CD「Songs for Jesus」山本香織――イエスの十字架の宝血と赦しへの誘い
シンガーソングライター山本香織のシングルCD(全3曲+各カラオケ付)。伸びやかな中音域のリズム&ブルースは、「いっしょにイエス・キリストの十字架を見上げて、この人生を歩こうよ。しっかりを一歩ずつ。ハレルヤーな心持ちになれるよ!」とでも言っているようで、ソウルフルな一枚だ。
1曲目の「Send me」と2曲目の「Waiting for You」は、自身の作詞作曲で「Waiting for You」は英詩のみで作り上げている。「Send me」は、自分には何もできない、弱いものと恐れていたけれど、救い主イエスが命をかけた大きな愛の声を聴いたとき、’私を遣わしてください’という想いへと励ま励まされる。2曲目の「Waiting for You」では、上に向かってハレルヤと叫ぼう!。そして主イエスよ、すぐに来てください! 私たちはあなたを待っています!と、キリストへの希望を高らかに歌う。
3曲目の「時の別け隔て」は、Takaki Nakadai(詩)とIkko Yamasita(曲)による楽曲で、シンガーKaori Yamamotoのソウルが存分に伝わってくる。自分の心がひどく疲れていることを覚えさせられ、どこへ向かっているのか、もう立ち上がれる力さえ感じられなくなったとき。’あの古汚い十字架。イエスの十字架’だけが支えになり、歩き出す力が与えられたと歌う。2010年12月25日のクリスマスにリリースされたCDだが、この3曲目を聞いていて、今年3月に起きた東日本大震災津波で流された地、仙台市宮城野に立った1本の十字架のシーンを思い出す。文字通り荒れ地に立つイエスの十字架が’渇くものに水を 植えるものにパンを 僕に赦す力を’与えてくれる基のように、心ふるわされる歌唱なのだ。
収録されている3曲とも、それぞれの曲の個性を出しながら’イエス・キリストの十字架’を指し示す。クリスチャンにとって、キリストが十字架で流した血潮は、神を信じられなかった心と神から離れていた自分の存在を’神の子ども’として愛し、神から離れていた罪を赦す宝のような血潮。そのイエスの宝血と罪を赦す神の愛へ「いっしょに一歩踏み出して、ハレルヤ!と賛美しよう」と誘っている一枚だ。
アメリカで収録された3曲だが、サポートしているミュージシャンたちがすばらしい演奏を聞かせてくれている。ピアノ・キーボドにDarwin MartinとJulian Collazos、ベースにSteve Morgan、ギターにDavid Elam、ドラムスにはKeith Bankというアーティストたち。一枚のCDは、ミュージシャンと歌い手だけでは生まれない。アーティスト、エンジニアそして様々なデザインにかかわったクリスチャンの祈りの輪が熱く伝わってくる。 【遠山清一】