©2013「陸軍登戸研究所」製作委員会/アジアディスパッチ
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3時間のドキュメンタリー作品。長作だが不思議と証言者たちの話しに引き込まれて行く。

飛行機からの市街地空爆、毒ガスでの無差別殺傷など、第1次世界大戦は戦争の概念と様相を一変させた。日本では、新兵器を研究開発し秘密裏に実験する施設として陸軍登戸研究所(登研)が造られた。特殊兵器や細菌戦への研究など、近代の戦争が無差別な大量殺りくをはらんだ非人道的な性格を持っている実情を思い知らされる。

登研が取り扱っていた研究内容は、小型無線機や録音機、特殊写真機、特殊インクなどの諜報・防諜器材。小型爆弾、万年筆型ピストル、風船爆弾、偽造紙幣などの謀略器材。宣伝用器材やうそ発見器、防弾チョッキなどの憲兵用器材。怪力光線(殺人光線)、無線操縦などの電波・無線器材と幅広い。

敗戦直前に証拠隠滅命令を受け、研究内容のあらゆるものが焼却破壊された。資料が乏しくなか6年間追い続け、研究員はじめ作業員や職人、動員された女学など40人近い証言者たちを取材している。

©2013「陸軍登戸研究所」製作委員会/アジアディスパッチ
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薬物と人体実験に関わった故・伴繁雄氏の自伝的告発書『陸軍登戸研究所の真実』は、重要な基礎資料。伴氏の未亡人が語る証言はある種の洒脱さを持ちながらも、戦争と人間の悲劇的な関わりを浮かび上がらせている。 【遠山清一】

監督:楠山忠之 2012年/日本/180分/ドキュメンタリー 配給:オリオフィルムズ 2013年8月17日(土)より渋谷ユーロスペース、名古屋シネマスコーレほか全国順次公開。

公式サイト:http://www.rikugun-noborito.com
Facebook:https://www.facebook.com/rikugunnoboritokenkyujyo?fref=ts