広島県呉市 交通網寸断され陸の孤島状態 安芸津キリスト教会は一歩手前で浸水から守られ
西日本各地に被害を与えた記録的大雨では、広島県が死者36人、行方不明者17人(消防庁災害対策本部7月9日6時30分発表の統計)と犠牲者がいちばん多かった。特に呉市とその周辺は、土砂崩れによりJR線、高速道路など交通網が寸断され、陸の孤島状態で、物流が滞っている。9日に国道の片側が復旧し広島まで行けるようにはなったが、渋滞が見込まれるという。そのため、物資は主に、広島からフェリーで運んでおり、呉市住民も買い出しはフェリーで広島まで買い出しに行かなければならない状態だ。また水道に土砂が流れ込んだことで、断水が続いている。
東広島市安芸津町三津の日本福音宣教団・安芸津キリスト教会は、7月6日から7日にかけての豪雨で教会堂脇を流れる三津大川が増水。会堂前の駐車場の砂がえぐられた。会堂はかろうじて浸水から守られが、浄化槽が壊れ、トイレは使えない状態。電気も漏電しつかない状態だ。安芸津キリスト教会は、今年1月に向井正信牧師が亡くなったことで現在無牧の状態で、信徒3人で礼拝を守っているが、8日日曜日の礼拝は川の増水で浸水の危険があったため、信徒の野地本由美さんの自宅で礼拝を守った。野地本さんは、「前の駐車場は、川は国、電柱は中国電力、水道は市と別々に管理している。全部の調整がうまくつき、順調に駐車場が整うように。皆さんのお祈りが必要です」と祈りの要請をした。
呉市西中央の日本基督教団呉平安教会(小林克哉牧師)は、教会堂は守られたが、教会員で家の中に土砂が入り込んだところがあった。親戚が亡くなった教会員もいるという。8日の礼拝には「移動手段がなく、教会員の3分の1しか集えなかった」。小林牧師は「礼拝では、自分たちのためよりも地域のために祈ろう、絶望の中で神を信じ、希望をもって祈ろうと呼びかけました」と語った。
呉市吉浦潭鼓町のアライアンス・吉浦キリスト教会(泉昭憲牧師)は、「教会堂は守られたが、8日の礼拝は交通手段がなくて出席者が4分の1だった」。泉牧師は「山沿いでは水も電気もなく、配られたお弁当で助けられている。高齢者が多く、認知症の方足の悪い方もいるので、高齢者のために祈ってほしい」と要請した。
三原市館町の日基教団・三原教会(林智之牧師)は、礼拝堂が1センチ浸水した。建物の被害は特にないという。三原市は今も断水が続いており、交通が寸断され、物資が入りにくい状態だが、「近隣の日本基督教団の教会から支援があった」と林牧師は話す。「本郷町、船木町は1・5〜2メートル浸水した。今は水は引いているが、地盤が緩み、土砂災害が起きやすい。本郷町、船木町のために祈ってほしい」と要請した。