映画「ヒマラヤ ~地上8,000メートルの絆~」--エベレスト登頂への厳しさリアルに描く
洋の東西を問わず“高い山に登る”ことは、ある種の宗教心と結びついて語られてきた。人間が天空に達したいと願望を抱くのはバベルの塔の建設にも似て“征服”感を満たすものでもあるのかもしれない。成層圏に近いエベレスト山頂を目指す多くの登山家たち。登頂に成功しても下山時にまた大きな危険に見舞われる。低酸素と極寒、猛吹雪に雪崩や落石、滑落そのような厳しい情況さがリアルに伝わってくる映像。そして下山時に遭難した仲間の遺体を捜索に向かう登山家たちの連帯感。実話をもとにした物語で、遺体に対するアジア的な心情はよくわかるが、大自然の厳しさの前には畏敬と敬虔の大切さを改めて教えられる。
【あらすじ】
登山家オム・ホンギル(ファン・ジョンミン)は引退後、ヒマラヤ4座を共に登頂した最愛の後輩ムテク(チョンウ)が悪天候のため、下山中に遭難死したことを知る。そこは人間が存在できない“デスゾーン”エベレスト地上8,750メートルの地。誰もが遺体回収を諦める中、ホンギルは数々の偉業を成し遂げたかつての仲間たちを集め“ヒューマン遠征隊”を結成。山頂付近の氷壁に眠るムテクと彼を待つ家族のため、最も危険で困難な登攀に挑む。“必ず迎えに行く”友との最後の約束を果たすために-
(公式Webサイトより)
【みどころ・エピソード】
本作のモデル、登山家オム・ホンギル氏が「映画はここまで細部を描くとは思っていなかったので、過去のすべてがとてもリアルにと浮かんできました。」(統一日報インタビュー)と答えるほど、雪崩や滑落の恐怖感がリアルの感じられる。それだけに岩場に宙吊りになったままフォーストビバークで一夜を過ごし、山脈の頂が白んできて朝日が昇るシーンは息をのむほど。 【遠山清一】
監督:イ・ソクフン 2015年/韓国/124分/映倫:G/原題:Himalaya/ 配給:CJ Entertainment Japan 2016年7月30日(月)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー。
公式サイト http://himalayas-movie.jp
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