変更されました
 入場料は、一般・学生500円、中学生以下は無料



◎新年メッセージ:心を整え、身を慎み 記・朝岡 勝=1301060101

 「万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。」
    ?ペテロ4章7節

1.終わりの時を
  知る者として
 新しい年を迎えました。主にある新しい歩みの始まりに、「終わり」の事柄を語る御言葉に聴きたいのです。震災から2年目、そして年末の政権交代劇を目の当たりにし、一つの時を境にして世界が一変することを経験した私たちは、いやがうえにも「終わりの時」を意識して生きざるを得ない者とされています。聖書が語る「終わり」とは私たちの人生のみならず、この被造物世界にとっての究極の時の到来を意味しており、それはまた万物を統べ治めておられる主の御前での最終的な裁きの時、主のしもべとして申し開きをする報告の時でもあります。

2.心を整え、身を慎む
   希望をもって
 終わりの時を知る私たちの人生態度として、御言葉は「祈りのために、心を整え身を慎みなさい」と教えます。万物の終わりが近づいて来ている。今まさに終わりの時が来たらんとしている。この時の緊張感の中で、 主にある者の日々は一日一日と続けられますが、終わりの時の近づきを知る者として心を整え、身を慎むという態度は、再び来たりたもう主イエス・キリストへの待望の姿勢として表れます。「ですから、あなたがたは、心を引き締め、身を慎み、イエス・キリストの現れのときあなたがたにもたらされる恵みを、ひたすら待ち望みなさい」(1・13)。私たちにとっての「終わり」は、キリストの再臨への「希望」に導かれています。恐れと憂いが地を覆う時代の中で、キリスト者は背筋を伸ばし、天を仰いで、キリストにある救いの完成を待ち望むことによって、人々に希望のありかを指し示すという大切な務めが委ねられているのです。

3.心を整え、身を慎む
   覚悟をもって
 終わりの時の近づきを知る者として心を整え、身を慎むという態度は、今なお続く悪しき者、サタンとの戦いへの覚悟の姿勢として表れます。「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。堅く信仰に立って、この悪魔に立ち向かいなさい」(5・809)。すでに主イエス・キリストによる勝利は確かとされていますが、いまだ地上には悪の力が蔓延り、サタンは様々な策略をもって世界を攻め立てます。私たちは目覚めた者として、慌てふためいたり浮き足立ったり、恐れおののいたり、諦めてしまうことなく、望みの忍耐の中で、主への告白に生きる覚悟を決めなければなりません。

4.祈りへと
  向けられた生
 終わりの時を知る者の日々は「祈り」へと方向付けられた生です。祈りは全ての手段が尽き果てた中での最後の手段ではありません。むしろ聖書は主なる神への積極的な服従としての祈りを教えています。終わりの近づきを知るがゆえに祈る。すべてのすべてとなってくださる希望の主イエスの御力を待ち望んで祈る。再び来られる再臨の主イエスの勝利を信頼して祈る。そしてその祈りに導かれた言葉と行いを身にまとい、主の御心に積極的に従う祈りに向かって自らを整えていく。そのような祈りの中で、私たちのこの一年の歩みを、主が許してくださる日々の限り、誠実に、忠実に歩ませていただきましょう。

◎JECA北関東:「原子力発電に関する見解」公表−−世界管理への命令違反を悔い改め=13010602

 JECA(日本福音キリスト教会連合)北関東地区運営委員会は12月4日、「原子力発電に関する見解」を公表した。見解は「私たちは原発が被造物としての人間の限界を超えた技術であり、それがもたらすさまざまな問題のゆえに、原発に依存しない社会の建設をめざしたいと思います」として、1根源的な危険、2事故の危険、3通常運転の危険を挙げ、聖書に基づいた生き方について次の3項目の決意を示した。
 ?安全神話に欺されない 私たちは繰り返される安全神話を盲信し、原発の抱えるさまざまな問題や危険に関心を持とうとせず、警告の声を上げてこなかったことを悔い改めます。エレミヤは言いました。「彼ら(にせ預言者たち)は、わたしの民の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ』と言っている。」(エレミヤ6・14)。私たちは現代において、警告を発する預言者的使命を果たします。?節度ある生活 現代社会は膨大な電力消費によって成り立っています。私たちは富と豊かさ、便利さを追求し、欲望を抑え神に仕える清貧の生活を大切にしなかったことを悔い改めます。イエスは言われました。「だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。」(マタイ6・24)?新天新地の希望 原発はその存在によってまた事故によって放射性物質を広範にまき散らしています。私たちは修復不能なまでに被造世界を汚染してしまったことを悔い改めます。私たちは被災地の復興に力を注ぐと共に、やがて主が来られすべてを新しくされる日を待ち望み、屈することなく、今ここで主のわざに励みます。
 先の各項で、1根源的な危険では「神による世界管理への命令違反」、2事故の危険では?人為的事故?天災による事故、3通常運転の危険では?放射性廃棄物の産出?労働者の被曝?地域社会の崩壊?核兵器への転用?環境への影響、を挙げた。

