音楽祭:10月24・25日に阿佐谷ジャズストリート――4つの教会堂がパブリック会場に

昨年の第19回阿佐ヶ谷ジャズストリート、ルーテルむさしの教会でのコンサート。写真:AJS公式ウェブサイトより

JR阿佐ヶ谷駅周辺および北側の西武線鷺ノ宮駅へ伸びる中杉通りに面して、今年も第20回阿佐谷ジャズストリート(AJS)が、10月24日(木)と25日(金)に開催される。ジャズピアニストの山下洋輔やシンガーのマーサ三宅ら名だたるアーティストが毎年出演している。「阿佐谷のまちをジャズで明るく楽しいまちに」の合言葉で1995年にスタートしたAJSは、ジャズフェスティバルの名を冠していても音楽ジャンルにこだわらないフェスティバルが増えている中で’ジャズ’にこだわっている。
もう一つ特長的なのは、地域の4つの教会がパブリック会場として有料コンサート会場として参加していること。

昨年の第19回阿佐ヶ谷ジャズストリート、久遠キリスト教会でのコンサート。写真:AJS公式ウェブサイトより

AJSは、プロのアーティストによる有料コンサートを上演するパブリック会場(13会場、チケットはどの会場でも共通のパスポート制)のほかストリート会場、レストランなどが独自に開催するバラエティ会場など約60会場で多彩な演奏が行われている。
こうした町を挙げての大イベントに、4つのキリスト教会がパブリック会場として参加している。地元に80年以上の歴史を刻んできた日基教団・阿佐ヶ谷教会(大村栄牧師)と聖公会・阿佐ヶ谷聖ペテロ教会(田光信幸牧師)や、初代・丹羽之牧師の家庭礼拝から74年の礼拝と伝道の歴史を持つ久遠キリスト教会(三浦真信牧師)、鷺ノ宮から現在の下井草に会堂を移転して56年経つ福音ルーテル・阿佐ヶ谷むさしの教会(大柴譲治牧師)など、地域とともに長年歩んできた教会でそれぞれ200人規模収容できる教会堂を会場として提供している。
それぞれの教会が、AJS実行委員や出演しているアーティストなど人と人とのコミニケ―ションで進展してきたことだという。2008年から会場を提供している阿佐ヶ谷教会の大村牧師は、「出演者は基本的にAJSで決めているが、実行委員や出演者が一度は礼拝に来てくださり、礼拝する場所であることをよく理解してしてくださっている同じアーティストが、この数年演奏してくださっている」と、主催者の理解と連携に信頼している。

AJSでの教会パブリック会場に初出演するドMANNA & IRIE AMIGOS SABROSOのバンドマスター入江新一郎さん。

久遠キリスト教会の三浦牧師は、3教会が会場になっているAJSに関心は持っていた。3年ほど前、「知り合いで毎年出演しているクリスチャンシンガーの森崎ベラさんに、うちの教会堂でも使ってもらえるだろうかと話してみところAJSの実行委員に連絡してくださり、じきに決まった」という。教会は敷居が高いと思われているかもしれないが、阿佐ヶ谷での地域と教会とのつながりのように、地域から望まれていることに歩み寄ることから開かれる道もある。大村牧師も三浦牧師も、AJS実行委員を務める商店主や区役所職員らと親しく話せる繋がりが築かれ地域との関係が広がるのは望ましいことだと受け止めている。
三浦牧師が友人でジャズピアニスト入江新一郎さんのバンドMANNA & IRIE AMIGOS SABROSOを推薦したところ24日の出演が決まったという。AJSでのレギュラー出演が初めてという入江さんは、「ジャズというと暗い、あきる、というイメージを抱く人もいるかもしれませんが、よく知られている賛美歌やトラディッショナルなゴスペルをジャズでアレンジされた楽しい曲もたくさんあります。ジャズは聞きなれていないジャンルかもしれませんが、臨場感のある教会でのライブで多くの人に親しまれ楽しんでいただけたらうれしい」と、教会堂でのジャズ演奏に向けて抱負を語っていた。 【遠山清一】

各教会およびストリート会場などでのイベントの詳細は、阿佐谷ジャズストリート公式ウェブサイトで。
公式サイト:http://www.asagayajazzst.com/
Facebook:https://www.facebook.com/asagayajazz