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憲法改正、経済政策など国の在り方が問われる参議院議員選挙を7月10日日曜日に迎える。
憲法改正に関してナショナリズムの強まりの背景も指摘される中、戦前のナショナリズムを反省し、平和を求める宗教界、キリスト教会からは警戒する動きが出ている。

7月7日には、特定秘密保護法に反対する牧師の会(牧師の会、共同代表/朝岡勝、安海和宣)による緊急連続セミナー「この国はどこへ行くのか 日本と宗教ナショナリズムを巡って」の第2回が、東京・千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャン・センターで開催された。

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日本キリスト教史を専門とする山口陽一氏(東京基督教大学教授)が「日本的報国のキリスト教と今日の日本」の題で語った。

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まず現在の日本の政治について述べ、政教分離が崩れ、国家神道復活に道を開く流れがあること、軍事政策の進行、表現の自由が脅かされている問題を挙げた。

歴史の観点からは、戦前の日本のキリスト教会が、国家主義のなかで国家との衝突を避け「報国」に傾いた点を指摘。

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聖書からは、権力者への服従を記した新約聖書ローマ13章は、12章の神への礼拝という前提の中で確認した。

君主制だった宗教改革時代に確認された抵抗権を、現在の立憲民主主義下で一人一人に与えられた責任としてとらえ、キリスト者として祈り、投票し、より良い社会のために行動することを励ました。

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山口氏は「牧師の会」共同代表の朝岡勝氏(同盟基督・徳丸町キリスト教会牧師)とともに6月、『キリストが主だから いま求められる告白と抵抗 新教コイノーニア32』(新教出版社)を緊急出版している。

セミナー第三回は参院選後の14日午後7時。島薗進氏(上智大学教授)が講師で、テーマは「国家神道と日本の精神文化」。

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2016年07月10日号
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