◎日本ペンテコステ・ネットワーク発足−−教会一致へ 日本の聖霊派の窓口に=1301060501

 ペンテコステ・聖霊派諸団体がより広い交わりと一つの窓口(連絡網)をもち、健全な次世代への継承を目指そうと「日本ペンテコステ・ネットワーク(JPN)」が発足、2012年11月30日、東京・駒込の中央聖書神学校チャペルで発足式が行われた。
 ペンテコステ系諸教団が加盟する組織としては日本ペンテコステ協議会(JPC、細井眞議長)があるが、さらに交わりを広げようと、日本リバイバル同盟(NRA、水野明廣委員長)、日本ペンテコステ親交会(JPF、稲福エルマ常置委員長)などの代表者らにも呼びかけ、話し合いを重ねてきた。ネットワークは性急に組織化せず、現在活動しているペンテコステ・聖霊派の諸団体の働きを尊重し、ハブ(中継基点)のようにお互いの力を結集することを目指し、次の3つのビジョンを掲げる。?世界的ペンテコステ団体や集会への日本の窓口的役割、?日本のキリスト教会一致のため、日本聖霊派の窓口的役割、?ペンテコステ信仰の神学的・教理的面の次世代への継承。
 準備に携わってきた主要団体から細井眞(JPC)、中見透(NRA)、永井信義(JPF)の各氏が各団体を代表して5年間、常設委員として奉仕する。このうちJPCの代表者が代表を務める。
事務局は当面、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団本部に置く。
 発会式は賛美と祈りで進められ、2010年のJPC総会においてペンテコステ・聖霊派の一致と健全な継承のための枠組み構築の必要を提言した三坂正治氏(日本ネクスト・タウンズ・ミッション関東栄光教会牧師)がヨハネ17・20~23からキリストにあって一つになることについてメッセージ。日本福音同盟の品川謙一総主事、日本キリスト教協議会の小橋孝一議長らが祝辞を述べた。

◎東日本大震災・原発事故から明日を見つめて−−3・11以後描く映画の“あの日・いま・未来”=1301



 2011年3月11日午後に起きた東日本大震災。未曽有の大被害に、とてつもなく大きな喪失感。そして、引き起こされた福島原発事故による放射能汚染と事故処理に対する不安。こうしたテーマを捉えた映画作品は、本紙および公式ウェブサイトのレビュー欄などでも取り上げてきた。11年から12年にかけて上映されてきた作品を振り返り、また新年に公開上映を控えている映画作品などをとおして東日本大震災と原発事故のあの日・いま・未来をみつめる。
   
◇   ◇


「フタバから遠く離れて」©2012Documentary Japan,Big River Films



被災地に生きる人の
心情を丁寧に捉える

 大震災からほぼ1年後に公開されたドキュメンタリー「311」(森達也・綿井健陽・松林要樹・安岡卓治監督)は、4人の監督が震災直後の被災地をルポした作品。被災直後の混乱と痛ましさはリアルに伝わる作品だが、阪神大震災を経験しただけに単に状況を伝えるだけにとどまらず、厳しいいまから立ち上がろうとする被災した人々の心情をしっかり見つめるドキュメンタリー作品が多く作られている。その中でも10月に公開された「生き抜く 南三陸町 人々の一年」(森岡紀人監督)は、登場するのは4組のみだが、丹念な取材に協力した50組に及ぶ被災者の思いを一つのドキュメンタリーに結晶させている秀作。


「希望の国」©The Land of Hope Film Partners

 新年2月に公開予定の「先祖になる」(池谷薫監督)は、大津波で家も息子も失った樵の老人が、自力で元の場所に家を建て上げる決意と勇気を追う。見ているこちらが勇気を与えられる作品。
 原発と放射能汚染からの避難生活が丁寧にルポされた作品も多い。「フタバから遠く離れて」(舩橋淳監督)は、福島原発の爆発音を耳で聞いた双葉町の人々の避難所生活と行政当局の対応が描かれる。避難地は、遠く離れた埼玉県加須市の旧・騎西高校。2年近くなる現在も、同じ場所に疎開させられている。

今から未来を
未来から今を



「おだやかな日常」©odayaka film partners

 東日本大震災が起きた11年3月に、中国映画「唐山大地震」(フォン・シャオガン監督)が公開された。32年前の大地震が心に刻んだ重たい傷を、ある家族のその後を通して描いたドラマ。この作品のように映画のドラマには、あの日からいまを見つめて解き放つ力がある。新年2月公開予定の「故郷よ」(ミハル・ボガニル監督)は、チェルノブイリ原発から3キロメートルにある原発の町プリピチャの事故から10年後をテーマに描いている。チェルノブイリ原発事故から四半世紀、立ち入り禁止区域を巡るチェルノブイリ・ツアーに組み入れられているこの町でロケーション撮影した初めての作品。
 12年10月に公開された「希望の国」(園子温監督)は、時代設定を20XX年とし再び大地震と原発事故に被災する家族を描いている。言わば未来からいまを捉えている作品。被災地を取材し、被災者の声を聞き作られているだけに、対応の経過と放射能に対する恐れと悲劇性にリアリティがある。
 12月に公開されたばかりの「おだやかな日常」(内田伸輝監督=上欄の記事参照)は、いまだ終わっていない福島原発の事故処理と放射能不安にあるいまを描くことで、失われた未来を取り戻そうとする作品だ。
 秀逸なドキュメンタリーやドラマ映画は、その時の感性を超えて時代を切り取りいつの時代にも耐えられる証言性を有している。既に公開されている作品たちだけでなく、これから公開される3・11と原発事故に関わる作品にも注目したい。