2016年07月03日号 1面 

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在日韓国・朝鮮人が多い東京・新宿区大久保の一角に高麗博物館が開館したのは2001年12月。
日本と朝鮮半島は古代から豊かな交流がありながら、近代の侵略・植民地支配の影響で今なお南北が分断、在日差別が続くなど歴史の傷を負ってきた。日本とコリアの関係の歴史を正しく理解し相互の和解と平和につなげようと、クリスチャンらが呼びかけ、市民運動で実現した博物館だ。
以来15年。強制連行や独立運動、陶磁器や伝統音楽といった文化や芸術など様々な展示や公演・講演、講座、会報、韓国旅行などの企画を通して、歴史や文化を学び友好を深めるとともに、侵略の事実にも向き合い、民族差別のない共生社会の実現を目指してきた。しかし数年前から、博物館のある職安通りはヘイトスピーチデモのコースに。韓流ブームでにぎわっていた街は客足が激減し、コリアンレストランや土産物店が次々閉店に追い込まれている。