次世代のリーダー育成と教会の健全化および活性化のために注目され、日本の教会にも広がってきているコーチング。だが、まだまだ手探り状態の部分も少なくない。そんな中、コーチングを学んでいる人、活かしている人、提供している人、良く知らないけれど興味がある人などを対象にしたオンライン交流会が5月8日、開かれた。主催者は生涯学習開発財団認定コーチの中澤信幸氏(バプ教会連合・大野キリスト教会牧師)、トラストコーチングスクール認定コーチの鈴木大輝氏(町田グレースチャーチ牧師)。

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当日は「クリスチャンとコーチングのこれから」というテーマで、コーチングを実践している3人が5分間のフリートークをした。
最初は保育士をしている天野海斗さん。西野さんは「コーチとは、賜物を発見するために神様が与えてくださった助け人。すばらしいコーチはあなたの人生に大きな影響を与える。コーチはあなたに与えられたすばらしい可能性に気づかせる助けをしてくれる。クリスチャンにこそ、コーチは必要だ」と語った。
二人目は永原アンディさん(ユアチャーチ牧師)。永原さんは牧師としての様々な挫折を経て、コーチングに出会ったと明かす。「一人のコーチが『君のペテロ、ヨハネ、ヤコブ(自分にとってのコーチ)は誰?』と質問をしてきた。この問いが27年間チームで牧会してきたことの出発点だった」
「初めて日本に紹介した福田充男さんは『クライアントが福音にふさわしく生活できるよう助けること』と、クリスチャンコーチングを定義づけている。それには自分を知るため自分を客観的に見る必要がある。碁を打つ人よりそばで見ている人のほうが先を読める。この助けが大きなブレークスルーをもたらす」
その上で、クリスチャンコーチングの無限の可能性を現実化するために一般化、体系化、組織化の三つを期待した。

オンライン交流会参加者

三人目は松田健太郎さん(クロスロード・インターナショナル教会牧師)。「これまでは信徒をうまく管理して教会をまとめるというのが、牧師の仕事にあった。だがコーチングは、一人ひとりの中にあるものを信頼しそれを引き出していくこと、神様との関係の中で答えを見つけていくことが一つのあり方だ。そういうアプローチは今までの教会のあり方を変え、可能性を広げるのではないか」と語った。
トークの後、数人に分かれてディスカッションし、グループでシェアをした。その中で「『会話する中で、この人は的を射たことを言っている、話した後で頭が整理されている。それがコーチングに近いこと』という説明に納得した」、「今までの教会はティーチングが強かったが、今後はコーチングがもっと必要だと思った」、「自分にとってペテロ、ヨハネ、ヤコブは誰なのか考えさせられた」、「コーチングを通して、教会って何だろう、クリスチャンとして生き生きするために必要なものは何だろうと考えさせられた」などの感想があった。今後はフェイスブックページを活用し、交流を深め広めていく予定。