CD「夢とロックンロール」サルーキ=――クリスチャンでロックンロール
クリスチャン新聞や、福音版でも紹介されたサルーキ=の4枚目のアルバム。クリスチャンになったロックンローラーかと思っていたが、全曲を作詞作曲したサルーキ=(chiyo)はクリスチャンでロックンロールと言うべきか。
個人的には初めて聴いたのだが、オーソドックスなロックンロールサウンドだ。「クリスチャン・ミュージック」を期待して聴くと、能天気に思えるくらい明るい1曲目「ギター少年」に戸惑ってしまうかもしれない。日常のどうにもならないもどかしさを歌った4曲目「アティチュード!」など、いかにもロックンロールだ。だが、5曲目「ハレルヤ#1」からクリスチャンであれば「お!」っと思わされる。ドラマティックな6曲目「楽園」は感動的だ。
アマゾンの内容紹介によると「『雑誌の中のロックンロールスター』に憧れて夢を追いかけはじめた1曲目、現実の壁にもがき苦しみながら暗闇を疾走するロックナンバーの4曲目、閉塞感のある毎日に疲れ果て公園を歩いていたときに、ふと毎日は恵みの中で生かされているということに気づいて完成したという6曲目に至るまで、『夢の成長の軌跡』が刻まれているアルバム」なのだそうだ。
6曲目の歌詞に「夢と欲の違いが判らずに 僕ら自分の首しめ続けてきた」とあるのは、1曲目のギター少年の夢からみて大きな成長がある。「夢は成長する」がテーマなのだそうだが、作詞作曲をしているchiyo(ボーカル)の信仰の軌跡ともとれなくもない。
ロックはもともとはみ出し者の音楽だ。「元ロッカー、今クリスチャン」といった言い方の方が受け入れられやすいように、型にはまらない生き方は信仰と相容れないと思えなくもない。chiyoは過去の歩みもそのまま恵みと受け止めて、クリスチャンのロックンローラーとして走り続けているようだ。リック・ウォーレンが31アイスクリームを例に「一つの味しかないとつまらない。神さまは多様性を好まれる」と書いているが、「『クリスチャンでロックンロール』いいぞ」と思う。 【柳 聖生】
公式サイト http://www.saluki.tv