5月27日号紙面:真剣勝負「J+PASSION」 バトンタッチ「TORCHプレ大会」
2018年05月27日号 01面
少子高齢化の時代、日本のキリスト教会でも牧師の高齢化、後継者不足、次世代の問題が言われて久しい。だが、今年は1月の「ゴスペルナイトNEXT」(同実行委員会主催)、3月の「リフォユース500(宗教改革500周年記念教会青年大会)」(日本基督教団主催)と、ユースを対象にした大会が盛況だ。11月には「第2回日本青年伝道会議」も開催される(3面に関連記事)。そんな流れの中、4月に教派を超えた教会・クリスチャンが協力して開催する青年大会「J+PASSION TOKYO 2018」、5月にこれまで日本のキリスト教界を牽引してきたリーダーから若いリーダーへの信仰継承を目的とした宣教大会「TORCHバトンタッチ」(本大会6月16日)のプレ大会が開催された。
「TORCHプレ大会」(同宣教大会実行委員会主催)が5月12日、東京・台東区上野の上野の森キリスト教会で開催。中村穣氏(飯能の山キリスト教会牧師)率いる賛美チームによる賛美の後、国内外から注目を集めている若手シンガーKenta Dedachiがギター弾き語り、繊細で透明感のある歌声で自身の信仰を歌で表現、会衆を魅了した。続いて中村氏がペテロの手紙第一2章から、「苦しみの向こう側にある希望」と題してメッセージ。「19節の『神の御前における良心』とは、ギリシャ語では『神の思いを通して』の意味。私たちが苦しい時、神様がそこにいることが分かる。苦痛を耐えるということは、ただ一人で耐えなさいということではなく、苦痛や悲しみを神様に委ねなさいということ」
「6月16日の本大会にはぜひ主の前に信仰のバトンを渡し、また渡されたい。その前に、神様が私たち一人ひとりに与えてくださった灯を、まず神様から受け取りたい」と中村氏。「灯はとっても大事。ちょっとの光がとても大きな力を持っている。互いの灯を励まし合う時、大きな火になる」
「その前に自分の脇に置くことだ」と強調。「私たちは罪に勝とうとするが、そうではなくて罪に死ぬこと。イエス様は十字架上で私たち一人ひとりに愛を注いでくださった。神様から始まる私たちに神様がそれぞれに信仰を与え、灯を与えてくれる。私たちは一人ではできないが神様が共にいてくださる。みんなで灯火をしっかり受け取り、ともに励まし合っていきましょう」と奨励した。
発案者の重田稔仁氏(上野の森キリスト教会牧師)は、「TORCH」が開催されるきっかけ、経緯についてこう語る。「昨年5月に開催したルカ15章の放蕩息子の弟と兄の和解をテーマにした宣教大会が始まり。その後、長い間交わりを持てなかった牧師と不思議な形で和解がもたらされた。日本の教会にある世代間の和解が進んでいったら、難しいと言われてきた日本の宣教が進んでいくのではと思った。そのアイデアをゴスペルナイトNEXT、リフォユース500の関係者にシェアしたら、やりましょうと」
6月16日の東京・新宿区百人町の「TORCH」本大会では、大川従道氏(大和カルバリーチャペル主任牧師)、岸義紘氏(ミッション2001伝道者)のメッセージに30代の田所滋郎氏(日基教団・富士見丘教会主任牧師)が応答する。「50代の私たちは踏み台になります」と決意を語る重田氏。「これは礼拝です。ぜひ参加してください」と呼びかけた。
「真剣勝負」テーマにトーク J+PASSION TOKYO 2018
4月30日、「真剣勝負」(黙示録3章15節)をテーマに、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開催された「J+PASSION TOKYO 2018」(同実行委員会主催)では、聖会1に大嶋重徳氏(キリスト者学生会総主事)、聖会2に細江政人氏(ヒズコール・チャーチ牧師)が講師に立った。
3月に終了した太平洋放送協会インターネット番組What the Pastor(WTP)の特別番組公開録音も実施された。パーソナリティーの大嶋氏と朝岡勝氏(同盟基督・徳丸町キリスト教会牧師)が真剣勝負をテーマにフリートーク。勝負服や試験、部活、スポーツなどの体験談に会場は湧いた。朝岡さんが教会堂建設についてのエピソードを明かすと、話は信仰の核心に展開。「負けると思って冷ややかな自分がいないか」「イエス様は負けた側にいる」「愛の勝負」など話が深まった。同番組は分科会分も含めて5月7、17、27日の3回に分けて番組ホームページで公開される。
続いて大嶋氏が説教。黙示録2章1~7節からエペソ教会に向けられた「初めの愛から離れてしまった」という言葉に注目。エペソ書から①キリストへの愛、②教会への愛、③異邦人、クリスチャンではない人への愛、を挙げて話した。
①について、「イエス様以上に愛しているものはないか」と問いかけた。「神様は妬む神。あなたがどんなに罪深くても、かけがえのない存在として愛してくれる」と励ました。②について、「エペソ書の大きなテーマは教会」と述べた。「私たちの間が愛でつながっているか。教会は兄弟姉妹、家族になる。『あの人たちは愛がない』と思うかもしれない。しかしあなたにも愛がない。愛せないあの人といっしょに教会を愛していきたい」。③について、「同じ世代で、教会が離れた人がいるだろう。『私はイエス様と教会を愛して離れなかった』と思っても、友人の救いを願わなければ愛とはいえない」と語った。
自身の父が今年信仰告白をしたことを明かした。母は47年父の救いを祈っていた。「母がどれだけ父を愛していたか。絶対同じ救いに与かりたい人がいるだろう。愛はあきらめないこと。愛する勝負では負けたくない」
最後に「どこから落ちたのか」(5節)と悔い改めを促し、神様の言葉、礼拝を通して神の愛に戻ることを勧めた。
分科会ではほかに当日の賛美リードも務めた横山大輔、和子夫妻によるワーシップセミナー、細江氏の実践が紹介される。次回以降つづく。