©2011 Enticing Entertainment,LLC,All Rights Reserved.
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大きな波が崩れていく(ブレイク)波頭を、気持ちよさそうにボードに乗って小気味よくターンするサーフィンは、遠目で眺めていても爽快感がある。だが、安定したいい波が立つサーフポイントの下は、岩やサンゴ礁のリーフボトムで、失敗すれば底に叩きつけられたり波にまかれて引きずられ大けがする危険もはらんでいる。スリリングなマリンスポーツ、サーフィンに魅入られた13歳の少女が、自分のテクニックでは回避しがたいシャークアタックに遭い左上腕を喰いちぎられ、プロ・サーファーとして再起した実話を基に映画化された作品。ディズニー映画らしく壮大な自然と事実に対する真摯な描写をとおして、少女の心を人生を生きることへ前向きに支え、励ます家族の愛と人との出会いが信頼の絆へと撚られていくすばらしさを物語っていく。

サーフィンを愛する家族の中で育ち、幼少のころから天才少女と注目されてきたベサニー・ハミルトン(アナソフィア・ロブ)。13歳にしてスポンサーがつきプロ・サーファーになることをめざして毎日練習する。その姿は、母親シェリー(ヘレン・ハント)に「マーメイド(人魚)」と言わせるほど。

ベサニーが、いっしょにプロ・サーファーを目指す親友のアラナ(ロレイン・ニコルソン)と父のホルト(ケヴィン・ソーボ)父娘といっしょに練習しているとき、サメに襲われ左上腕をサーフボードごと喰いちぎられた。二人に救助され病院に運ばれたが、緊急手術で左腕を肩口から切断される。順調に大会で優勝し、好成績を積み上げてきた矢先の出来事。家族や親友アラナらに励まされるベサニー。

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教会では尊敬する宣教師サラ・ヒル(キャリー・アンダーウッド)に、「これは神からの試練なのか、この出来事にどのような意味があるのか」と、自分の心の内を明かす。父親トム(デニス・クエイド)はボードの選択からメンテナンスまでサポートし、ベサニーも片腕での生活とサーフィンの練習に集中し、2か月後には大会に出場を果たす。だが、サーフボードを沈めて波の下をくぐり抜けるドルフィンスルーなど片腕では思うように行かず波にのまれてしまうなど散々な結果に意気消沈する。そして、サーフィンを続けるか辞めるか揺れ動く心。そんな折、スマトラ沖大津波災害が起こり、ベサニーはボランティアとして被災者らの救援活動に参加する。そこで、子どもたちと接しているうちに、ベサニーの心の内にも何かが変わっていく。

ベサニーの原著は日本語にも翻訳されていて、その彼女自身のキリストへの信頼と信仰、家族との証しも広く読まれている。映画では、2005年にオーディション番組「アメリカン・アイドル」で優勝しデビューアルバム「Some Hearts」はじめ4枚のアルバムが全米1位を獲得しているカントリー歌手キャリー・アンダーウッドが、宣教師サラ・ヒル役でベサニーの転機に関わる重要なシーンに出演していることも話題の一つ。予告編でも紹介されているが、「どんな辛いことにも、何か意味があると信じるの」と、ベサニーを励ますサラ。人は生きるために生まれてきた。何が起ころうとも人生に意味のないことは一つもない。  【遠山清一】

わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。
――主の御告げ――
それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、
あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。(エレミヤ29章11節)

監督:ショーン・マクナマラ 2011年/アメリカ/106分/原題:Soul Surfer 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ 2012年6月9日(土)より新宿バルト9ほか全国公開

公式サイト:http://disney-studio.jp/movies/soulsurfer/