仕事に対する神の計画 日本G&M文化財団特別セミナー①

「聴くドラマ聖書」を日本で製作、運営している日本G&M文化財団が、9月30日、10月1日に仕事と信仰に焦点を当てたセミナーを、東京都内で開催した。初日はビジネスパーソンを対象に「仕事と信仰の統合」、2日目は教職者を対象に彼らへの「牧会」がテーマ。講師は、同財団を擁する米国のG&M財団の共同代表を務めるアンディ・ミルズ氏=写真=。2日目の講演を抄録する。

 

神の共同創造者として

―99%のクリスチャンは世の中に出て働いている。しかし、彼らの多くは、自分が遣わされた場所で、御国のために働いているという実感を持てずにいるのが現状だ。信徒に正しく信仰と仕事について語ることは重要であり、牧会者に与えられた大きな機会である。

聖日と週日の分離は、仕事を世的なものとする感覚に陥らせる。「早くリタイアして神様のために働きたい」と考えるのは間違っている。欧米では、往々にして仕事がその人のステータス、自尊心につながり、偶像になる。「仕事の目的は金儲けで、あとは自分のやりたいことをやる」という実利主義も見られる。この世の思い煩いから実を結べない多くのクリスチャンがいる。彼らは仕事と信仰を結びつけられないので、主のために働けている実感がない。「もっと働きたい。もっとできるのに」という状態は、従業員を生かしきれていないということで、企業としても損失である。

牧会者は、職場にいる彼らが、信仰者としてのアイデンティティーを、聖書から発見することを、助けなければいけない。それは、「召命」「共同創造者」「文化の担い手」として示すことができる。

▽召命:創世記1・28では、神が人に、地に対する主権を与える。天地創造のすべてのリソースを、人間が使うよう、いわば投資している。これは堕落以前の話で、これが神の完全なデザインである。2・15では、園を守ること(資産管理)と耕すこと(共同創造・文化の担い手)が任された。このように、神の創造にとって、人間は不可欠な要素だった。

▽共同創造者:単に作られたものを受け取って管理するだけでなく、耕すことが求められる。神の創造後、人間の文明は高度に発達した。私たちの社会はとても複雑である。都市の統治、福祉、様々なサービス、商品。これらを建て上げていくことを「文化命令」とも呼ぶ、、、、、

(2024年10月20日号 07面掲載記事)