宗教改革500周年記念講演会「終わりの時を、希望に生きる~カルヴァンの終末論」(お茶の水クリスチャン・センター神学研究会主催)が11月16日、同センター8階で開催。吉田隆氏(神戸改革派神学校校長)が講師に立った。
 吉田氏は、まず宗教改革以前の終末観との関係について、「死の不安におののく庶民に対し教会は告解というシステムによって魂をコントロールしたが、宗教改革者たちは福音そのものを語ることによってそのシステムを破壊した」と語った。とりわけ、カルヴァンは「来たるべき主と一つとなることによって、神が私たちの裁き主ではなく父となり、世界は不安と恐れから解放された神の世界となった」と宗教改革の意義を解説。さらに、アウグスティヌス以後の救済史を紹介しながら「キリストの王国(支配)はすでに始まっているが、未だ完成していない」と語り、それに基づくカルヴァンの終末論をひもときながら、「私たちは世にありながら、世のものではない。この世の国を絶対視も軽視もするべきではない」と勧め、カルヴァンが教育と教会形成に力を注いでいたことを紹介しつつ、世の力に抗いながらも魂の成長と福音の前進に専心すべきことを説いた。