(株)アサフ 全8曲+ボーナス2曲(1,575円税込)
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「CYMBAL?新しい人たちが出てきたのか」と思ったら、「伊藤治哉&真嗣!?ブラザレンバンドじゃないか」。記者が地方の中高生だったころ、同じ教団の都会の教会でバンド活動している憧れのお兄さんたちだった。

父親の伊藤良雄氏は月刊「百万人の福音」の短歌の選者をしていたり、水墨画の師範だったりと芸術面に秀でた方だが、そのDNAを受け継いでいるふたりも、兄の治哉氏は、Migiwa、Olive等を手がけるプロデューサー兼デザイナー、弟の真嗣氏は元NEW LIFEのギタリストと、その力量は申し分ない。

ブラザレンバンドは、70年代後半を反映したフォーク系の音楽だったが、CYMBALはどうか。帯には「どこか懐かしいサウンド」とあるけれど、と、恐る恐るCDをかけてみると、さすがにMIGIWAなどをプロデュースしているだけあって、完成度の高いサウンドが飛び出してきた。「懐かしい」といっても昔の音がするはずもない。でも、聴き続けているとやはりどこか懐かしい。この懐かしさは、未熟さとか稚拙さというのとは違うし、古臭いのでもない。かといって、無理に今風にしているわけでもない。マニアックに自分たちのしたい音楽をしている、と言うのでなく、とても聴きやすいサウンド。それでいて、しっかりCYMBALの音を作り上げている。懐メロではない。円熟した大人のポップスだ。

「50を目前になぜに!!?と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、僕らおじさんにしか奏でる事のできないサウンドだってあるんじゃなかろーか というわけで僕らなりの賛美をかたちにした」と、公式HPで制作意図を語っている。
あじる様なメッセージソングじゃない。やさしくそばにいて「神様がいるから大丈夫」と語りかけてくれるよう。 【柳 聖生】

公式サイト→ http://asaph.jp/cymbal/