神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。ヨハネの福音書3章16節

クリスマスおめでとうございます。今年も素晴らしいクリスマスの喜びをともに味わうことができ、心から感謝いたします。クリスマスは人間を救おうとなさる神様の愛の現れです。神様のひとり子であられるイエス様が、赤ちゃんとして地にくだり、子として成長しつつ人間を学び、地上での最後は全人類のための十字架上での死と3日後の復活でした。この素晴らしい福音に私はただ感動し、神様に感謝を献げるばかりです。
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今年は各地で大きな災害が起こりました。被災された方々に心からお見舞いを申しあげます。そして一日も早い復興と回復をお祈りいたします。また、被災地を覚えてご支援くださり、背後にあってお祈りくださった多くの方々に心から感謝したいと思います。
岡山では7月上旬より降り続いた雨によって西日本豪雨災害が発生し、今も多くの方々が深い悲しみを背負って歩んでおられます。その中で神様は諸教会に志をお与えになられ、岡山キリスト災害支援室(岡キ災)が立ち上がりました。この働きは「岡山県宣教の集い」という宣教協力の働きが土台となり生み出されました。現在、68教会と2団体が働きに加わっています。
これまで10か国以上からのべ2千人を超えるボランティアたちが岡キ災を通して活動し、被災地における支援が続けられています。「キリスト教会にとって宣教活動と支援活動は車の両輪のようなものです」と、東日本や熊本などで支援活動を行っている方々から助言をいただきました。これまでの働きを通して「本当にそうである」と実感しています。神様は、黙々と作業するボランティアたちのうしろ姿を通して御業を成してくださり、全世界から集まるボランティアたちと被災された当事者たちに多くの恵みを注いでくださっています。吉岡2
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この働きのために3か月間被災地に住んでくださったご家族がおられます。ご主人は作業リーダーとしてボランティアをまとめ、奥様は子育てをしながら活動を支え、0歳の赤ちゃんはその存在によって周囲に笑顔を与えてくれました。この一家の存在が、痛みと苦しみのある場所に笑顔と元気を生み出したのです。まるでローマ帝国の支配によって暗闇に沈んでいたユダヤの寒村にてイエス様が誕生され、長旅と出産で疲れ切った両親とその場に居合わせた人たちを笑顔にしたように。
被災当事者とボランティアたちの変化に目が留まります。自死から生還し喜んで作業する人、うつ病から回復した人、ひきこもりから解放された人、そして信仰を告白した人。被災地に流れる空気の中に「あなたがいてよかった」「あなたが必要です」といった声にならないメッセージがあることに気が付きました。被災地を去るときに、多くのボランティアが涙を流し、また当事者の方々も涙を流されます。おそらく、これまでの日常とは違った何かを感じ取られたからでしょう。ちまたでは「お前なんかいらない」「お前なんか必要ない」といった乱暴な言葉があふれ、人々は傷ついています。しかし、被災地という非日常の中で大切なものが見えてくるのです。
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不思議なことですが、とてもシンプルにされます。神様の創造された自然の大きさと人間の小ささを実感し、すべきことが見えてきます。大事なことが浮き彫りにされ、ちょっとした出会いから後に続く大切なものが生まれます。さまざまな出来事を通して「今も生きてお働きになられる神様」にお会いするのです。聖霊なる神様のお働きにより、見たことや聞いたことが祈りに変わり、沈黙から賛美が湧き出るのです。神様と私とあなた、その交流から恵みと祝福があふれ出るのです。
世界ではじめのクリスマス、家畜小屋のイエス様のもとに導かれた人たちもそのような体験をしたのではないでしょうか。やど屋の主人や羊飼い、マリヤとヨセフ、そして異国の博士らも。大きな星の光に照らされたその場所は、見えにくく、聞こえにくくなっていた神様からのメッセージをはっきりと人々に知らせました。「神様があなたのことを愛しています。あなたが必要です。神様はあなたを欲し、あなたを救うためにこの赤ちゃんを世に遣わしたのです」と。このメッセージに気づかされた人々はみな、飼い葉おけの中で寝ておられるイエス様を礼拝したのです。
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12月に開所した真備センター(通称・まびくら)は「まびに くらしの ぬくもりを」をキャッチフレーズとしています。私たちは、まびくらを拠点として寒さの中にある被災地にあかりと温かさを届けたいと思っています。災害の傷の残るこの建物が、ひかりとぬくもりに満ち、地域の方々の居場所になることを切望しています。あの家畜小屋のように光に満ち、神様の愛が満ちあふれますように。救い主はあなたを必要としています。ともにイエス様にお会いいたしましょう!

12月23・30日号で掲載。

24ページ合併特大号になります。

☆メッセージ「あなたのことが必要だから」
吉岡創=岡山キリスト災害支援室・書記、南輝・広江・津山聖約キリスト教会牧師

☆普天間「落下物」事件から1年“余計にひどくなっている” 緑ヶ丘保育園園長、保護者ら政府交渉

☆JBS『聖書 聖書協会共同訳』発行記者会見
「ツァラアト」は「規定の病」に

☆特集は、回顧と展望、写真で見る1年、美濃ミッション、映画、明治150年、第2回日本青年伝道会議、クリスマス、災害防災支援、読書など

次回1月6、13日合併号も年内発行です。

クリスチャン新聞WEB版
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