CD「Misa’s Song Book 2000-2010」神山みさ――“信じること”と“愛すること”への励まし
今年シンガーソングライターとしてデビュー10周年を迎えた神山みさの記念アルバム「Misa’s Song Book 2000-2010」(全17曲)。彼女自身がこれまでにリリースしたアルバムの中からと最新作「レース RACE」と「一日一生」の2曲で構成されている。「レース」は、09年冬ごろからライブ始めた楽曲で、人生というレースを誰かと比べるのではなくキミらしく、キミの速度で行けばいいと歌う応援歌。また「一日一生」は、ある闘病者との出会いから生まれた楽曲で、「今日が一番幸せだったと 後悔しないように生きていきませんか?」と、背中をさするように今を生かされている感謝を噛み締めるように歌い上げている。
神山みさの特徴的な持ち味を挙げるなら、神を求め続ける存在である人間のある種の寂寥感あふれる歌声。その寂寥感に在っても自己の内なるものに与えられ湧き上がってくる力強さを感じさせる楽曲の表現力と歌唱にある。いわば’信じること’と上からの光を心のうちに捉えて’愛すること’が、彼女自身が選択したこのベストアルバム新旧17曲にも共通したテーマといえる。
全17曲の収録リストは、1.レース(new! )/2.手/3.カタチのないもの/4.ただ前に、進め。/5.Celebrate/6.雪晴れの朝/7.その涙が渇くとき/8.夢のはじまり/9.一日一生(new!)/10.きれい/11.バースデー/12.空を見上げながらあなたを想った/13.空の上/14.ケンカは嫌い/15.冬の空/16.また会う日まで/17.たんぽぽ(再録音)。ライナーには全曲の歌詞にコード譜は付けられ、その楽曲を作るに際してインスパイアーされた聖書箇所が英文で紹介されている。今年一年、傾注して歌い続けてきた「レース」から始まり、最初のミニアルバム「手」から歌手活動のメリハリを再構築しながら、最初のミニアルバムから「たんぽぽ」で締める構成。再収録した「たんぽぽ」は、最初のワンマンライブで最初に歌われた曲という。神山みさの自然体の作風がよく表れている楽曲で、新たな10年へのスタートを静かに確信をもって伝えているかのようだ。 【遠山清一】
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